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中空ポリカを使った簡単ペアガラスの作り方 

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

 

さて、FreeCADという3次元CADソフトがあることをご存じでしょうか?どなたでも使用できるフリーソフトなのですが、これが意外とおもしろいので私はDIYでも活用しています。2次元CADと合わせて使うと非常に便利なのではないかと思います。

今回製作したDIYペアガラスについても、初期の構想は2次元CADで作図し、3次元CADは説明用とて描いてみました。

中空ポリカーボネートを使ったペアガラスの作り方をCADをつかって解説

 

玄関扉ユニットの作りを観察

今回のDIYペアガラスは既存ガラスと中空ポリカーボネートの間に十分な空間を持たせるのがキモとなっています。そのいっぽうで、中央部のアルミフレームに開口部を設けている郵便受けをどのように処理するか多くの時間を割いて検討しています。

その状況を写真で見てもあまり伝わらないのですが、3CADで表すことで非常に明確になるようです。下のイラストからも分かるように、郵便受けの開口部があるフレームとガラスのところにも10ミリの段差があるので、検討段階ではその高さでペアガラス化するという選択肢もありました。

郵便受けまわりの構造
詳細 郵便受 加工前

 

DIYペアガラスの製作手順を解説

写真で紹介した記事とダブル部分があるとは思いますが、ここでは3CADのイラストをもとにDIYペアガラスの製作の手順を説明します。

そもそもペアガラスとはガラスとガラスの間に断熱性の高い気体を封入して作られています。そして、気体の層はガラス板よりも熱を伝えにくいため気体の層を厚くすると断熱効果を高めることが期待できます。現に近年は二つの気体の層をもつトリプルガラスという商品も流通しています。

しかし、断熱性の高い気体を封入するほどの気密性を持たせるというハイレベルな加工をおこなうことは、DIYペアガラスの製作ではさすがに無理があるでしょう。

そこで、「サッシのガラスと中空ポリカーボネートでつくる空気の層を出来るだけ厚くする」というコンセプトをもとにDIYペアガラスの製作案を検討しています。

 

□15ミリのアルミ角パイプで段差をなくす

ペアガラスの機能を高めようとするとどうしても製作難易度は高くなってしまうのですが、いかに簡単に製作できて、しかも、より断熱効果の向上が期待できるようにするためのアイデアが□15ミリのアルミ角パイプによる窓枠のフラット化でした。(下イラスではカーキ色で表しています。)

□15ミリアルミ角パイプの取付け位置
手順 アルミ□15フレーム

 

こうすることで、ペアガラスの空気層をより厚くすることが可能となります。アルミ角パイプはきれいな表面をしていて、しかもかなり軽量であるため両面テープでしっかり固定できます。また、最後にアルミフラットバーで押え込むようになりますので全体としてしっかり固定できます。

15ミリ嵩上げすることで十分な空気層を確保できた反面、郵便受け口が沈み込んでしまうという課題が浮上してしまいます。

□15ミリアルミ角パイプで段差をなくす
詳細 アルミ□15フレーム

 

スポンジシール材の取付け

□15ミリのアルミ角パイプで嵩上げしたことで十分な空気層を確保できたのですが、それでは「どうやって中空ポリカーボネートを固定するのか」というのも課題でした。

おもて面はアルミフラットバーで固定することは決めていたのですが、問題は中空ポリカーボネートの裏側をどうやってとめたらよいものか?

アルミのアングル材を両面テープで貼るというやり方もあるでしょう。しかし、アルミ材を多く使うとコストアップとアルミ材をカットする手間が増えるという問題があります。

あるいは、ゴム製の扉用のクッションシール材を使うのもアリなのですが、こちらもコスト面を考えるとやはり割高感がぬぐえません。

最後にたどり着いたのが、EPDMゴムを主成分としたスポンジシール材です。

スポンジの材質に注意

従来からあるグレー色のポリウレタン製スポンジをつかった「すきまテープ」は経験上スポンジの劣化が気になりますので使用しないほうが良いと思います。

スポンジシール材の取付け位置
手順 スポンジシール材

 

スポンジシール材はアルミの窓枠(カーキ色の□15mmアルミ角パイプも同じ高さ)から中空ポリカーボネート(厚さ4ミリ)の厚み分だけ低い位置に貼り付けています。

スポンジシール材の取付け状況
詳細 アルミ□15

 

下イラストの断面図を見て頂くと、よりイメージしやすいと思います。サッシのガラス板よりも少し離れた位置にスポンジシール材が貼られています。

スポンジシール材の取付け状況 詳細な断面図
スポンジシール材取付け位置

【ガラス⇔アルミ枠外面】 25ミリ

スポンジシール材のサイズ 【15ミリ幅×10ミリ高さ】

【スポンジシール材⇔アルミ枠外面】 4ミリ

ということは、

【スポンジシール材⇔ガラス】=25ー4ー15=6ミリ

つまり、ガラスとスポンジ材は6ミリ離れている状態となっています。

 

中空ポリカーボネートをはめ込む

中空ポリカーボネートはそれぞれの枠のサイズにカットし、中空状の断面にはセロハンテープを貼って中空ポリカーボネートの中空部内に空気を閉じ込めた状態とします。

中空ポリカーボネートはスポンジシール材で作った受台にあずける状態となります。この時、もしもスポンジシール材を多少蛇行して貼っていたとしもスポンジシール材がつぶれるような感じでなじんでくれます。

中空ポリカーボネートをはめ込んだ状況
手順 中空ポリカーボネート

 

注意

厚み4ミリの中空ポリカーボネートを使用するとして、スポンジシール材を例えば6ミリくらいの位置で貼ってしまうと、最後にアルミフラットバーで押えても中空ポリカーボネートがぐらぐらする状態となってしまいます。

ですから、中空ポリカーボネートを貼る位置の目標はあくまで「中空ポリカーボネートの厚み」を目標にしておくことが望ましい。(4ミリを目標にして、結果として3~5ミリで蛇行ならOK❣)

 

つまり、ゴムなどのしっかりした素材よりも、スポンジシール材のようにあえてあまり硬くない素材のをつかった方が中空ポリカーボネートの納まりが良いと思います。

アルミフレームの高さに中空ポリカーボネートが揃う
詳細 中空ポリカーボネート

 

上下のアルミフラットバーを貼る

最後に押え板として、アルミフラットバーを両面テープで貼りつけます。このとき、縦から貼っても横から貼っても構わないのですが、私は上下のフラットバーを先に貼っています。

そうしたのは、一応、私なりの理由があります。

上下のフラットバーを先に貼る理由

上下のフラットバーを先に貼るのは「両面テープを使った作業だから」です。

両面テープを使うと作業が簡単である程度しっかり固定できて便利なのですが、しっかり固定できるからこそ「ずらしながら微調整ができない」という弱点となっています。

(ネジ止めの場合、長穴で調整可能。 接着剤であれば、貼ってすぐであれば多少はずらすことができる。)

まずは上下のアルミフラットバーを取り付ける
手順 アルミFB 上下

 

アルミフラットバーをキレイい貼るコツ

下イラストからも分かるように、短いフラットバーを□15mmアルミ角パイプに貼っています。しかも、アルミ角パイプよりも20ミリ短いので、アルミ角パイプの左右の端からそれぞれ10ミリの位置にマーキングをしておきます。

こういう状態であれば、アルミフラットバーを貼る位置の目標がハッキリします。最初にアルミフラットバーをマーキング位置に合わせ、あとはアルミ角パイプ側面にフラットバーの側面を沿わせるようすればキレイに仕上がります。

アルミフラットバーを□15mmアルミフレームに合わせる
詳細 アルミFB 上下

 

左右のアルミフラットバーを貼る

次に左右のアルミフラットバーを貼ります。計算上ではアルミフラットバーの長さは窓枠の内寸(中空ポリカーボネート縦寸)プラス30ミリでよいのです。

しかし、最初に貼った上下のフラットバーが完全に水平にしかも正確な位置に固定されている保証はありません。ですから、上下のフラットバーが貼られている位置までの左右それぞれの実寸法を測ってみてその長さにカットするのが良いでしょう。

左右のアルミフラットバーを取付ける
手順 アルミFB 左右

 

下イラストからも分かるように、アルミフラットバーは上下と左右でカットした断面が突き合わさるようになります。つまり、アルミフラットバーの切断面をキレイにすることが仕上がり具合に大きく影響します。

フラットバー切断時の注意点

本来なら、「フラットバーをキレイにカットするコツ」としてお伝えしたいところですが、薄板の切断は意外と難しく説明しづらいところです。

アルミ角パイプであれば、バンドソーを使うとキレイにカットできると思います。しかし、アルミフラットバーのような薄板の場合、材料を固定するのが難しいためバンドソーでのカットは向いていないように思います。

アルミフラットバーが飛ばされないように最低でも2か所はL型クランプ等でしっかりと作業台に固定してから切断作業を行います。ハンドグラインダーに切断刃を取付けてカットラインに合わせてグラインダーを送る練習をして慣れるしかないと思います。

ちなみに、ケガキ線はスコヤを使って正確に直角なカットラインを引いてください。また、作業用手袋、保護眼鏡、防塵マスクを使用するのが原則となっています。

直角に切断したアルミフラットバーで作業を簡素化
詳細 アルミFB 左右

 

郵便受けの木枠台座を取付ける

郵便受け口の上と下の窓がそれぞれ15ミリ嵩上げした状態となっています。そのままでは郵便受け口が沈み込んだ状態となってこれまで使用してきた「DIY郵便受け」を使うことができません。

そこで、□15ミリの角材を使って木枠を組み、郵便受け口に木枠をプラスし、上下の窓と同じ高さにしてしまうことで「DIY郵便受け」を再利用しようと考えました。

郵便受けを取付ける木枠台座
手順 郵便受け木枠

 

木枠のサイズは郵便受けカバーの大きさに合わせています。そして、木枠に郵便受けカバーと同じ位置に穴をあけます。

□15ミリの角材で作った木枠台座で高さを揃える

詳細 郵便受け木枠

 

郵便受けカバーを取付けて完成

3次元CADでは「DIY郵便受け」を作図していないため省いていますが、郵便受けカバーとDIY郵便受けは2本のボルトをつかって固定しています。

郵便受けカバーを取付けて完成
手順 完成

 

郵便受けの左右にあるボルト穴にボルトを通すのですが、ボルトは上から「郵便受けカバー」「DIY郵便受けのポリカ」「郵便受け台座の木枠」「郵便受け金具」の順でそれぞれを貫通して取付けられています。

DIY郵便受けをカバーで挟み込むと完成
詳細 完成

 

まとめ

本記事は製作風景の写真を載せたメインの記事を補うことを目的としています。ペアガラスのつくり方としては至って簡単にしていると思っていました。

事実、タップをたてたり、ビスどめは一切必要ありません。あくまで両面テープを使った取付け作業がメインであるため作業は至ってシンプルだと思います。

しかし、いざフラットバーの切断について説明しようとしても、上手く説明できない部分があると言わざるを得ません。工業系の方は普段何気なくやっている思いますが、実務に慣れていないと簡単な作業とはいえないのかも知れません。

自信がない方はアルミ材の切断作業をご自身で行わないようにお願いします。

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iboxnj
マイペース派で、「変人」に憧れる管理人のアイボックです。必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。