皮膚科専門医のアドバイス
睡眠と肌ついて Q&A
スキンケアについて「Q&A形式」にて一緒に学んでみませんか?
アンサー部分は「皮膚科専門医の著書」より引用または加工してご紹介します。
Q1. 睡眠はなぜ重要なのですか?
A. 睡眠不足は高血圧や糖尿病など様々な疾患との関連が報告されています。具体的には睡眠時間が6時間未満の場合、高血圧のリスクが上がると言われています。
そして、睡眠は肥満にも関係性があります。睡眠時間が少ないほど、グレリンやレブチンなどのホルモン分泌が乱れ、肥満につながりやすいのです。
他にも睡眠に関係するホルモンがあり、最近注目されているのが「メラトニン」という睡眠時に分泌されるホルモンです。
メラトニンがしっかり分泌されていると睡眠の質が良くなり、結果としてストレスや疲労を回復することができます。
このメラトニンは、アンチエイジング効果があることで最近注目を集めています。
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Q2. アンチエイジング効果があるメラトニンとはどんなものですか?
A. メラトニンのアンチエイジング効果の一つが「酸化ストレスの軽減」です。
酸化ストレスを引き起こす代表が紫外線ですが、日中に浴びた紫外線による酸化ストレスを夜修復するのに一役買うのがメラトニンです。
もう一つの効果は「糖化ストレスの軽減」です。メラトニンには糖化によってできる老化物質AGEを分解する効果があることがわかっています。
また、メラトニンの合成が促進されると、睡眠中の血糖変動が起こりにくく、夜間の低血糖が改善します。
糖化ストレスは血糖が急激に変動することによって促進されてしまうため、睡眠中の血糖変動を起こりにくくするメラトニンのこの働きは非常に重要です。
これまで、夜に肌を再生するホルモンの代表的なものとして「成長ホルモン」が知られていましたが、同じようにメラトニンも「美肌ホルモン」として重要となります。
メラトニンは、脳内の松果体において生合成されるホルモンです。網膜から入った外界の光刺激は、体内時計を経て松果体に達します。明るい光によってメラトニンの分泌は抑制されるため、日中にはメラトニン分泌が低く、夜間に分泌量が十数倍に増加する明瞭な日内変動が生じます。ただし、昼夜の区別のない環境でも、体内時計からの神経出力によって昼高夜低の日内変動は続きます。逆に強い照明を浴びれば、夜間であってもメラトニン分泌量は低下します。すなわちメラトニンは体内時計と環境光の両方から調節を受けています。 引用元:e-ヘルスネット 厚生労働省