丸ノコについてまだまだ怖いイメージを抱いている人は多いのではないでしょうか?だって回転刃が高速で回転しているのでキケンだと感じるのはきわめて正常な感覚だと思いますよ。
だから、DIYを始めるときは、やはりノコギリから使い始める方がほとんどでしょう。そして、ノコギリに慣れてくる頃に思うのが、「わ~~ノコギリ作業か!こりゃまた腕がパンパンに張るぞ~。」とこんなふうに、木材の切断回数が多いことがわかると作業前から気持ちが萎えてしまうのです。
「インパクトを使ったビス止めは楽しいけど、なんで、休みの日にこんなしんどいノコギリ作業をやんなきゃいけないんだろう?」とそんな心の声が聞こえたら、その時が丸ノコの出番なのかも知れませんね。
丸鋸の使い方のコツを紹介(ウィークエンドのDIY)
電動丸鋸とは
丸鋸とは、一般に下イラストのように、円形の刃を回転させることにより、材料を真っ直ぐに切断する工具を言います。
丸鋸は刃の大きさでサイズが異なってきますので、刃のサイズをよくご確認してからご購入ください。刃の径は125、147、165、216mmが一般的です。
木工用のチップソーでは超硬チップを使用したものが一般的ですが、超硬質特殊チップや、あるいは微粒タングステンカーバイトにより耐摩耗性を向上させた段付きチップを採用して、切れ味を増し、かつ長寿命となったものもあります。
丸ノコのベースを調整して、切り込み深さを変える
上イラストの左側は、丸鋸の最大切り込み深さである通常の状態です。チップソーは安全カバーで覆われています。
右のイラストはチップソーのベースを下げた状態です。ベースとはチップソーの中央よりやや下方にある水平なプレートをベースと呼び、チップソーがベースより下に露出している量を「切り込み深さ」と呼びます。
切り込み深さは、ベースの位置を調整することで、自在に調整できるようになっています。
電源により、コードタイプとバッテリー式
100V電源を使用するコードタイプと、充電式のものがありますので用途にあわせてお選びください。
材料に合わせ、丸ノコの「 切り込み深さ 」を変える
下図のように、厚い材料をカットするときは、「切り込み深さ」を深くセットして切断します。基本的には、カットする材料よりもチップソーが少しはみ出す状態になるように、切り込み深さを調整します。
厚みのある材料をカットしている様子
丸ノコで厚い木材をカットしている様子
丸ノコで薄い板をカットしている様子
「切り込み深さ」を浅くするために、ベースを下げてセットしています。
例えば、12mmの板をカットするときは、「切り込み深さ」を15mmくらいにセットするとよいとのこと。
丸ノコで薄い木材でカットしている様子
丸ノコ なぜ板の切断面がキレイにならないのか?
コンパネ類の板をカットする時は丸ノコを使う機会が多いのではないかと思いますが、その時、板の切口がささくれてしまった経験はありませんか?
コンパネのように薄い板材を貼りはわせて作った合板をカットするときは、どうしても切り口付近の表層がささくれてはがれる傾向にあります。
しかし、<<なぜ切り口がキレイにならないのか?>>不思議ですよね。
丸ノコでコンパネをカットする様子
丸ノコの刃の動きを注意深く観察してみる
ここに木材用の一般的な「丸ノコの刃」の形状をイラストで示しています。丸鋸の刃の構造は手ノコの刃を丸めたようになっていて、小さな刃が連続して材料を引き掻くように働きます。
この時、下イラストの丸ノコは左から右へ進行しながら、刃と板が交わっているところで、木材を切断しています。刃と板が交わっているのは丸ノコの刃の右側と左側の2か所あるのですが、進行方向である右側(赤い印)で木材をカットしています。
回転する丸ノコの刃が板に当たる様子
丸ノコの刃が木材に接触している様子を注視してみると
丸ノコの刃は回転運動をしているため、それぞれの刃は青い矢印のように円周方向に力が働いています。そして、板の裏側から刃と木材の接触が始まっています。
丸ノコの刃は赤い線のように、放射状に連続していますが、それぞれ少しかぶせたような形状となっています。そのため、赤い矢印の方向へ力が働きます。
つまり、板と刃が接触を始める板の裏面では、刃が板を押え込むように力が働きます。そして、刃が板から抜け出る時は、刃が板のおもて側の表層を掻き上げるように力が働くようになるのです。
丸ノコの刃先を観察すると
丸ノコの切断面をキレイにするための対処法
コンパネなどの合板を完全にキレイにカットするのは、難しいと思います。しかし、丸ノコを使った経験がある方はきっと気づいているのではありませんか?
実は、カットした板の裏側にはほとんどささくれが出ていないのです。なぜなら、上イラストのように板の裏面では刃が板を押え込むように作用しいるからなのです。だったら、この傾向を利用しない手はないですよね。
コンパネをカットするときの準備のしかた
コンパネを使用するとき、見栄えの良い面をおもて面にして使いたいから、おもて面にケガいてからカット作業をしていませんか?
これでは、切り口がキレイなのは裏側になってしまい、肝心のおもて面には「ささくれ」が発生してしまいます。
だから、実際に「おもて面にしたいキレイな面」を下側になるようにコンパネをセットします。つまり、キレイな面ではないほうにケガくのがコツとなります。ケガく面を間違えなければキレイな切断面がおもて側にきて、ささくれた切断面は板を固定すれば裏側となり見える事はありません。
丸鋸で材料を「 真っ直ぐにカットする 」には
まずは、材料にカットラインをケガキましょう。
ガイド用の板をセットして、丸鋸をガイド板に沿わせるようにしてカットします。その時、丸鋸の進行方向の左側をガイド板に沿わせるようになりますので、ベースの左端と、チップソーまでの離れている寸法を確認します。
例えば下イラストで、チップソーの位置がカットラインに来るようにするにはチップソーからベースの左端までの寸法を20mmとしたとき、狙いたいカットラインより、20mm左側にガイド板を固定すると狙った寸法で材料をカットすることができます。
ガイド板を使った丸ノコによるカット法
ガイド板を使用するときは、L型クランプ等でカットする材料とガイド板をまとめて作業台に固定できるとカットしやすいかと思います。
あるいは、YouTubeで大工さんが紹介しているようなガイドがあれば、よりカットしやすいと思います。
馬を使用して丸鋸でカット
YouTubeで紹介している大工さんは、作業台の上で直接カットする方法と、馬を使ったカット方法を紹介しています。
しっかりとした作業台がない場合は、どうしても馬を使用することになると思われますので、その際は、キックバックが発生しないように、細心の注意が必要になります。
特に、馬の位置には気をつけましょう。
馬を使って丸ノコでカットする方法
YouTubeのなかで紹介されていた「 スタイロフォーム 」
下の写真は、スタイロフォームといって、断熱材として使用する発泡材です。
カットしたい材料を、スタイロフォームの上に置いて、「切り込み深さ」を材料よりもちょっとだけ大きくセットした丸鋸でカットすると、材料よりわずかにはみ出したチップソーがスタイロフォームに浅い溝を残しながら、材料をカットする方法です。
この方法は、テレビのDIY番組でもよく見かけますね。
最後に
丸鋸は、使い始めるまでは「恐怖心」のほうが大きいのですが、しっかりと準備して、安全にカットできることを経験すると、もう手放せなくなってしまいす。なぜなら、DIY作業のなかでは、「手引きの鋸作業」はどちらかというとハードな作業の一つだからです。
しかし、電動工具であるがゆえ、キックバックという大きなケガの原因になる現象が起きる可能性もあります。だからこそ、しっかりとした知識と、しっかりとした準備が必要になります。記事内で紹介している「大工さんのYouTube 動画」を参考にしてみてください。
何でも、慣れてきた頃が一番ケガをしやすいものです。ですから、常に初心を忘れないようにしてケガのないことを願います。
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