基本作業 ビス止めのコツ (ウィークエンドのDIY)
木工DIY で使用されているネジは、ほとんどがタンピングネジ
基本的には、ほとんどが「タッピングねじ」と言ってビス自身がネジを切りながら穴をあけるようになっています。
ですから、ビスをインパクトにセットしてねじ込めば、ネジは勝手に締まっていきます。
但し、その「仕上がり具合」については、前処理により随分と違ってきます。
ビス止め仕上がりをきれいにするコツ1 座ぐり
前項では、下穴とボルト穴の必要性を締め付け強度の面から考えて話していましたが、ここでは仕上がりの見た目について話してみたいと思います。
上の絵の一番左の状態ですが、これは前処理をしないで、いきなりビスをねじ込んだ時の様子です。
ビスの周りが盛り上がっているのがわかると思います。これはビスにはじき出されて行き場をなくした木材が、はみ出している様子です。
前処理をしない場合
前処理をしないでいきなりビス止めをすると、木の繊維が「ささくれた」ようになることが多いのです。
それに対して、左から2番目のは皿座ぐりと言ってビスの頭の形状と合わせたすり鉢状の浅い穴を掘っています。
そして、座ぐりの中央に下穴をあけている様子です。
「座ぐりと下穴」の前処理をおこなうと
この場合、木の繊維がささくれることや、盛り上がってくることはほとんどありません。
おそらく、多くの方が「組み立て式のラック」などを一度は組み立てた経験があるのではないかと思います。
それらの組み立て部品に「座ぐりと下穴」が加工されていた事を覚えているのではないですか。
もしも、「下穴」がなかったら部品のパネルが割れてしまったり、ねじの近くが盛りがってしまうことになります。
また、「座ぐり」があることでビス取り付け面の仕上がりがとてもきれいになります。
深座ぐり ビス止めの座ぐりに使用している工具
下の写真は木工用の座ぐりを加工するときに便利な工具です。
座ぐりの中央にセンターポンチを打ったような「くぼみ」ができるので、ビスを座ぐりの中心に位置決めするのが簡単。
「座ぐり」を施してからビス止めした様子
いかがですか。板の面に対して、ビスの頭は同じ面の高さに収まる。もしくは、ビスの頭が板より「わずかに低い」くらいに仕上がると、見た目が非常にキレイだと思いませんか?
「座ぐり」の前処理無しに直接ビス止めした様子
下の写真が、前処理を何もしないで、いきなりビス止めした仕上がりです。
特段、あまりこだわらかければ、これで何の支障もないのですが、二つの写真をよく見比べてみると、下の写真では、木材の「ささくれ」が残っているのがわかるかと思います。
そして、ビスの頭が板より少しだけ浮いたようになるのです。もちろんもっとインパクトドライバーでビスを強く締め付けると、ビスはもっと沈んでいくのですが、無理やりビスを沈めようとすると木材がはじきだされるように隆起してきます。
ビス止め仕上がりをきれいにするコツ2 ビスの取り付けピッチ
それから、もう一つ「仕上がりの見た目」を左右するのがビスの取り付けピッチです。
上の絵の下段はビスの取り付けピッチの一例を示しています。
ビス止めピッチの決め方
私は基本的に左右をどれくらい離してビスを止めるかを決めて、両端のビスの間に何本のビスを打つかを決めてからビスの取り付けピッチをきめていきます。
ビス止めピッチの計算例
この例では、両端を20ミリあけて残り230ミリを三等分して76.6ミリですが、大体76ミリのところにビスを打つと4個のネジが等間隔で取り付けしていることになります。
このことを理解していただいて、大まかな寸法管理でもかなり見た目の印象が良くなります。
また、ビスの取り付けピッチは今後骨組みを作ったりするときにもこの考えを考慮して骨組みの配置を考えたりすることになります。