皮膚科専門医のアドバイス
運動習慣と肌ついて Q&A
スキンケアについて「Q&A形式」にて一緒に学んでみませんか?
アンサー部分は「皮膚科専門医の著書」より引用または加工してご紹介します。
Q1. 運動は肌にどんな影響を与えますか?
A.「運動」というと筋肉量をアップさせたり、骨を丈夫にしたりするイメージがつよいですが、実は、加齢により筋肉量は著しく低下し、基礎代謝量が減少するため肥満になりやすくなります。
特に、30歳以降は、10歳年を取るごとに5~10%づつ体力が低下すると言われています。
ほどよい運動は筋肉量を維持し、いつまでも若々しく生活できる体力をキープしてくれるため、運動習慣は暮らしのなかに是非取り入れるべきだと思います。
A. 一見すると、肌と運動はあまり関係がないように思われる方もいるかもしれませんが、実は関係あります。
特に注目されているのが、「マイオカイン」と呼ばれる筋肉から分泌される物質です。その中でも、「マイオネクチン」というものが肌に関係することが明らかになっています。
このマイオネクチンにはシミの原因であるメラニンの合成を抑制する働きがあり、筋肉量が多い人ほど顔のシミが少ないという報告もあります。
マイオカインは肌の弾力やコラーゲン産生が関与している可能性も指摘されています。
目の下のくすみやクマは血流障害に関係している場合が多く、血流をよくすることでパッと見たときの印象は明るくなります。
糖化の観点からも運動は重要です。運動習慣がある人とない人では糖化ストレスに差があることもわかっています。
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Q2. 屋外で運動を行うとき、気を付けるべき点はありますか?
A. 屋外での運動では紫外線を多く浴びることになります。せっかく美容や健康の観点から運動をしようとしても、紫外線によってシミやシワを作っていては非常にもったいないものです。
ですから、運動の前に日焼け止めをしっかり塗ることが大切です。日焼け止めは汗で流れたり時間が経つと効果が落ちるため、本来2~3時間ごとの塗り直しが推奨されます。
また、汗をかいときは小まめにタオルでふき取るようにしましょう。なぜなら、かいた汗を放置するとニオイの原因になるだけでなく、肌のバリア機能の低下につながるからです。