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内窓を取付けるための準備をしよう ふかし枠をDIY

出窓に内窓を取付ける場合、既存サッシとの干渉をまったく気にする必要がないので、そこまで手間もかからずに設置作業を終えることができました。

家の二重窓化をイメージしはじめた頃からもうすでに数年が過ぎています。当時は、寝室の掃き出し窓には出窓のように簡単に内窓を設置できないため、内窓の取付けを諦めていました。

それでも、寒い夜を過ごすたびに「寝室の二重窓化」への思いが沸き上がっては断念を繰り返しながらあっという間に長い年月が過ぎていました。

課題の解決には「ふかし枠」をとりける必要があります。また、大きな内窓であるため「ふかし枠」には十分な強度が必要となります。

サッシメーカーオプションの「ふかし枠」を注文することもできるのですが、窓枠の下部が砂壁であり内窓の設置条件としてはあまり良くないために強度確保が課題でした。

そこで、大きな内窓を設置するときのふかし枠の強度を確保するために「ほぞ接ぎを使った木組み」で問題を解決してみようと思います。

 

「内窓のふかし枠の強度を確保したい。」その悩みをほぞを使った木組みで解決!

寝室の大きな掃き出し窓の現状

寝室には2つの窓があり、腰高窓の出窓にはすでに内窓プラマードUを取り付けています。

そのおかげで、エアコンの効きがかなり良くなったのではないかと実感しています。しかし、エアコンを消して寝る冬場の寝室はやはりそれなりに寒くなってしまいます。

「部屋の中の熱はその大部分が窓から失われている」と言われています。つまり、窓が大きくて、窓の断熱効果が低い状態であれば部屋が寒くなりやすいと言うことです。

そこで、今回は寝室の大きな窓に内窓を設置するための準備として、丈夫な「ふかし枠」を作ってみようと考えています。

 

枠縁が狭く、そのままでは内窓を取付けできない

寝室の掃き出し窓の先にはベランダがあり、□100×100ミリの柱を使った壁と窓で隔てられています。つまり、この窓枠の奥行は壁の厚みとほぼ同じであるため、そこまで広いとはいえません。

いっぽう、ベランダへの出入りを考えた場合、この窓枠はあまり奥行が広くない方が好ましいといえます。

内窓の取付けを予定している窓

 

ふかす(ふかし)とは

ふかす(ふかし)とは 仕上げ面の位置を、更に出したり増やしたりすること

住宅用語大辞典より

つまり、ふかし枠とは現在ある窓枠を延長するように張り出させる枠のことだということです。

 

ふかし枠の設置が困難な環境

下の写真のように、額縁(窓枠)は厚みが40mmほどある立派な木材が使われています。ですが、内窓を取付けようと考えた場合、額縁の奥行が十分とはいえません。

しかも、ふかし枠を取付けようとしても、額縁の張り出しが狭いために固定が困難であり、しかも、額縁の下が砂壁となっていることが更に「ふかし枠取付け」の難易度を上げています。

窓額縁の下部と右柱

砂壁の下には、角材(胴差し)の角部が13mmほど張り出しています。この部分が「ふかし枠取付け」を可能とする唯一の希望です。

窓額縁の下部と左柱

 

ほぞ接ぎを使ったふかし枠の取付け方法とは

今回取り付けるような大きな内窓の重量はけっこう重くなります。そのため、窓枠へかかる負担はかなり大きくなります。

そこで、構造的には余裕をもって重量を支えられるものでなくてはなりません。ですから、木材を使用する場合は圧縮方向に十分な強度を持つように縦向きの柱構造が理想的であると思います。

また、その柱構造を実現するためには、「ホゾ接ぎ」を利用することがごく自然な流れなのではないかと思います。

重量がかかる窓枠下部に「ほぞ接ぎ」を使う

ほぞ接ぎは下写真のように、窓枠の下部で内窓の重量を支えるための役割を担います。ホゾ接ぎを使った木組み部全体で重い大きな内窓(ガラス窓)の重量を受けて、砂壁の下端からわずかに張り出している胴差しに支えてもらう構造となっています。

 

寝室の柱とふかし枠

 

当初の図面の段階では、ホゾ接ぎ部で木組みをずらす(オフセット)構造とすることを前提として、この木組み構造を選択していました。

しかし、ほぞの胴付き部のカット寸法にわずかな狂いが生じると、大きな内窓の重量をしっかりと支えきれないようになるのではないかという不安の方が大きくなり、多少斜めになっても良いから「ガタツキがないきっちりとした仕上がり」を重視し、「ホゾの構造をシンプルにしてミスを防ぐ」という選択をおこなっています。

 

「胴差し(どうざし)」にホゾ接ぎ部材を乗せ掛ける

 

木組み部(ホゾ接ぎ)を力技で固定する様子 【断面図】

3次元CADの作図を簡素化するために、うす黄緑色で示す砂壁は実際よりも厚い状態で示しています。あくまで、砂壁が柱から13mm奥側になっている様子を表現しています。

下の断面図を見ると、ホゾ接ぎによる木組み(黄土色)は作図の都合でホゾの胴付き部で隙間が目立ちますが、実際にはそこまで隙間があることを感じません。私の推測ではありますが、木材のもつ柔軟性によりホゾやホゾ穴部でうまく吸収しているのではないかと考えています。

 

ほぞ接ぎを使ったふかし枠の製作準備

プラマードの施工上の注意点をまとめた冊子があり、それによるとプラマードUの最大障子重量は1枚あたり45kgと明記しています。これは製作範囲の一番大きなサイズのプラマードを指しているのだと思います。

我が家の寝室の窓の開口面積から予測すると、全面ガラス(ガラスの比重2.5)として約40kgとなります。2枚の引違い窓で樹脂フレームなど考慮するとトータルで50kgくらいではないかと予測しています。

つまり、常にふかし枠にはこの重量がかかるということなので、それなりの強度が必要なことが分かります。

ふかし枠の材料を準備する

ふかし枠に使う木材は、内窓取付けに必要な額縁の幅を補うことだけでなく、内窓の重量を支えるために必要となる強度を考慮しています。

そのため、内窓の下部を支える木材は□45×45mmとかなり大きめのモノを選んでいます。両サイドには□30×30mmの木材を選んでいます。

準備した「人工乾燥済みのスギ木材」

 

木材の角部を手入れする

購入した木材は、角部が鋭利なため手カンナを使って丸みを与えています。

木材の角部を手入れ

 

艶出し用の油性ニスを塗る

ニスをあらかじめ薄く2度塗りしてから加工を行っています。

油性ニス 【下塗り】

 

ほぞ接ぎを使ったふかし枠の加工

ほぞ接ぎは正直なところ面倒くさい作業だと思っています。しかし、ビス止めによる木材の接合にはないメリットが多いため、ついつい手を出してしまいます。

時間に余裕がある方は、「ほぞ接ぎ」を一度試してみてください。ほぞ接ぎの体験についてまとめた初心者向けに記事がありますので、興味がある方はご覧ください。平ほぞ加工の学びと体験録(建具を作る)

 

ホゾ穴の加工

ドリルで下穴をあけて、ノミで削り出す方法でホゾ穴を加工しています。ホゾ穴底にある小さな穴はふかし枠(ほぞ接ぎ木の長さを決めるために)を仮止めするための穴です。

ホゾ穴の加工と仮止め用の穴

 

ふかし枠を仮付けして寸法を計測

現状の窓枠の形状については、採寸してCADで図面を起こしていますので図面上でほぞの接ぎ木の長さを求めることもできるのですが、仮にほぞ接ぎ木が短った場合サッシ枠にかかる重量をしっかり受け止めることができません。

また、中古住宅であるため、額縁に歪みがあり接ぎ木に必要な長さが違うことも考えられますので、「実際に必要な接ぎ木の長さ」を実測することにしました。

そこで、まずは2本の角材を所定の位置に固定した状態を作ります。そして、2本の角材の隙間の寸法を測り、ほぞ接ぎ木の寸法を隙間の実測値にあわせることで、ふかし枠と窓枠が密着した状態を実現することができます。

 

ホゾ接ぎふかし枠を仮付け

下の角材は、砂壁から13mmほどはみ出した角材(胴差し)に乗せ掛けることで荷重をしっかり受けることができます。また上の角材は既存の額縁(窓枠)にピッタリと合わせることで、これから設置する内窓の下枠をキレイに密着せることができます。

 

現合によりホゾ接ぎする角材の長さを決める

上の写真は5カ所あるほぞによる接ぎ木の位置で、上下2本の角材の隙間の寸法を計測している様子となります。

 

ふかし枠の接ぎ木を加工

ほぞの加工についての詳しい内容は重複しますので、ここでは今回の作業について簡単に紹介します。

接ぎ木の切断

現合により測った2本の角材間のスキマ寸法は、ほぞの接ぎ木の長さ(胴付きから胴付きまでの長さ)となります。

ホゾの長さを15mmとして、継ぎ木の両端にほぞがあるため接ぎ木の長さ+30mmで角材をカットしています。

ノコギリガイドを使って角材の切断

 

接ぎ木のホゾ部の縦切り

ほぞ部の加工では、まず縦切りのノコでケガキに合わせてカットします。カットする時の姿勢としては角材を作業台に固定して、上からノコを引くやり方も勿論あります。

しかし、できれば下の写真のようにある程度高い位置に角材を固定してノコを下方に引き下ろすようにすると、よりまっすぐにカットしやすくなります。

ホゾ部の縦切り 【作業台を立てる】

 

ホゾ部の縦切り完了

ほぞには接ぎ木の長さをメモしてあり、配置場所をを決めています。

 

接ぎ木の胴付き部をノコギリガイドを使って仕上げる

ほぞの胴付き部のカットは、ノコギリガイドを使うと段差なくキレイにカットしやすくなります。

ホゾの加工 完了

 

ふかし枠のほぞを組み込む

今回のほぞ接ぎには□45×45mmとある程度に大きく丈夫な角材を使用しています。いっぽう、ほぞの長さは15mmと短めにしていたので、ほぞ穴も貫通はしていません。

ほぞの大きさはスコヤで確認しながらノミを使って整えて、先端の角部を削る面取りをしていたので、はめ合いはゴムハンマーを使って叩き込むような硬さではあったのですが、特に割れることもなくしっかりと組み上がっています。

ホゾ接ぎの組み込み作業

 

ふかし枠の完成

砂壁下の角材(胴差し)と窓枠下部の張り出し寸法が違っているため、当初図面上ではほぞ接ぎ木のほぞの位置を上下でずらすように考えていたのですが、いざ実際に加工するとなると困惑しそうだったのでシンプルに真ん中に加工しています。

そのため、ふかし枠は砂壁に対してほんの少しだけ傾けて取り付けています。

ふかし枠の組み立て完了

 

ふかし枠 【右上部】

上と横のふかし枠は、シンプルに正面からビス止めしています。

 

ふかし枠 【右下部】

 

ふかし枠 【左上部】

 

 

ふかし枠の追加で窓枠が広くなった

サッシ枠の端からふかし枠の先端まで105mmを確保できています。

 

ふかし枠に3回目のニスを塗って完了

ふかし枠の組み立て取付けが完了したら、3回目のニスを塗って仕上げています。

 

ふかし枠に内窓の取付けは可能!?  開口部の歪みを確認

さあ、これで内窓を取付けるための準備が整いましたね。これから内窓を注文するのですが、内窓サッシはオーダーすることになりますので、開口部の計測は正しく行う必要があります。

開口部の寸法を計測

開口部の幅を3カ所(W1,W2,W3)、高さを3カ所(H1,H2,H3)測ります。プラマードの施工マニュアルによると、幅、高さそれぞれに最小値の寸法で発注するように記されています。幅の最小値はW2=1803mm、高さの最小値はH1=1783mmとなります。

また、たわみは±1.5mm以内であること確認する必要があります。

開口部の寸法を計測

 

開口部の対角を計測

プラマードの施工マニュアルによると、対角差は3mm以内であること確認するように指示してあります。下の実測値から対角の寸法差は4mmであることが分かります。

 

レーザーを使って調べてみる

上に示す対角の計測結果より、開口部が歪んでいることが分かります。プラマードが推奨する対角差3mm以内をわずかにオーバーしているのですか、見た目にはさほど傾いているようには感じません。

そこで、垂直のレーザー光線を使って開口部の歪みを確認してみたいと思います。

レーザーにより額縁の歪みを計測

 

レーザーを使って歪を計測 【右側の額縁】

下の写真はレーザー光を当てた状態でふかし枠を下から見上げたものです。写真からも分かるように、垂直のレーザー光に対して右側の額縁はほとんどズレていないことが分かります。

 

レーザーを使って歪を計測 【左側の額縁】

左側のふかし枠を取付けた額縁は、レーザー光に対してわずかに右側に倒れていることが分かります。

 

窓枠をCADで作図し、ふかし枠の歪みを確認

対角差では、許容値3mmを超えているものの、レーザー光による確認ではそれほど開口部が歪んでいるように思えません。

そこで、対角差からどのような状況が考えられるのかをCADによる作図で検証してみました。

高さH1とH3の寸法差と対角の寸法差4mmから考えれる状況は下図のようになっていると推測できます。

この作図による結果から、開口部の左側で1.6mm、開口部の右側で2mmズレていることが推測できます。よって、レーザー計測の結果とあわせて考えると、開口部の歪はそれほど気になるものではないというのが私の考えです。

 

 

 

「対角寸法 4mm差」 の影響を確認 【CADで作図】

 

 

ふかし枠施工方法の改善例を紹介

ふかし枠の製作終盤になってくると、ふと、「あれ何でホゾ接ぎによる木組みの部分が傾くのかな?」という疑問がよぎることがありました。

製作過程では、内窓サッシの下枠を取付ける部分の「ふかし枠の高さがズレはしないか?」という心配が付きまとい必死になっていて心に余裕が無かったのですが、いざ取り付けになると、今度は木組みが砂壁に密着しないために困惑してしまいました。

そこで、もしも同様な条件でふかし枠をつけるとしたならば、今度はこのような製作方法が良いのではないかという改善案をまとめてみました。今後同じような条件の場所にふかし枠の取付けを検討されているかたの参考になるのではないかと思います。ただし、いずれの方法にもメリット、デメリットがありますので十分にご検討ください。

違うサイズの角材を木組みして胴差しに密着させる

【メリット】

ホゾ接ぎの部分が垂直になるので見た目がスッキリします。

【デメリット】

ホゾ接ぎが緩い場合、特に下のホゾ接ぎ部でのはめ合い強度が不足すると、胴差しに乗せ掛けてある角材が傾いてしまい、上からの荷重を支える力が不足する恐れもあります。ですから、ホゾ接ぎに自信がない場合はあまり得策ではないかも知れません。

違うサイズの角材を使って木組み(ホゾ接ぎ)する

 

違うサイズの角材をホゾ接ぎ 【断面図】

下の断面図から分かるように、ホゾ接ぎの部分(黄土色)は垂直になり外観がスッキリなるのですが、ホゾ接ぎと砂壁(うす黄緑色)のところに空間ができるためホコリなど溜まりやすくなることも考えられます。

 

「ホゾ接ぎ」と「ビス止め」を組合せて胴差しに密着させる

【メリット】

ホゾ接ぎ部分に加わる横向きの力が少なくなるため、内窓の荷重を支える木組みを胴差しにしかっりと預けられます。また、ほぞ加工が減りますので、作業時間の短縮が期待できます。

【デメリット】

もしも、角材のズレ寸法が大きい場合はビス止めによる角材の割れが生じることも考えらます。また、ホゾ接ぎの反対側をカットする際、切り口が傾いてしまうと隙間できますので正確なカットが必要になります。

木組みの上部はビス止めにする

 

木組みの下部は「ホゾ接ぎ」、上部は「ビス止め」 【断面図】

ホゾによる木組み(黄土色)は、砂壁(うす黄緑色)と密着するため、ホゾ接ぎによる木組みが倒れるような横方向への力(回転モーメント)が少なくなります。

 

ふかし枠の取付けに自信がない場合はプロに無料相談

内窓の取付けには興味はあるのだけど、「我が家は出窓ではないから内窓の取付けは無理かな?」なんて諦めてしまっている人は意外と少なくないのかもしれません。

なぜなら、窓枠に内窓の取付けスペースのが十分に確保できるとは限らないからです。

万が一取付けスペースが足りない場合、メーカーが販売しているふかし枠を取り寄せることで対応できるように配慮はなされています。しかし、ふかし枠のパターンはいろいろとあり、「自宅の場合、どのタイプのふかし枠で対応できるか判断できない」という理由で内窓を諦めていることも考えられます。

そんな場合は、施工のプロに無料相談してみるのも良いと思います。ユーザーが思うほどプロにとってはさほど難しい工事ではない場合があります。それに、工事の見積金額を聞いてから納得できなければお断りするだけですから。

あくまで、『決めるのは100%ユーザーの権限です。』気に入らければハッキリとお断りしましょう。お金の支払いは気持ち良くしたいものです。



まとめ

内窓には興味があっても、いざ取付けとなると、なかなか踏み出せないものですよね。なにせ、冒険心が旺盛な私でもなかなか一歩を踏み出せなかったのですからその気持ちはよく分かります。

しかし、なんでもそうなのですが一度経験すると思うほど難しくなかったりします。ですから、私の記事が参考になりましたら、自分でふかし枠を作ってみるのも良いでしょう。

もしくは、ご自宅の内窓取付けで難易度が高そうな場所だけプロにお願いし、「プロが行う施工の様子を観察して学び吸収する」そして、自宅の他の窓には自分で内窓を取り付けるというのも良いのかも知れません。

家の窓は意外と多いものです。断熱対策は家全体を考えて長い目でプランを立てると焦らずに実行できると思いますよ。

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iboxnj
必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。
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