100V と 200V の違いについて簡単にまとめてみました。
100V仕様 と 200V仕様 は何が違うの?
100V、200Vはいずれも電圧を表しています。通常、日本の家庭では100Vの電圧の電気を生活に利用しています。つまり、家のコンセントには100Vの電気がきているということです。しかし、最近ではハイパワー家電の普及により200V電源の利用が増えているようです。
では、100Vと200Vでは何が違うのでしょうか。簡単に言うと100Vに比べて200Vではパワーが強いということです。
ちょっと例えが変わっているかも知れませんが、車の「1000ccエンジンより2000ccエンジンのほうがパワーがある」のと同じだと思っていただいても良いかと思います。
そして供給されるガソリンの量が電流といっても良いでしょう。
いずれのエンジンもガソリンを多く供給するとパワーが大きくなります。しかし、1000㏄のエンジンと2000㏄のエンジンで同じパワーを出した時、2000㏄エンジンは1000㏄エンジンよりも、ゆとりがあります。
また、どちらのエンジンを使用した方が良いかは、ボディーの大きさによりますよね。
大きな車体であれば2000㏄エンジンが適しているし、小さい車体であれば1000㏄エンジンが適してします。
もしも、大きなボディーに小さな1000㏄エンジンを積んだとしましょう。これではなかなかスピードは出ません。エアコンで言うなら小さなエアコンを大きな部屋でフル回転させてもなかなか部屋は冷えてこない、温まらない、ということになります。
逆に小さなボディーに2000㏄のエンジンをつんだら、スピードはでるでしょうが、燃費が悪くなることは想像できるのではないでしょうか。
「部屋の大きさ」を車のボディーサイズ、「エアコンのサイズ」をエンジンの大きさと考えると分かりやすいと思います。
三菱エアコンの気になる消費電力(100V仕様 VS 200V仕様の燃費)は カタログ値消費電力は目安 大事なのは運転負荷
概ね、カタログの期間消費電力量を比較するとよいと思います。しかし、実際のエアコンの使用状況により消費電力(実燃費)は変ってきます。
燃費を考えるとき、ガソリンの価格は一番気になるところ。電気も単価がありますが、通常100V、200Vいずれも低圧電力という同じカテゴリーになり単価は同じなのです。(ただし、200Vをご利用になる場合は電気工事が必要になります。)
燃費は負荷のかかり方に大きく左右されます。例えば同じボディーに1000㏄のエンジンを積んだ車と、2000㏄のエンジンを積んだ車にそれぞれ5人づつ乗せて走った時、1000㏄のエンジンには大きな負荷がかかりますので、この場合は1000㏄エンジンの燃費は2000㏄エンジンの燃費より、悪くなることは想像つくかと思います。
家電製品では大きな負荷がかかると熱をもつことをご自身の体験から多くの方が知っているのではないでしょうか。1000㏄エンジンの車に5人を乗せるとアクセルをたくさん踏み込むことになります。このときのエンジンに供給されるガソリンの量を電流[A]と考えて良いかと思います。
電力P[W]=電圧[V]×電流[A] 多くの電流を流すことで大きな力を出せるのですが、同時に電流が多くなると、エネルギーの多くを熱として失ってしまいます。(電力損失=2×電流I[A]の二乗×抵抗r[Ω] )
ここで重要なのが電流の「二乗」ということ。つまり、小さなエアコンで大きな部屋を冷房・暖房したとき、「なかなか部屋が冷えない」、「なかなか部屋が温まらない」というだけではありません。出力の小さなエアコンをフル回転させる(電流を多く流す)と、熱として多くのエネルギーを失います。つまり燃費が悪くなるのです。
100Vと200V の電気料金は? 消費電力量[kwh]×電力単価[¥/kwh]
各電力会社で多少は違うと思いますが、(家庭用100V、200V共に低圧電力扱いなので電力単価は同じ)1[kWh]ごとの単価が決められています。
2020年4月現在 東京電力 従量電灯Aでは最初の 8 kWhまで235円84銭 8kWh超過分は 1 kWh 19円88銭 となっています。
下図に消費電力量のイメージを記しています。※消費電力[W]は電圧[V] × 電流[A] となります。
例えば100[V]のエアコンを広い部屋で使用して高負荷で使用した場合、たくさんの仕事をするためたくさんの電流20[A]を必要とします。その状態で10時間使用した時の消費電力量は20[kWh]となります。
※消費電力について
ここでは、わかりやすく説明するために力率を省略していますが、厳密にいいますと、一般家庭で使用されている単相交流電源では
消費電力 P = 電圧 V × 電流 I × 力率 cosθ となります。
東電の単価で計算すると、100[V]のエアコンでは
8[kWh]×235.84 + (20-8)[kWh]×19.88=2125 円
一方200[V]のエアコンでは出力に余裕がありますので、フルの電流を流す必要はありませんので下記の計算ではその一例として8[A]で計算していますが、あくまでイメージとして捉えて頂きたいと思います。
東電の単価で計算すると、200[V]のエアコンでは
8[kwh]×235.84 + (16-8)[kWh]×19.88=2045 円
電流値はエアコンにかける負荷で変動します。例えば帰宅後に素早く部屋を涼しくしたい、あるいは、素早く暖めたい場合は高負荷運転200[V]で20[A]で運転した場合は4000[W]となります。
つまり、100[V]エアコンの2倍の出力で一気に冷やしたり、暖めることができるのです。
そして希望の温度になってしまえば、あとは制御で電流[A]を少なくすることで、消費電力量を抑えることができます。
100[V]仕様のエアコンに大きい部屋の冷房・暖房で負荷をかけると、200[V]仕様のエアコンに負荷をかけずに運転するときよりも多くの電気を消費してしまいます。そして結果的に、電気代が高くつくこととなりますので、エアコンを設置する部屋の広さに適した仕様(100V、200V)をお選びください。
三菱エアコンのラインナップからみる 200V仕様を使う目安は どれくらいの部屋から
三菱エアコンのラインナップからみると、14畳から200Vの製品が用意されています。中には10畳からラインナップされている機種があるようですが、14畳以上が200Vを選択する目安としてよいかと思います。
上記の三菱エアコン型式の見方にあるように200V仕様のエアコンでは末尾に”S”のスペルが付きます。
グレードにより装備される機能が変わってきます。次の2桁の数字上記の例では「40」となりますが、この数字は4.0[kW]を表しています。この数字が多くなるとエアコンのパワーが強くなるという事です。
つまり、大きな数字のモデルほど大きな部屋に向くという事。反対に小さい数字「22」は2.2[kW]を表し、他のメーカーも2.2[kW]のモデルを6畳用としています。
その次の2桁の数字は何年モデルであるかを表しています。上記例のように「20」であれば2020年モデル。もしも「19」であれば2019年モデルということです。
電気工事士参考書より 100Vと200Vについての資料
単相2線式 一般の家庭などで広く用いられている方式
家電製品全般に使用している100[V]電源
単相3線式 二次側巻き線の中性点から一本の線を引き出し中性線とし3線で配電
200Vの家電製品はIHクッキングヒーター、食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機、電子レンジ、給湯機、浴室用衣類乾燥機、エアコンなど多くの普及しています。