肌を整えるスキンケアから
加齢臭

加齢臭対策としてコエンザイムQ10は有効?

 

おそらく、皆さん一度はその言葉を聞いたことがあり、知らない人はいないであろうコエンザイム。そんなコエンザイムを摂取するあなたの目的は健康のためですか? それとも美容のためですか?

もし美容のためだとしたら、「加齢臭対策としての効果は期待できないのか」気になるとことですよね。今回はコエンザイムについて詳しく調べてみましたので、よかったら覗いてみて下さい。

加齢臭対策とてコエンザイムQ10有効といえるのか詳しく調べてみました

 

そもそも、コエンザイムとは何?

島根大学生物資源科学部生命工学科  戒能 智宏 著

「ヒトにとっても身近なコエンザイムQ10(バイオミディア)」 より引用、または加工して要約

コエンザイムQ(CoQ)はユビキノン(UQ)という名称でも知られる物質です。1950年代にCraneらによりコハク酸オキシダーゼの補酵素として発見されました。また、Mortonらにより生物界に広く分布するキノンとして別々に発見されたため、現在でも二つの名称がよく用いられています。

コエンザイムQは電子伝達系での機能に加え、脂質の過酸化を防ぐ抗酸化能を持つこと、およびピリミジン合成、硫化物代謝や寿命にも関与していることが報告されています。

コエンザイムQ10は長らく医薬の心筋賦活剤として用いられており、2001年に食薬区分が変更されてからは食品(サプリメント)として扱うことができるようになりました。また、2004年からは化粧品などにも配合されるようなっています。

コエンザイムQ10はもともとヒトが合成でき、細胞に含まれている物資であるため安全性が高いとされ、その抗酸化作用からサプリメントとして人気があります。

 

コエンザイムに期待される効果は?

資生堂 H&BC開発センターヘルスケア研究所  渡辺 一夫 著

「コエンザイムQ10について」 より引用、または加工して要約

コエンザイムQ10のはたらきとは

コエンザイムQ10は我々の体の中で作り出されるものであり、体を構成している60兆個といわれる細胞のほとんど全てに存在します。細胞の中ではミトコンドリアという小器官に多く含まれるとともにミトコンドリア以外の小器官や血液の中にも存在しています。また、心臓をはじめとして腎臓、肝臓、肺や皮膚など多くの臓器の中に存在することが知られています。

コエンザイムQ10はヒトにとって大変重要な働きとして、二つの大きな作用をもっています。

① エネルギー産生賦活作用

一つ目は、我々が身体を動かすために必要なエネルギー源であるATP(アデノシン三リン酸)を作り出すエネルギー産生賦活作用をもつこと。

細胞内のミトコンドリアで日常生活に必要な新しいエネルギーをどんどん作り出すことにより、エネルギー代謝を良くすることで身体内の新陳代謝を改善し、細胞を活性化することができると考えられています。

エネルギー産生賦活作用 ➡ 細胞の活性化~新生 ➡若返り

 

② 抗酸化作用

老化の大敵として研究が進んでいる活性酸素を強力に除去する抗酸化作用を有しています。

抗酸化作用 ➡ 活性酸素の除去 ➡ 老化防止

 

加齢によるコエンザイムQ10の減少

下記の図から分かるように、心臓や肝臓、皮膚などの体内組織中でのコエンザイムQ10量は加齢とともに減少することが知られています。

ヒト表皮中のコエンザイムQ10濃度の加齢による変化

上図は「コエンザイムQ10について」内の図を模写したものです。オリジナルデータはリンク先で確認できます。

加齢によるコエンザイムQ10の減少

上図は「コエンザイムQ10について」内の図を模写したものです。オリジナルデータはリンク先で確認できます。

体内のコエンザイムQ10が減少する原因としては、加齢のほかにストレスや激しい運動、偏った食生活、アルコール摂取、病気、スタチン系高脂血症薬の服用などが知られています。

エイジング(加齢)、すなわち老化を遅らせるという観点からもコエンザイムQ10を積極的に摂取することの重要性も認められています。

 

治療薬としても使用されるCoQ10

日本において、1973年に「基礎治療施工中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状」の治療薬として厚生省から製造承認を受けた医療用の医薬品です。

アメリカでの研究では初期のパーキンソン病患者を対象とした臨床試験において、コエンザイムQ10を一年以上にわたり投与した結果、病状の進行を抑えられた報告があります。また、試験期間中の健康被害は認めらていません。

 

食品用素材としてCoQ10を利用

日本においては食薬区分の見直しにより、2001年4月より医療用医薬品、一般用医薬品に加えてコエンザイムQ10を食品用素材として利用できるようになりました。

 

化粧品にも利用できるようになったCoQ10

2004年10月からは0.03%配合を上限とする条件で化粧品にも使用できるようになりました。

特にコエンザイムQ10の皮膚科学的効用については、細胞のエネルギー産生を高めることにより皮膚細胞の活性化や紫外線による活性酸素の産生を抑制します。

また、基底膜におけるラミニン5 や Ⅳ型、Ⅶ型コラーゲンの生成を促進するなどにより初期老化の防止に役立つことが報告されています。

 

コエンザイムQ10と加齢臭について

資生堂 グローバルイノベーションセンター  勝山雅子、久田裕美子 著

コエンザイムQ10摂取が高齢女性の皮膚ガス中の加齢臭成分ノネナールに与える影響 より引用または、加工して要約

ここでは、コエンザイムと体臭についての興味深い研究が紹介されています。本研究ではコエンザイムQ10を経口摂取することで、皮膚の表面から発する加齢臭の原因物質として知られる2‐ノネナールの発生に影響があるかについて検証が行われています。

 

体臭については、

皮膚常在菌によって分解代謝されることによって発生するものと、体の中からそのまま匂い成分が放出してくる皮膚ガスが混在している。

 

そのうち皮膚表面で発生するニオイの原因に対しては洗浄や消臭により対処するものが多い。そこで、ここでは体の中から発生するニオイ成分について着目しています。

 

還元型CoQ10の偽薬対照交差比較試験

65歳~74歳の通院していない健常日本人女性20名を被験者として試験を行っています。試験品QHカプセル還元型CoQ10をユビキノールとして100mgを含み、サフラワー油194mgとグリセリン脂肪酸エステルを6mg)と偽薬をそれぞれ4週間摂取し、10名ずつに分け採血と皮膚ガス採取を行っています。

グルーブA ● グループB ◯
①採血、ガス測定
1~4週 摂取(4週間) QHカプセル 偽薬
②採血、ガス測定
4週~9週 (5週間) ウォッシュアウト期間 ウォッシュアウト期間
③採血、ガス測定
9週~13週 摂取(4週間) 偽薬 QHカプセル
④採血、ガス測定

 

上図は報告書内の図を加工して表しています。オリジナルデータはリンク先で確認できます。

●グループA と ◯グループB で表示していますが、QHカプセル(還元型コエンザイムQ10)を摂取したグループは摂取期間中に血中のコエンザイムQ10の濃度が高くなり、摂取をやめるともとに戻ることが分かります。

 

皮膚ガス中のノネナール、ノナナール濃度及びその比

測定対象者の左手首先を事前に無香料石鹸を用いて洗浄し、25℃、45%の恒温恒湿室にてサンプリングバックを使用し皮膚ガスを採取しています。

ノナナールとの比較の意義

ノナナールは皮膚ガスの中で安定して検出されること、温湿度管理された環境で採取するとその他の良く検出される成分(オクタナール、デカナール、リモネン)に比較して個人内において変動が少ないことからノネナールをノナナールとの比とすることで補正を行っています。

上図は報告書内の図を加工して表しています。オリジナルデータはリンク先で確認できます。

皮膚ガスのノネナール比

上図から4週間のコエンザイムQ10の摂取で手から放出するノネナール比は減少することが確認できました。グループAの②~③のウォッシュアウト期間に血液中のコエンザイムQ10濃度は低下しますが、皮膚から放出されるガスのノネナール比はウォッシュアウト後もその値に変化がなく影響が残っているといえます。

コエンザイムQ10の体内分布が血中より組織に多いことや、経口摂取後に組織に残留しやすいとの報告があることから、コエンザイムQ10の血中濃度消失後にも組織内に残りノネナールの基質であるパルミトレイン酸の酸化が抑えられた可能性が考えられます。

CoQ10の還元型、酸化型、ビタミンEの比較

還元型と酸化型ともにCoQ10群ではノネナール単独濃度とノネナール比のいずれにおいても有意な減少が認められました。

ノネナール比の比較では、還元型Q10群、酸化型Q10群は6名中6名が減少。一般的な抗酸化作用で知られるビタミンEでは6名中5名が緩やかな減少。偽薬では6名中3名が減少し、3名が増加しました。

著者の結論

 

コエンザイムQ10を経口摂取することにより、皮膚表面から蒸散する皮膚ガス中に存在する体臭の原因成分ノネナール濃度が減少した。このことにより、コエンザイムQ10の経口摂取が体臭発生に影響を与える可能性が示唆された。

 

 

コエンザイムは安全なの?

 

食品安全委員会  THE FRONT LINE 食の安全・最前線

コエンザイムQ10の食品健康影響評価結果について より引用、または加工して要約

コエンザイムQ10は、ユビキノン又はユビデカレノンとも呼ばれ、動物や植物の体内で合成される脂溶性の物質であり、ヒトの体内でも合成されます。

わが国においては、CoQ10は心臓疾患の医療用医薬品として、ユビデカレノンという名前で、1日30mgの用量で認められている一方で、「いわゆる健康食品」として、コエンザイムQ10の1日推奨量が30~300mgの製品が流通しています。また、米国においては、サプリメントとして1日推奨量100~1200mgの製品が流通しています。

食品安全委員会の結論

下記リンク資料の通り、厚生労働省より食品安全委員会にコエンザイムQ10の安全性に関して食品健康影響評価を依頼しています。

 

結論

コエンザイムQ10の安全な摂取上限量を決めることは困難である。

 

理由として、①コエンザイムQ10の長期の摂取試験の不足 ②生体内の合成・代謝系等に与える影響を判断できる情報の不足 ③製品別の体内吸収性の差 ④健康被害事例の明確性

 

厚生労働省医薬食品局食品安全部

コエンザイムQ10の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について より引用、または加工して要約

厚生労働省では、昭和63年より健康食品の過剰摂取の防止の観点から「健康食品の摂取量及び摂取方法の表示に関する指針」を通知し、科学的根拠に基づく1日摂取目安量の設定等について指導しているところであり、健康食品の成分が経口摂取の医薬品としても用いられるものについては、医薬品として用いられる量を超えないよう指導しているところです。

平成15年11月に財団法人 日本健康・栄養食品協会に対し、コエンザイムQ10食品に係る注意喚起表示を含む食品規格基準の設定について検討を依頼。

㈶日本健康・栄養食品協会においてデータを収集、1日摂取目安量として300mgまで安全であるとのデータが得られたことから、1日摂取目安量の上限を300mg以下と設定したいとの中間報告がありました。

コエンザイム取り扱いの現状 国内および海外

我が国では、医薬品分野において、ユビデカレノンとして日本薬局方に収載され、医薬品としては、「基礎治療施工中の軽度及び中等度のうっ血性心不全症状」の効能・効果で、1日30mgの用量で承認されています。

「いわゆる健康食品」としては、1日推奨量が60mgの製品が最も多く流通しており、30mgを超える製品が80%以上を占めているほか、300mgの製品も流通しています。

海外において

台湾、韓国、香港等において1日30mgの用量で医薬品として発売

イタリアにおいては1日50mgの用量で医薬品として発売

米国においては、サプリメントとして1日推奨量が100mgの製品が最も多く流通しており、多いものでは1200mgの製品も流通しています。(平成16年11月 ㈶ 日本健康・栄養食品協会調べ)

 

まとめ

「なぜ?私が愛用している保湿クリームはコエンザイムQ10を配合しているのだろう?」という素朴な疑問から「コエンザイムQ10と加齢臭対策」について調べたくなったのでしが、やはり、皮膚細胞の活性化やラミニン5 や コラーゲンの生成を促進することにより初期老化の防止に役立つことが報告さていたようです。

また、「ヒト表皮中のコエンザイムQ10の濃度は加齢により低下していく」ことからも表皮にコエンザイムQ10を補うのは理にかなっている気がします。

いっぽうサプリメントによるコエンザイムの経口摂取については「皮膚ガス中のノネナールとコエンザイムQ10の経口摂取につて」の研究結果からも、コエンザイムQ10は加齢臭対策として効果があるといえそうです。

ただし、紹介している研究のなかではコエンザイムQ10を1日100mg摂取しています。(米国においては、サプリメントとして1日推奨量が100mgの製品が最も多く流通しており、多いものでは1200mgの製品も流通していることを考慮すると、100mg摂取を否定するものではありません。)

日本では医療用医薬品として、1日30mgの用量でコエンザイムQ10の摂取が認められていることもあり、ましてや「コエンザイムQ10はもともと私たちの体の中で作り出されている」ですから、過剰な摂取にならないようにしないといけませんね。

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