週末の限られた時間の中でDIY作業を効率よくを進めるために、コーナークランプを使った簡単な支柱の組み方をご紹介したいと思います。
本格的な木材加工ではなく、特別に高度な技術は必要としないと思いますのでよろしかったら一度試してみてください。
コーナークランプを使って支柱を組み立ててみませんか?
作業に必要なもの
・コーナークランプ
・インパクトドライバー
・充電ドリルドライバー
・ボルト穴用ドリル、下穴用ドリル
・六角軸ダボ錐 (皿取錐)
・ビス
製作するのは防風フェンスの補強支柱
防風フェンスは下の写真のようにほぼ当初の設計通りの形になりました。図面を書いていた計画段階ではコスト面にもかなり神経を使っており、材料費の大半を占めるアルミ角パイプの使用本数を出来るだけ抑えたいと考えていました。
その一方では、今回は吹き曝しの場所へ設置するフェンスということもあり、やはり強度アップを考えた場合はアルミ角パイプの数を増やすのが定石だという思いもありました。コスト面と強度面とのバランスで随分と悩みましたが、結果的に私がだした答えは「支柱ピッチを1600mmにする」でした。
なぜなら、一般的なフェンスの支柱ピッチは1200mmくらいのようですので、仮に支柱のピッチを1200mmにすると、「支柱ピッチは狭くなりフェンスの強度は増しますが、その反面、端材が多くなってしまう」という問題を無視することはできなかったのでした。
ほぼ完成した防風フェンス
上の写真のようにほぼ完成したフェンスの板を不安に思いながらも触ってみると、思いのほかしっかりしていました。
おそらく、アルミ角パイプの支柱を2本にして、アルミ角パイプのサポートで2本の支柱を固定したことで支柱全体の強度が増し、板の取り付け面の強度アップにつながったのだと思います。
それでも、いつ猛威を振るうかわからない台風のことを思うと、一抹の不安がよぎってしまいます。そこで、不安を払拭するために、角材支柱でフェンス板の補強をしてみることにしました。
作業手順
このフェンスの補強作業は、図面にない追加の作業となります。ですから、上の写真のように出来上がったフェンスを実測して、まずは一組分だけ材料をカットし、仮組みし干渉等がないかを確認してから、他のすべての材料を切り出しています。
角材を必要な長さにカット
必要な材料は、フェンス板を連結させる角材支柱と、それを支えるベースの角材と、それから、その二つを繋ぐ斜材になります。この三本の角材で三角形を作ることにより格段に強度がアップします。
使用したコーナークランプ、ドリル、ダボ錐
コーナークランプで固定
角材を直角に組む際に、どちらからビス止めするかは製作品の使用目的にあわせて決めると良いでしょう。
今回私がつくるような細い角材を組み合わせる補強用支柱の場合は、縦の柱が地面に着いていた方がより安定するであろうと判断しています。
下イラストにて、左側では フレーム A を フレーム B にのせるように組立ています。今フレームAに右方向へ力がかった時、Xを支点に倒れようとします。
一方、下イラストの右側では フレーム A を フレーム B の横に取り付ける組み方です。この場合フレームAはXを支点に倒れようとしますが、同時にYを支点として フレーム B(フレームAの倒れる角度が微小な時は構造物の自重) の自重によりフレームAが倒れるのを防ぐような力が掛かります。
木組みの組み方と安定性
上イラストの説明はあくまで細い角材などの場合となります。
もしも、フレーム A が□90mmくらいの大きな角材で、フレーム B が厚み50mm×幅90mmくらいの角材の組み合わせであれば、上イラストの左側のパターンのように、フレーム B 50×90mmの上にフレーム A □90mmをのせてフレームBの下面からビスを打つでしょう。
コーナークランプで固定した様子
コーナークランプで角材を直角に
座グリとボルト穴
六角軸ダボ錐で座ぐりを加工しています。
皿取錐をお持ちでしたら、皿取錐でもきれいに仕上がると思います。(皿取錐をご使用になるときは長めのビスをご準備ください。)
皿取錐を使うか、六角軸ダボ錐を使うかにより、適したビスの長さが違ってきます。皿取錐で皿座ぐりと下穴を同時にあけてからビスを打つ場合は、ビズは「ビスを貫通させる取り付け側の材料の厚み+ネジ込み長さ」となります。
一方、六角軸ダボ錐で深座ぐりを行った場合は「取り付け側の材料のビスを貫通させる厚みがやや薄くなります。ですからビスの長さは皿取錐を使うときに比べて短くすることができます。
座ぐりの深さとビスの長さ
皿取錐のメリット
皿取錐は皿座ぐりとビスの下穴を同時に加工することができます。
皿座ぐりが加工できるため、皿ビスの納まりが良く仕上がりがキレイ。
六角軸ダボ錐で深座ぐりを加工
通常は、ダボ錐で深座ぐりを加工した場合、ビス止めを行った後の穴をダボで埋めて、余分なダボをカット除去します。
今回の補強支柱では、ダボによるヒビ割れが怖かったので、必要に応じてシリコンで穴埋めをしています。
ダボ錐で深座ぐり加工
ボルト穴用のドリルの長さを貫通する木材に合わせる
ボルト穴は、結合する木材をよりしっかりと引き付け合うための加工です。
ボルト穴はビスの外径(ネジの山の径)と同じにします。(木工におけるボルト穴はネジ山の径と同じ、もしくはネジの山の径よりやや小さめでよいと考えています。なぜなら金属と違いボルト穴が大きくなりすぎるとビスが木材にかかる力が弱くなってしまうからです。もしも、金属ワッシャをビスに組み合わあせて使用する場合は、下穴をビスの外径よりやや大きくしても問題ないでしょう。)
ボルト穴用のドリルの長さを調整
ボルト穴は手前側の木材に加工しますので、下の写真のようにドリルの長さを手前の木材の厚みに合わせています。
ボルト穴の加工(ドリルの長さ調整)
ボルト穴の加工
下の写真ではボルト穴が手前の木材のみに加工された様子となります。
ボルト穴の加工
ビスの下穴とビス止め
次は、ビスの下穴ですが、ビスの細い部分(ネジの谷の径)と同じ、もしくはやや小さくします。
下穴用のドリルをセッティング
一般的に小径のドリルは短くなっています。下の写真は電動ドリルドライバーのチャックにドリルを出来るだけ長くセッティングしている様子です。ビスの下穴は奥側の木材にあけます。
ビス下穴用のドリル
ビス下穴の目的
ビスの位置ズレを防止することで木材のズレを防止する効果があります。また、ビスをねじ込んだ時に木材の割れを防ぐ効果もあります。
上の写真から分かるように、このモデルケースではビスをねじ込む奥側の角材に十分な深さの下穴をあけることができません。使用する木材がもっと細く割れが懸念される場合は、上の写真のようにコーナークランプで固定した状態で浅い下穴をあけ、一度コーナークランプを外して下穴をさらに深く加工してからコナーナークランプで組み戻すと良いでしょう。
ビス止めの様子
ダボ錐で深座ぐりを加工しているためインパクトのビットはやや深く入り込んだ感じになります。
コーナークランプで固定した状態でビス止め
ビス止め完了
この状態では、ダボ錐であけた深座ぐりは真下になっているため見えません。
深座ぐりは裏面にあります。
補強用の斜材をカット
「トラス構造」という言葉を聞いたことはありませんか?
ウィキペディアより引用
トラスとは三角形を基本単位としてその集合体で構成する構造形式。
構造計算のさいに接点をピン接合とみなして理想化する場合でも、実際の構造物で純粋なピン接合とすることは少なく、接点が事実上剛接合に近いものが多い。
本来のトラス構造ではピン接合となっていて部材を曲げる力(モーメント)が発生しないで、部材を伸縮させる力だけが発生する構造なのです。
つまり、三角形の構造はシンプルなのですが、非常に丈夫な形状といえます。ですから、実は街のいたるところで三角形を組み合わせた構造物を目にしているはずです。
トラス構造を木工に活かす
今回作る補強支柱はアルミ角パイプの支柱をメインとするフェンスの板を補助的に補強することを目的としているため、さほど大きな角材は使用していませんが、軽くて丈夫にするための工夫として斜材を入れます。
では、実際の加工ではどのような点に注意したら良いかといいますと、斜材の切り口が「直角につないでいる支柱とベース角材のいずれにも」密着することが望ましいのです。
斜材を切り出すために角材を仮に合わせた状態です。
(斜材はまだカットしていません。)
斜材は現合でケガキ
カットする斜材のケガキ
この写真は上の写真をアップした様子になります。斜材となる木材に赤鉛筆でなぞっているのがわかるでしょうか?
本来であれば、CADで作図していますので、CAD上から斜材の長さや角度も分かるはずなのです。
ですが、実際の現場では「現合」と言って、実物から構造物の形状を決めることもあります。
現合のケガキ
木材片をガイドにしてノコ挽き
前の写真のケガキ通りに木材をカットし斜材を作れば、直角につないでいる支柱とベース角材に密着させることができます。
では、「どうやったらきれいにカットできるの?」そう思ったかもしれませんね。
もしも、スライド丸ノコをお持ちでしたら斜めのカットもきれいにできるともいます。
スライド丸ノコがない場合は手ノコでカットしてみてはいかがでしょうか。市販の鋸ガイドを使ってもよいですし、私が行ったように端材をノコのガイドとして活用してみてもよいと思いますよ。
端材をガイドにして鋸で切る
端材をのこぎりガイドとして利用
端材をノコのガイドとして使用する際
この簡易的なガイドはノコを前後方向に動かすときの横ずれを防ぐことはできますが、切りすすんでいく時にノコが斜めに入っていく可能性があります。
斜めに切り込んでいくことを防ぐには、最低限の段取りとして「必ず、切り込んでいく縦方向のケガキも入れる」ということです。
縦のケガキがポイント
当たり前のことなのですが、木材の側面に引いた縦のケガキに沿って切断すると切断面は歪むことなくキレイに仕上がります。
ノコギリガイドがあることで、この縦のケガキ線(木材の側面)意識を集中させることができます。このとき、ノコをガイドに沿わせながら前後に動かすことは手の感覚で意外と大丈夫だと思います。
基本的には、ノコをガイドに密着させながら前後に動かせば真っ直ぐに切り込むはずなのです。
木材の側面にもケガキ
材料に防虫防腐塗料
今回の補強支柱では、先に斜材を組んでしまうとフェンスに取り付けることができないため、この段階で防虫防腐塗料を塗ってしまいます。
防虫防腐塗料を塗る
斜材の組み立て
まずは、ベース角材をステンレス金具とビスで固定し、支柱も何点かフェンス板にビス止めします。このように、部材を取り付ける際は、まずは取り付け相手の部材を安定させてから作業を行うのがポイントです。
ビス止めのコツ
それから、斜材のビス位置を決め、座グリを加工し、下穴は斜材の外側(斜材の内側はドリルが届きません)にだけあけて、4本のビスのうちの下穴をあけた斜材両端の外側をビスを1本ずつ止めます。
その後に斜材の内側のビスを打つときは、斜材が浮いてしまう心配はありませんね。
この例のように、ビス止めも順番とタイミングをよく考えてから行うと作業がはかどりますよ。
斜材のビス止め
斜材はフェンス板の間に
斜材の取り付け位置を支柱の下の方にし過ぎると、補強効果が弱くなることからフェンス板をまたぐような位置に設置しています。
このようにフェンス板と斜材が危うく干渉しそうなくらいの位置関係となったことから、現合による斜材のカットを選択しました。
フェンス支柱の中間地点に補強支柱を設置
ステンレス金具とコンクリートビスで固定
今回は、プラグ不要のコンクリートビスを使ってみました。
モルタル用のドリルで下穴をあけます。下穴径は使用するコンクリートビスに指定していますのでビスのパッケージを確認の上コンクリートドリルを準備すると良いでしょう。
コンクリートビスを使って金具を固定
コンクリートビスには充電ドリルドライバーがおすすめ
通常のビス止めでは、インパクトドライバーを使っていますが、コンクリートビスでは充電ドリルドライバーをおすすめします。
なぜなら、締め付けトルクを調整できるからです。最近のインパクトドライバーではいくらかは締め付けトルクの調整をできるようになっているのですが、トルク調整機能としては充電ドリルドライバーにはかないません。
コンクリートは丈夫な素材ではありますが、脆くもありますので、ビスを締めすぎるとネジ穴がつぶれてビスが効かなくなることがあるためです。
ちなみに私の充電ドリルドラバーでは最高16まであるトルク調整ダイヤルのうち3を使用しました。
充電ドリルドライバーのトルク調整
まとめ
週末の限られた時間にDIYをするなら、やっぱり、短時間で形にしたくありませんか。もちろん時間をじっくりと掛けて行うDIYの達成感も格別ではありますがね。実はこの防風フェンスは計画から完成までかなりの時間が掛かったんです。苦労が多かった分、なかなかの達成感を味わうことができたました。
ここで紹介している補強支柱はフェンス制作の最後の最後に追加した作業でした。図面もなく行った作業でしたが、コーナークランプを使うことで手軽に組立作業を行うことができました。今回は補強用の支柱でしたが、同じような角材の組み方を使って他の用途にも使えるのではないかと思います。