暮らし ほんのり豊かに
Quality of life
作業のコツ

平ほぞ加工の学びと体験録 (建具を作る)

このところ暖房用燃料の高騰傾向が続いているため、これからは、さらに暖房を効率よく行い燃料の消費量を抑える必要があるのではないかと案じていたところでした。

そのために、大事になるのは家の断熱効果を高めることです。家全体の断熱を考えるとき、熱の放出割合が高い部分といえるすべての窓を二重化(複層ガラスサッシに交換、もしくは内窓設置)することが望ましいと言えます。

しかし、すべての窓の二重化は簡単ではないので、とりあえず、比較的に滞在時間が長い部屋につて断熱効果を高めていきたいと考えています。

私にとっては、4畳半のダイニングは暖房費を節約できて経済的であり、また、こじんまりとした感じが何とも言えず、精神的な面においても居心地が良い空間といえます。また必要に応じて、仕切りのスクリーンパーテーションを開けると、隣のエアコン付き6.5畳リビングと簡単につながります。

1階にいるときは、ほとんどダイニングで過しているのですが、夏はエアコンを入れパーテーションを開けて11畳として、冬は隣の部屋のエアコンを入れて4.5畳にファンヒーターで足元の暖を補うイメージです。

問題は、4.5畳ダイニングと隣のキッチンを仕切る「自作パーテーションと天井カーテンのすき間から容赦なく流れ込む冷たい空気の漏れ」でした。もちろん、「仕切り無し」の状態に比べればダイニングを遥かに暖かい状態にできるのですが、なかなか満足できていない状況でした。

そこで、ダイニングを「冷たい空気の漏れに悩まされない快適空間」にするために、断熱性能が高い中空ポリカーボネートを使って、軽くてスリムな建具を「ほぞ接ぎ」して作ってみようと決めたのでした。

 

建具用ほぞ加工のやり方についてYoutubeで学び、そして体験してみる。

 

ほぞ加工の際に、私が参考にした動画をご紹介

これまで、週末の限られた時間のなかで、あまり時間をかけない簡単なDIY作業を意識してきました。その場合、「電動工具を使ってビス止めする」という作業パターンのほうが木組みを素早く行うことができ効率的でした。

しかし、ビス止めというやり方が常に有効と限りません。使用する木材が細いときは割れやすいというデメリットもあります。

今回は、引違い戸を軽くてコンパクトなものに仕上げたいという希望があり、しかも、気密性を高くしたいので2枚の建具のすき間をあまり大きくしたくないと考えていました。

そこで、建具の接合方法を「ビス止め」ではなく、「ほぞ接ぎ」が適していると判断しています。私はプロの大工を目指しているわけではなく、あくまで生活に必要なものを作ってみたいなと考えて行動しています。

ですから、ここで紹介する動画の中身を全て忠実におこなっているわけではなく、あくまで役に立ちそうだと感じた部分のみを実行しています。

また、この動画は「ほぞ接ぎに興味はあるけど、どうやったらいいのかほぞ接ぎのやり方がわからない」という方に参考にしていただければと思います。

下に紹介するアルブル木工教室の動画は詳しい解説がありますので、見るだけでホゾ加工の作業イメージがわいてきます。一方、宮大工さんの動画では解説はありません。まさに「見て技を盗む」なのですが、ノミの使い方を身に着けるための良い教材だと思います。

 

 

 

解説はありませんが、「ノミの使い方」のイメージトレーニングとして効果的な動画だと思います。

Youtube 宮大工が職人技で教える初心者のためのほぞ穴の作り方動画

 

 

 

胴付き(ほぞの肩の部分)をカットするための治具

ほぞには多くの種類がありますが、平ほぞ接ぎはシンプルなほぞ接ぎですので、私のような初心者がチャレンジするにはおすすめの枘(ホゾ)といえます。

ここで紹介する【カット用の治具】は、先に紹介した動画「アルブル木工教室 ホゾで木組みのスツールを作ろう」のなかで紹介されているものをまねて作っています。

平ほぞでは下図に示すように、「胴付き」という部分があります。この面は「ほぞ」を「ほぞ穴」に差し込み接いだ時に、きれいな仕上がりのために重要な部分になります。

つまり、ほぞのきれいな仕上がりのためには胴付き部をきれいに直角にカットする必要があります。

ですから、ほぞの胴付き部をきれいに直角にカットするために、こちらの治具を自作されることをお勧めします。

 

 

 

木工手道具の基礎と実践より

二方胴付き平枘接ぎ

家具、建具、建築において一般的に利用される接ぎ手。枘厚(ほぞあつ)は框厚(かまちあつ)の1/3が標準

三方胴付き平枘接ぎ

框の端部への枘接ぎで、枘穴の端(木口部分)の割れを防ぐため、枘幅を1/3減らす。

四方胴付き枘接ぎ

外見を重視した枘接ぎ。枘穴を貫通させず、組んだら枘が見えない接ぎ手。

 

端材を使って治具をつくる

必ず、こうしなくてはいけないといことはないのですが、できればサイズの異なる材料を組み合わせた方が「使いやすい入隅の直角【∟】」ができると思います。

動画の中で使用されている自作治具は長方形の断面の角材を組み合わせて大きめの入隅を作っているようです。

治具の材料を選定するときに、最も重要となるのは端材の小口が正確な直角となっていることです。ですから、治具製作のための材料選定では端材の直角具合を確認しましょう。

 

治具に使用する端材の小口が直角であること

この治具に求められる特性はノコのガイド面となる部分が正確に直角に仕上げられていることです。

通常、ホームセンター等で販売されている木材は機械でカットされていますので、小口の部分はきれいな直角であると思います。

 

スコヤを使って直角度を確認

下の写真から分かるように、端材の小口はスコヤと隙間なく接していることが分かります。つまり、正確な直角であることが分かります。

ちなみに、上の写真で使用している角材のサイズは □45×30ミリ と □19×19ミリ です。

治具の材料をビス止め

私の治具の長さは、ゆったりと握れるように150ミリにしています。必要な長さでカットする前にビス3本で二つの角材をしっかり固定しています。

 

 

必要な長さでカットし、治具はおおよそ完成

最後のカットは、できれば、テーブルソーやスライド丸ノコなどでキレイに直角にカットすることが望ましいのですが、もしない場合は、切断面がキレイな直角となるようにスコヤを使って正確にケガキを入れます。

慎重に鋸でカットしましょう。ただし、治具を使用しないで手引きしたカット面は機械でカットした時のようにきれいな直角にはならないと思いますので、補助的に使用されると良いでしょう。

ホゾの胴付きをカットする場合は、必ず機械でカットした面を使いましょう。

 

 

最後の仕上げにマグネットシートを貼る

私が使用したのは、100円均一ショップで購入した両面テープつきのマグネットシートです。マグネットシートは万能ハサミでカットしてみました。

カット治具の断面形状に合わせてカットしたマグネットシートは、両面テープで木材の端面に貼り合わせています。

 

 

治具の使い方

カットする角材にケガキ(罫引き)をします。次に、ケガキ線がちょうど見えなくなるくらいに治具をセットします。

あとは、ノコをマグネットにあて、ノコを持つ手の力を抜いて、ノコの左右への倒れ(直角に保持)はマグネットの力にまかせてノコを引きます。

アルブル木工教室の講師の手本によると

ホゾの胴付き部をカットする際、ノコを往復させるのではなく、マグネットにあずけたノコを引き終わったらノコを抜いてあらためてノコの根元を治具のマグネットにあててノコを引くという繰り返しをしながらカットしています。

 

 

 

実践 ほぞのオスの加工

今回のホゾは、パーテーション用の引き違い戸の製作に必要となります。私は「四方胴付き止めほぞ接ぎ」を採用しています。ホゾにはほぞ穴を貫通させる「通し」と、ほぞ穴を貫通させない「止め」があります。

ほぞ穴の加工としては、「止め」より比較的に貫通させる「通し」の方が加工しやすいと思うのですが、素人が加工するホゾできっちりと固定できると考えてはいなくて、最終的に木工ボンドで固定することを前提としています。

そのため、ホゾが見えない「止め」を選択しています。

 

最初はほぞの墨付け 【罫書き(罫引き)】

アルブル木工教室の動画内では、罫引き(けひき、けびき)にて木の繊維を切るように墨付けをおこなうように勧めています。

墨付けを行う際に、罫引きで木に切り込みを入れおくと、ノコの刃が溝に入っていきノコによる加工が非常にしやすくなるとの事です。

私は、罫引きは特に準備していません。鉛筆による墨付け(ケガキ)を行っています。

まずは、ホゾのオスの長さを決めます。

ホゾを「通し」にするのか、「止め」にするのかを決めて「ホゾのオスの長さ」を決めます。

私が使用した材料は、□30×30ミリのエゾ松です。止めホゾにしたいので、ホゾのオスの長さを20ミリにしました。

エゾ松を選んだ理由は

エゾ松はホームセンターの木材の中で、杉やヒノキと比べて非常にきめが細かく反りもほとんどなかったのでエゾ松を使用することを決めました。価格はやや高めではありますが、引き違い戸が完成後に反りが出ては使い物になりませんので仕方なしと判断しています。

 

ホゾの厚みを決めます。

ホゾの厚みは、同時にほぞ穴の幅と同じになります。ですから、穴の加工ができることを前提に決めなくていけません。

ホゾの厚みはどのように決める?

二方胴付き平枘接ぎ

家具、建具、建築において一般的に利用される接ぎ手。枘厚(ほぞあつ)は框厚(かまちあつ)の1/3が標準    「木工手道具の基礎と実践」より

 

アルブル木工教室の動画内では

ホゾの厚みは、持っているノミのサイズに合わせるように勧めています。

ほぞ穴の加工方法はいろいろとあり、古くからの手法としてある、ノミでほぞ穴を加工するやり方が基本になるとおもいます。他には「角穴ドリル」で穴をあけたり、電動ドリルやトリマーを使って下穴をあけ、ノミでほぞ穴を仕上げる方法などがあります。

いずれの方法をとるにしても、最後の仕上げにはどうしてもノミが欠かせないとおもいますので、もしも、仕上げたいホゾの厚みよりも小さい鑿を持っていない時は必ず準備する必要があります。

ちなみに私は必要に応じて、その都度ノミを買い足した結果、現在7,15,30ミリと三本の鑿を持っています。

それから、ノミを購入される際は是非【砥石】も一緒に購入されることをおすすめします。

ホームセンターで購入するような鑿は刃先にカエリがあることがあります。(私が購入した安価なノミはカエリがあり、そのままの状態では切れ味が良くありませんでした。)

 

ホゾのオスを縦方向に切る

まずは、ホゾの縦方向の罫引きの部分を縦挽きノコを使って切っていきます。

① 罫引きにノコのアサリを意識して位置決め

下図のように切除する部分の罫引きにアサリの先端を意識して刃の位置を決めます。

アサリを意識して、ノコの位置を決める。

 

(※上図では、横挽きノコのアサリの表現したものになっています。)

 

② 罫引きを「ノコの刃の厚みの線」に変える。(ホゾのオスの先端部)

ノコの位置決めでは、親指の爪にノコを当てて位置決めします。そして、ノコをやさしく木材に当て、軽くノコを引くことで罫引きを「ノコの刃の厚みの線」に変えます。

そうやって出来たノコの刃の厚みの溝(線)が、ノコ引きする際の軌道となりノコの運びがスムーズになります。

③ 罫引きを「ノコの刃の厚みの線」に変える。(ホゾのオスの側面)

 

④ ホゾの側面を斜めに切り込む

このとき、ノコによる切断面は斜めになっています。

 

 

⑤ 木材を裏返して反対側を斜めにカット

木材を裏返して、先ほどと同じく切除するホゾの部分を斜めにカットします。この時点では三角形の形をした「まだカットしていないの部分」が残っていることになります。

 

⑥ 最後はノコを立てて罫引きまでカット(罫引きの僅か手前まで)

まだカットされていない三角形の形に残った部分をカットします。

このとき、

注意点

罫引きよりも切り過ぎてしまうと、ホゾを組んだ時に「切り込みキズ」として見えてしまいますので注意が必要です。

ホゾの見栄えを左右する胴付き部のカットについては、最後に治具を使ってきれいにカットしますので、縦挽きを使ったホゾの縦方向のカットは罫引きのわずかに手前までにとどめた方が良いようです。

準備すると便利なもの

この時は、ノコを真っ直ぐに立てた形でカットしますので、ノコを縦挽きできるくらいのやや高めの作業台、あるいはそれに代わるものがあると便利です。

 

動画内のアドバイス

最後は鋸を立てて線までカット、このときノコを持つ手元をやや前に押し出すように意識すると良い。(ノコは手元にくるほど細くなっているため)

 

⑦ ホゾの縦の切り込みがすべて完了

二方胴付き平ほぞ継ぎ、三方胴付き平ほぞ継ぎ、四方胴付きほぞ継ぎのいずれであっても、まずは、ホゾの縦の切り込みを完了させます。そして、横挽きノコにてホゾの胴付き部をカットします。

 

ホゾの胴付き部をカット

ホゾの仕上がりを大きく左右する大事なカットになります。そのため、治具を使って正確な直角面ができるようにします。

 

上の写真は、アルブル木工教室の動画内で紹介されていた「ホゾの胴付き部を直角にキレイにカットするための治具」をまねて作ったものになります。治具の端面に装着してあるマグネットシートによりノコが引き寄せられるため、安定してノコ引きができるようになります。

アルブル木工教室の動画のなかでは、この治具を使うときは「アサリなしの横挽きノコ」を使うことをおすすめしています。

 

ホゾ胴付き部のカット順序

下図には、アルブル木工教室の動画に合わせて三方胴付き平ほぞ接ぎの場合について説明していますが、要領は四方胴付きほぞ接ぎの場合でも同じことになります。

1) まずは①の胴付き部を罫引きに合わせてカットします。

2) 次に、最初にカットした面の隣の面②の胴付き部をカットします。(二方胴付き平ほぞ接ぎの場合は、もちろん反対側の③をカットすることになります。)

作業のポイント

 ①をカットした後、③のカットを行うよりも隣の②のカットを行うことで胴付き部の面に段差が出ないようにカットしやすいため。

3) 次に、②の隣の面③の胴付き部をカットします。このように、隣の面を順次カットすることで胴付き部の段差の発生を防ぎ、きれいな仕上がりになります。

このことから、二面胴付き平ほぞ接ぎの場合は左右の胴付き部で段差なくカットするのが難しいと思われます。

 

治具を使うことで胴付き部の段差を防ぐ

胴付き部のカットの順序は非常に大切なのですが、隣の面との連続性を持たせるために「入隅形状に作られた治具」は非常に効果を発揮してくれますので、ホゾ接ぎを加工される方には是非おすすめします。

 

切り残しをノミで仕上げ

最初に縦挽きノコでカットするホゾの長て方向も、あとから横挽きノコでカットする胴付き部についても、切り過ぎを防止するために僅かに手前で止めていますので下の写真のよう「切り残し」が発生します。

アルブル木工教室の動画の中でも紹介されているように、切り残しは鋸もしくは鑿で仕上げることができます。

 

 

鑿(ノミ)で仕上げ

手入れして切れ味よいノミであれば、ノミを叩く必要はありません。軽く押すだけで切り残しを取り除くことができると思います。

 

 

私が使用した鋸(ノコ)

アルブル木工教室のなかでは、ホゾの胴付き部のカットでは「アサリなしのノコ」を紹介されていたのでホームセンターで探してみました。しかし、アサリなしのノコは無かったため代わりに7寸目の横挽きノコを使用しています。

 

 

 

 

ほぞ穴の加工用の治具の製作

アルブル木工教室の動画の中で紹介されていた、もう一つの治具もまねて作ってみました。これは、ほぞ穴を加工する際に使用する「電動ドリルを使った穴あけ作業の位置決めガイド」になります。

「ほぞ穴加工治具」製作のために準備したもの

木ダボ、ダボ錐、金属カラー、木工ドリル、端材

 

ほぞ穴加工治具の製作の紹介

アルブル木工教室の動画で見たものをまねて治具を作ってみました。

この治具は「サイズ違う木材であっても常に木材の中心に穴を加工するためのドリルガイド」といえます。

下の写真から分かるように、治具の中心にはドリルのガイドとして金属カラーをはめ込んでいます。そして、金属カラーを中心として左右均等な位置にダボ穴を加工しています。加工したい木材の大きさに合わせてダボ穴を選択できるようになっています。

製作時間として、30分もあれば十分に作れると思います。

 

治具を木材にセットした様子

治具のダボ穴にはめ込んだ木ダボが木材の側面に引っ掛かるようになっています。このとき治具の中心にあるドリル用の穴は常に木材幅の中心位置にくるようになっています。

止めほぞ、通しほぞ

ほぞ穴には、ほぞ穴を貫通させない「止めほぞ」と、ほぞ穴を貫通させる「通しほぞ」があります。

通しほぞ

「通しほぞ」を加工するためにこの治具を使用する場合、穴の加工中にドリルの倒れがないように意識を集中するだけで良く、穴ずれの心配がいらない点がよいところといえます。

止めほぞ

止めほぞでは、ほぞ穴は貫通させませんので治具を使って穴を加工する際に誤ってドリルを貫通させてしまわないように工夫します。

もっとも簡単な方法としてドリルへのマーキングがあります。やり方は下の写真のように加工したい穴の深さの分だけ治具からドリルを出します。その時、治具の上面の位置にマスキングテープを貼ります。

加工の際はマスキングテープの位置が治具の上面にくるまでドリルを切り込みます。結果として、ほしい深さの穴の加工ができます。

 

治具を使って「止めほぞ」のほぞ穴を試作加工

下の写真のように、この治具を使うと木材の中心に簡単に穴をあけることができます。構造も比較的に簡単ですので興味がある方は作ってみてはいかがしょうか。

 

止めほぞのほぞ穴の試作完成

はじめて、止めほぞ穴の加工をしてみましたが、非常に難しいですね。ほぞ穴の端がつぶれて罫引きよりも大きくなってしまいました。

ホゾの幅をノミのサイズに合わせてみたのですが、これくらい細い穴ではノミを扱うときの自由度がなく初心者にはかなりの高難度な加工だと思います。

試作した後に改めて「宮大工が職人技で教える初心者のためのほぞ穴の作り方動画」を見返してみると、ノミの甲側(表)とウラスキ側(裏)を上手く使い分けていることが分かります。

 

 

実践 ほぞ穴の加工

ほぞ穴の試作加工を終えてみて、ほぞ穴の幅について仕様を変更することにしました。私が製作する建具は□30×30ミリの角材を使用していますので、通常でしたら、30ミリの1/3の10ミリが標準的なほぞ厚だと思います。

しかし、ほぞ厚が10ミリだとほぞ穴の幅が狭くなり、試作で体験したようにほぞ穴の加工が難しくなってしまいます。また、建具の框(かまち)の中央に中空ポリカーボネートをはめ込むための5ミリ幅の溝を加工しているため、ほぞ厚が10ミリだとの胴付き部で片側2.5ミリと大変薄くなってしまいます。そのため「ほぞ厚は15ミリ」にしています。

 

動画を真似た治具でほぞ穴を加工

今回製作する枘(ほぞ)接ぎを使った建具では、建具の框(かまち)の中央に中空ポリカーボネートをはめ込むための溝を加工しています。

ほぞ穴は中央の溝の部分に加工するので、治具を使って穴加工をするときに中央の溝にドリルが引っ掛かり割れが生じてしまいました。割れた部分は木工ボンドで補修しまいたが、今回のようなケースでは、ほぞ穴の加工用に準備した治具を使用することは適していないと判断しました。

 

 

トリマーでほぞ穴の加工テスト

ドリルでの穴加工は断念し、代わりにトリマーを使った穴加工にトライしてみました。トリマーによるほぞ穴の加工の場合も中央の溝付近では、ビットの回転方向により溝付近で多少のビビりがでますが、ドリルよりも遥かに安定していると感じました。

ほぞ穴の深さは16ミリ(ほぞのオスはホゾの先端から胴付きまで15ミリ)としています。しかし、トリマービットの刃渡りは10ミリであったため、2回にわけて加工することにしました。1回目は8ミリ深さ、2回目を16ミリ深さに設定し2度切りで加工します。

 

トリマーで削る前にノミで繊維を断ち切る(割れ防止)

木材の繊維が縦方向に走っているため、中央の溝付近をトリマーの刃が通貨する際に木材に割れが生じやすいようでしたので、ノミによる穴あけ作業のときと同様に木の繊維に切れ込みを入れてみました。

 

 

トリマーによる「ほぞ穴」1層目(8ミリ深さ)の加工

ほぞ穴の罫引き付近の仕上げはノミで行いますので、ある程度の加工にしています。下の写真では割れが生じています。一応ノミによる「繊維の断ち切り」はしているようですが、それでも中にはこのように割れが発生しています。

原因として考えられるは、繊維の断ち切りが不足していたのか、それとも、トリマーの刃がノミの刃跡を超えてしまったのではないかと思われます。(木工ボンドで補修しています。)

 

トリマーによる「ほぞ穴」 2層目(16ミリ深さ)の加工

下の写真は上の写真とは違うほぞ穴になりますが、2度切りでトリマーによる加工を終えた様子の写真になります。

 

最後に、ノミにより「ほぞ穴」を仕上げる

アルブル木工教室の動画では、木工ドリルで大まかな下穴をあけてから、最後はノミによる手仕上げを行っています。私の場合は角材に割れが生じたため、木工ドリルの代わりにトリマーでほぞ穴の下穴をあけています。

大事なのはノミによる仕上げだと思いますので、ほぞ穴の荒加工はいずれの方法でも構わないと思います。そして、ノミによる仕上げの手順に変わりはありません。

ほぞ穴仕上げ加工の順序

ノミによる仕上げで大切になるのは、加工の順序です。多くの方は気持ちとして下図の③、④の方を先に仕上げたい衝動に駆られるのではないでしょうか?

しかし、それでは木の繊維に沿って割れが生じてしまいます。ですから、下図の①、②を先に仕上げて、繊維を断ち切ることで割れを防ぎます。

 

作業のポイント

最初に、ほぞ穴の罫引き線内の繊維を断ち切る。

 

繊維を断ち切るときの注意点

まずは、「繊維を断ち切る」のですが、その時の注意点があります。それは、罫引きにノミの刃先を合わせて一回目で仕上げようとしないことです。

 

 

作業のポイント

いきなり、罫引き線のところにノミをあてて削らない。1ミリ程度の仕上げ代を残こすこと。

アルブル木工教室の動画内の解説によると、

いきなり罫引き線のところにノミを入れると、ノミの甲側に残っている木が多い場合、ノミがウラスキ側に押されて(上図ではノミが右側に押される)ほぞ穴が大きくなってしまうとの事です。

最後に残った1ミリ程度の【仕上げ代】の状態になってから、ノミを罫引き合わせて削るとよいそうです。

 

なぜ、まず繊維を断ち切るのか?

では、なぜ最初に繊維を断ち切る必要があるのでしょうか?

もしも、下図の左のように木の繊維の向きと同じ方向にノミをあてて削ろうとした場合、ノミが木の繊維を引き裂くように力が掛かってしまいます。木の繊維は長て方向につながっており、そのため割れがとなりに伝わり、罫引きより外側まで広がってしまうのです。

そのため、下図右の黄色線で囲った部分のように、加工手順の①と②で繊維を断ち切った後であれば、繊維方向にノミを入れても割れは罫引きより外に広がってしまうことはありません。

 

 

まとめ

木工作業の中でほぞ穴をあける作業は、正直な話かなりハードルが高いと感じます。それでも、どうしても「ほぞ接ぎ」が必要となる状況がでてくると思います。

そんな時、十分に時間がある方は宮大工の動画を参考にしてあくまで手彫りにこだわるのもよいでしょう。あるいは、私のように時間的に効率よく仕上げたい方はアルブル木工教室の動画が参考になると思います。

DIYでほぞ接ぎを行う場合は、ほぞ接ぎのみでの強固な仕上げを目指さなくとも、木工ボンドと上手く組み合わせれば大丈夫なのではないかと思います。それでも、やはり見ためにホゾに隙間があるようではすぐにガタが来てしまうと思いますので、せめてボンドなしでも ”抜け落ちない程度” までは調整して仕上げたいものです。

テキストのコピーはできません。