毎日の暮らしに欠かせない家電が沢山ありますが、その中でも電子レンジは食を支え、家事の時短に貢献する大事な存在だと思います。
今や、各家庭に当たり前にありますが、いったいどれくらいの電気代がかかっているかご存じですか?
電子レンジの電磁波についてはクローズアップされることはありますが、電子レンジを使用したときの電気代をあまり意識していないのではありませんか。
毎日の暮らしに欠かせない電子レンジですが、はたして電気代はどれくらいなのでしょうか?さあ実測してみましょう。
そもそも、電子レンジとは
今更ながら、まずは電子レンジがどのような家電なのか日本電気工業会HPより引用し簡単にまとめてみます。
電子レンジの仕組み
電子レンジのエネルギー源は電波です。電子レンジに内臓されたマグネトロンから放出された2,450MHz(メガヘルツ)というたいへん周波数の高い電波で食品に含まれる水分などを振動させ摩擦熱により過熱します。
この電波のエネルギーは効率よく熱エネルギーに変わります。
電波の性質
① 電波は直進する性質があり、水分を含んだ物質に吸収され発熱します。(食品を加熱)
② 電波は陶器やガラスなど水分を含まない物質を透過します。(容器は加熱しない)
③ 電波は金属にあたると反射します。そのため、金属製の容器を用いると容器のなかの食品は温まりません。
電子レンジを1分間使用したときの電気代を実測
消費電力量と電気代の計測はREXーeco ワットチェッカーを使用しています。
電気代の表示は機器のデフォルト設定となっています。(電気代 1kWh=25円)
2004年式の電子レンジ
電子レンジの表示シール
電子レンジの正面に「700W」と表示されていますが、消費電力ではなく定格高周波出力を表しているようです。
定格消費電力は「1270W」と表示してあります。 2004年式
電子レンジで1分間あたためた時の電気代 実測値と計算値を比較
実測値と計算値を比較 | ||
実測値 | 計算値 | |
消費電力量 [kWh] | 0.014 | 0.02 |
電気代 [円] | 0.4 | 0.5 |
ワットチェッカーで計測した電気代の実測値は 【1分間 あたため】
【消費電力量】13.7 [Wh] つまり 0.0137 [kWh]
【電気代】0.342 [円]
電子レンジを1分間使用しても、電気代は1円未満とかなり安いですね。
電子レンジで1分間あたためた時の消費電力量をワットチェッカーで計測してみました。
あたため1分計測 消費電力量13.7Wh 電気料金34銭
ちなみに 1円 = 100銭 となります。
消費電力量と電気代を 単純計算でもとめると 【1分間 あたため】
消費電力700Wから単純計算すると (力率は無視しています。)
【消費電力量】1270 [W] ÷ 60 [分] ÷ 1000 = 0.021 [kWh]
【電気代】0.021 [kWh] × 25【円/kWh] = 0.525 [円]
電子レンジで1分間 解凍した時の電気代を実測
解凍モードでは下の写真のグラフから、制御により強弱を繰り返していることが分かります。
解凍モードではあたためモードに比べて、明らかに消費電力が少ないこともわかります。
解凍1分計測 消費電力量13.7Wh 電気料金2.58銭
ワットチェッカーで計測した電気代の実測値は 【1分間 解凍】
【消費電力量】1.03 [Wh] つまり 0.00103 [kWh]
【電気代】0.0258 [円]
実際の暮らしで電子レンジを使う状況をシュミレーションしてみました。
私の実際のくらしにおける毎朝のルーティンとして、週末にまとめて炊いたご飯を電子レンジで3分30秒あたため1食分づつ冷凍状態から熱々のごはんに仕上げています。
冷凍したごはんを温めるときの電気代 実測値と計算値を比較
実測値と計算値を比較 | ||
実測値 | 計算値 | |
消費電力量 [kWh] | 0.07 | 0.07 |
電気代 [円] | 1.9 | 1.9 |
冷凍ごはん
ワットチェッカーで計測した電気代の実測値は 【冷凍ごはんの温め】
【消費電力量】74.8[Wh] つまり 0.0748 [kWh]
【電気代】1.87 [円]
1食分の冷凍ごはんを、熱々ごはんに仕上げるコストは約2円でした。
冷凍ごはん3分温め 消費電力量74.8Wh 電気料金1.85円
消費電力量と電気代を 単純計算でもとめると 【冷凍ごはんの温め】
消費電力700Wから単純計算すると (力率は無視しています。)
【消費電力量】1270 [W] ÷ 60 [分] ÷ 1000 × 3.5 [分]
= 0.074 [kWh]
【電気代】0.074 [kWh] × 25【円/kWh] = 1.85 [円]
冷凍した切り身魚を解凍する時の電気代を実測
野菜以外の食材は週末にまとめ買いして、冷凍保存することが多いことから食材を使用する際は電子レンジでの解凍を多用しています。
下の写真の切り身であれば2分間ぐらい解凍することが多いので大体の目安として計測してみました。
実際の生活を考えると、冷凍庫から室内にしばらく放置してから電子レンジの解凍モードを使ったりしますので、その都度使用時間のバラツキがあります。
冷凍切り身魚
冷凍切り身魚2分解凍 消費電力量16.6Wh 電気料金41.6銭
ワットチェッカーで計測した電気代の実測値は 【冷凍切り身魚の解凍】
【消費電力量】16.6 [Wh] つまり 0.0166 [kWh]
【電気代】0.416 [円]
魚の切り身の解凍ではコスト1円未満でした。
調理で5分間 加熱したときの電気代 実測値と計算値を比較
実測値と計算値を比較 | ||
実測値 | 計算値 | |
消費電力量 [kWh] | 0.1 | 0.1 |
電気代 [円] | 2.7 | 2.6 |
私は簡単な料理しかしないので詳しくありませんが、最近では、家事の時短のために電子レンジを使った調理法がよく紹介されていると感じています。
私も少量の茹で野菜をつくるときは、切った野菜を陶器の器にいれて、陶器の皿を蓋がわりにして電子レンジで1分間加熱したりしています。
たしか、時短のためにジャガイモなど茹でる代わりに丸ごと電子レンジで加熱するやり方が紹介されていたと記憶しています。おそらく5分くらいは使用するのだろうと推測のもと計測してみました。
ワットチェッカーで計測した電気代の実測値は 【5分間 加熱】
【消費電力量】107[Wh] つまり 0.107 [kWh]
【電気代】2.70 [円]
電子レンジで5分間加熱したとき、コストは3円未満でした。
5分加熱 消費電力量107Wh 電気料金2.7円
消費電力量と電気代を 単純計算でもとめると 【5分間 加熱】
消費電力700Wから単純計算すると (力率は無視しています。)
【消費電力量】1270 [W] ÷ 60 [分] ÷ 1000 × 5 [分]
= 0.105 [kWh]
【電気代】0.105 [kWh] × 25【円/kWh] = 2.625 [円]
その他の家電の電気代はこちらからご覧になれます。
まとめ
今回の消費電力量計測を行ってみて日本電機工業会のHPの中で紹介されているように、電子レンジは電波のエネルギーを効率よく熱エネルギーに変えているのだと実感しました。
これだけコストパフォーマンにすぐれている家電はどんどんと暮らしのなかで使っていくとよいですね。ちなみに私が愛用している電子レンジは2004年式と大変古いものです。
電子レンジはこんなにも電気代がかからないものなんですね。これからも適切に電子レンジを使って皆さんの暮らしがほんのりと快適で豊かでありますように願っています。