年をとると、誰でも足腰が弱くなってくるものです。そして、足腰が弱くなってくると、階段の上り下り、トイレでの立ち座り、段差を越えるなど、これまで楽にできていたことが、だんだんと困難になってきます。
そんな時に、まず思い浮かぶのが、「手すり」だと思います。私のうちにもいたるところに手すりをつけています。
小さめのものでしたら、ホームセンターで購入しても、1000円くらいから購入できると思います。
しかし、ちょっと長めのものになると、結構な価格になってきます。
そこで、高齢の家族とお住いの方に、手軽な、手すりの作り方を紹介したいと思います。
イレクターを使って、手軽に、介護用の手すりを作ってみませんか?

イレクターとは? ホームセンターで一度は見たことがあるのでは
これまで、ホームセンターで見かけても、あまり気に留めずスルーしていた商品です。ここでは、その「イレクター」について、簡単に紹介したいと思います。
イレクターは矢崎化工株式会社製造のロングセラー商品だそうです。スチールパイプをプラスチックで被覆する構造となっています。
ですから、軽くて丈夫、しかもサビに強いことがセールスポイントになっているようです。あわせて種類豊富な継手により、アレンジは自由自在です。
アイデアにより、組み合わせは自由自在 手すりでは強度を意識して組合せ
イレクターはサイズが Φ28、Φ32、Φ42 の3種類があります。
イレクターのサイズを大きくすれば、強度は増していきます。手すりを作る場合は、ご使用になる方の手のサイズを考慮して、最適なサイズを選ぶとよいと思います。
ただし、イレクターは手すり専用のパイプに比べると、若干強度が低い印象があります。
今回、私が作った手すりはフラットな縁側に設置してあり、あくまで補助的な役割をしています。
そのため、コストを抑えるためにΦ28を使用しています。イレクターのサイズが小さい分強度が落ちますので、その分を構造でカバーすることを意識しています。
手すりには体重がかかりますので、床から立ち上げたイレクターを柱として、横に展開するようにしています。
手すり用イレクターの組み合わせ方の一例

とにかく簡単で、あっという間に製作は終わります。
専用ジョイント(接手)と専用接着剤を使用します。パイプの長さは数種類のものがあります。それらを、うまく組み合わせることで、パイプの切断をせずとも、仕上げることが可能かもしれません。
もしも、カスタマイズのために好みのパイプ長さを必要とする場合は、バンドソー、あるいはサンダー(電動グラインダー)にて切断しても良いと思います。
基本的には、ジョイントでパイプをつなぎますので、パイプの切り口が多少汚くとも関係ありません。
私はイレクターの接着には、水道管に使用する塩ビパイプ用の接着剤を代用品としています。これはあくまで自己責任で行っていますのでご理解ください。
壁がないところには、こんな手すりはいかが?

布団干しとしても活躍しています。

CADで提案 こんな手すりはいかがでしょうか?
縦型イレクター手すり

エントランス付き 縦型イレクター手すり

サイドサポート付き 縦型イレクター手すり

まとめ
自分の親が高齢になってくると、身近な問題として、手すりに関心がでてきます。皆等しく年をとり、やがては自分自身も必要なアイテムとなってくるのです。
身体能力は、日々のトレーニングにより、ある程度のレベルで維持できるとは思いますので、まずは、一次的行動目標としては、「日常生活を送るために必要な足腰の筋力を維持する」こと。
二次的行動目標としては、「住環境の整備として、バリアフリーな間取りとして、極力、室内の段差を排除する。」
そして、転倒防止と行動補助を目的とした「積極的なサポートとして、手すりの存在は大切になってきます。」
「市販の手すり」はホームセンターに数多く取り揃えていますので、DIYで取り付けることができます。
しかし、家の各所に手すりを設置するとなると、意外と予算がかさんできます。そこで、イレクターを使った簡単手すりを併用することで、住みよい住環境を整えることができると考えています。
木製の手すりは、「木のぬくもり」がありいいものです。ですから、「統一感にこだわる」のもいいですし、または、お客様の目に触れないところは、イレクターの手すりにするのもいいかもしれません。
