DIY基本作業のコツ ビス止め
木工の加工では、金属に比べるとそこまで、シビアでなくてよいと思います。穴をあけるためのドリルの選定でも、基本的な概念を理解できれば、現場で臨機応変に対応できると考えています。
現場で加工する際のポイントとコツをまとめてみました。
木工加工における、ビス止めのコツをご紹介。(ウィークエンドのDIY)
ビス止めのコツ、インパクトドライバーを使ってDIYの効率アップ
木材の組み立て作業で、現在くぎを使う機会が少なくなっていると思います。もちろん作業内によっては、いまだに欠かせない部品です。
しかし、ここでは、「くぎ」については割愛させていただいています。
最近ではDIY用の廉価版インパクトドライバーが普及していますので、多くのご家庭でインパクトドライバーを使用されていのではないかと思います。
インパクトドライバーを使うことで、作業が早くて、楽になる、大変便利な道具です。そのインパクトを使った「ビス止め作業がきれいにできるようになるコツ」についてご紹介します。
DIYのビス止めで使う木工ネジの構造と大別について
はじめに、ねじの構造について軽く触れておきたいと思います。下の図をご覧いただくと分かりやすいのですが、ネジは山(ギザギザの部分の一番外側)と谷(ネジのくぼんで細いところ)が交互にあります。
DIYで使用する一般的な木工用ビスについて
木工DIYで一般的によく使用されている木工用ビス(コーススレッド)です。
コースレッドのCADデータから見る各寸法
コースレッドを使って板を角材に固定しているモデルケース
木工用ビスは全ネジと半ネジに大別される
このギザギザに引っかけてネジが抜けないようになっているのです。そして、このネジ部がビス全体にある全ネジと、ビスの半分にだけネジ部がある半ネジがあります。
木工用全ネジをしっかり止めるのビス止め知識とDIYするときのコツ
ビス止めするときの木工用のボルト穴と下穴について
そこで、ここからがポイントです。いま上の絵では緑の部分(角材)に赤の部分(板)を固定しようとしています。
もうお気づきかと思いますが、穴の大きさが違います。緑より赤のほうが大きな穴をあけてあります。
木材では実は下穴が絶対必要ではないのですが、木材の割れ防止やしっかりとした締め付け力を得るためには、この「下穴」と「ボルト穴」が効果的です。
ボルト穴とは: 上図の板(赤い部分)にあいた穴
赤のほうは俗称「バカ穴」(あまりいい表現ではありませんがあえて表記しました。工業界では通じると感じています。JISではボルトを通す穴でネジが切られていないものを「ボルト穴」といいます。)といいます。
下穴とは: 上図の角材(緑の部分)にあいた穴
緑で示した角材にあいているのは下穴、金属加工では、この緑の下穴にタップといってネジを切る加工をおこないます。
DIYによるビス止め作業を簡略化したい場合のコツ
きれいに木材を固定するために、下穴とボルト穴を準備すると前工程が増えてしまうので、時間と手間がかかってしまいます。ですから、「あくまで基本」ととらえておいて作業内容に応じて省略して構いません。
ただしコツとして、省く場合は下穴のみ省いてほしいのです。ボルト穴を開けていないと板と角材が浮いたような状態になあることがあるからです。(全ネジを使用した場合)
ビス止めで全ネジを使用するときの「ボルト穴」の必要性とは
ボルト穴の必要性として、上記のように固定しようとしている材料が浮かないようにして、しっかりとした締め付け力を得るためなのですが、実はもう一つの大事な理由があります。
それは、「ビスが真っ直ぐにねじ込まれる」ようにするためです。
木目のスジの影響を受けビスが傾いてしまう
木目のスジが斜めの場合、ビスが傾きやすい
木工作業でビスの取り付け経験がある方は、一度は経験あることだと思います。それは、上図のように角材の年輪のスジにビスの進路が阻まれ、ビスが横にもっていかれどんどん斜めに刺さっていくこと。
なかには、スジが真っ直ぐになっている柾目の材料もあるのですが、上図のように斜めにスジが入った材料が多いものです。
ボルト穴をあけると、ビス止めするときに木目のスジの影響を受けない
ボルト穴をますぐに開けると、ビスはまっすぐにすすむ
スジが斜めになった木材にドリルでボルト穴をあける場合でも、スジの影響は多少受け少し横にもっていかれます。しかし、ビスがなすすべもなく斜めに刺さっていくのに比べ、ドリルは充電ドライバー(あるいはインパクトドライバー)に直接固定されているため角度の修正をしながら穴をあけることができます。
そして、木材にいったんボルト穴をあけることで、斜めに入ったスジの影響を受けることなく、ビスは真っ直ぐと刺さっていきます。
インパクトドライバー
キレイな仕上がりを求めるなら、下穴がDIYビス止め作業のコツ
ボルト穴をあけることで、木目のスジの影響を受けずに真っ直ぐにビスを打てることは理解して頂いたと思います。ボルト穴をあけた角材を板に取り付ける場合はそれでも十分にきれいに仕上がると思います。
ただし、特に気をつけたいのは、角材と角材を固定する場合です。なぜかと言いますと、ボルト穴をあけることでビスが最初に通る木材に対しては真っ直ぐに刺さっていくのですが、相手の木材にスジが斜めに入っているとビスが横にもっていかれ木材が横にズレてしまうことが起きてしまいます。
DIYで角材と角材を固定する作業でビス止めを行うとき
角材と角材を固定するとき、横ずれを防ぐために木材同士を万力やバイスでしっかり固定するのも効果的ですが、バイスで固定した状態で相手の木材に下穴をあけるとさらに効果的です。下穴をあけるのはちょっと手間が増えて面倒に感じますが、このひと手間がビス止めの仕上がりをキレイにするコツなのです。
材料を取付ける相手に「下穴」をあけると、キレイな仕上がり
DIYでも役立つ 木工用半ネジを使って強固なビス止めをするための知識
「半ネジ」という表現だと、ついビスの長さの半分がネジになっていると思いがちですが、実はそんなことはありません。一般的にはネジ部のほうが、ネジになっていない部分よりも長くなっています。(半ネジの全長のおおよそ6割~7割がネジ部になっているものが多い。)
「材料の厚みに適した長さのビス」を選定するのがビス止めのコツ
固定する木材のサイズにより、ビス(半ネジ)の選定をしっかり行います。
【材料の組み合わせ事例】
50ミリ×50ミリの角材に、厚さ15ミリの板を固定するとします。
この時45ミリの半ネジであればネジ部(約6割として)が約27ミリあり、ネジがない部分が約18ミリありますので、ネジ部を板が貫通して角材のみにネジ部がかかる状態が生まれます。
「材料の組み合わせ事例」での最適なビスの長さは
ビスの全長は45ミリから60ミリくらいのビスを使用できます。
ビスの非ネジ部 ≧ 固定する材料の厚み、ビスのネジ部 < 取付けする相手材の厚み
この時、「板とボルトの関係」に着目すると、ネジ部が15ミリの板を通過してしまい、板を貫通している部分のビスにはネジ部がありませんので、「ボルト穴」にネジ部がある状態と同じようになります。
適正な長さの半ネジを使うと「ボルト穴」はなくても大丈夫
上記の「材料の組み合わせ事例」の場合
45mm ≦ 適したビスの長さ ≦ 60mm
(※ここではネジ部の長さを半ネジ全長の60%として考えています。)
半ネジの長さの下限 45mm
長さ45mm以上の半ネジを使用すると、板はネジ部の影響を受けませんので、ネジ部が原因で板が浮くことはありません。(※ネジがない部分18mm)
半ネジの長さの上限 60mm
角材の厚み50mm+板の厚み15mm=合計厚み65mmとなります。よってネジが材料からはみ出さないようにするためには長さ60mm以下の半ネジを使う必要があります。(※ネジがない部分24mm)
ボルトのネジ部は「50ミリ×50ミリの角材」のみにひっかかり、15ミリの板を強力に角材のほうへ引っ張る力が掛かります。
ただし、半ビスを使用する場合は固定したい材料の厚みとビズの非ネジ部の長さの条件に注意を払う必要があります。
木工用ビス止めにて半ネジを使用する時の注意点
半ビスの非ネジ部よりも厚い材料の固定には使用しない方がよい。
例えば、50ミリ×50ミリの角材同士をビスで固定するとき、仮に、90ミリのビスを使用して固定するとします。ビスの非ネジ部を36ミリとすると、固定しようとしている角材より、ビスの非ネジ部が短いので、ネジ部が固定しようとしている角材に残ってしまい、木材の浮き上がりの原因になりかねません。(半ネジの全長90mm、ネジ部を6割とすると54mm、ネジではない部分が36mm)
つまり、半ネジを使用する場合は、非ネジ部が固定しようとする材料よりも長く、しかもビスが飛び出さない長さが理想といえます。
DIYでも、きれいにビス止めするにはちょっとした手間が大切
万力を使って材料同士を固定するのがビス止めのコツ
ビス止めする材料同士を、あらかじめ、万力等でしっかり固定した状態であれば大丈夫です。
ボルト穴を開けていない状態で、ビス止め作業をして、赤の板から、緑の角材に乗り移るときに、ビスが緑の角材から押されるような状態になってしまうからです。
それに対して、赤の板にボルト穴を開けていれば、ビスのギザギザ部分が空回りしてくれるので、赤の板から緑の角材にビスが乗り移るときに、ビスが緑の角材から押されるような力は一切かかりません。
ビスのギザギザは緑の角材とだけ、しっかりかみ合い緑の角材を赤い板のほうへ強く引っ張るような状態になります。このしっかりとした引っ張り状態を作ることで、角材と板がしっかりと固定されるのです。
下穴とボルト穴の大きさは使用するビスのサイズで変わってきます。上の例では下穴の目安は3ミリくらい、ボルト穴の目安は5ミリくらいです。
ボルト穴を加工する時、穴を大きくし過ぎないように注意点する
ボルト穴は、あまり大きく開けすぎるとビスのかかりが弱くなりますのでご注意ください。
また、金属とは違いますので、ボルト穴が山の径よりもすこしばかり小さくてもビスは、やがて空回りしてくれます。
下穴を加工する時、下穴はやや小さ目で大丈夫
下穴も谷の径よりやや小さめで構いません。あまり下穴が大きいと十分な締め付け力得られなくなります。
下穴、ボルト穴を加工するときは充電ドリルドライバーが便利
私が愛用しているマキタの充電ドリルドライバー
マキタ 充電式ドリルドライバー
ボルト穴はネジの山の径と同じ、下穴はネジの谷の径よりやや小さく
しっかり板を固定するには、ボルト穴を開けて板が浮き上がらないようにする。
ボルト穴の穴径を選定するときのコツ
ボルト穴の大きさは ネジの山の径と同じ。
角材の割れ防止などに下穴をけると効果的。
ビス止めの下穴の穴径を選定するときのコツ
下穴の径は ネジの谷の径よりやや小さめで大丈夫。
インパクトドライバーをビス止め作業で使用する時のコツ
ネジの締め付けにインパクトドライバーを使用するとき、利き腕の反対側の手はインパクトの真後ろに手をあてて、しっかり押さえつける。
短いビスを使う時はそこまでしなくても大丈夫なのですが、10cmくらいの長めのビス止め作業になると木材からの抵抗が大きくなるためインパクトをしっかり押さえ付ける必要があります。抑え込みがあまいと、ビスの頭をなめてしまいますので要注意です。
また、インパクトもノコギリと同じように最初と最後は少し力を加減することでビスをきれいに締め付けできます。ネジの頭を潰したり、ネジを深く沈ませすぎる事が無いようにするためです。それから、座ぐりを加工することで、仕上がりが、よりきれいになります。
インパクトドライバー
関連記事の紹介です。
施工法の一種になるのでが、「現合」「げんごう」ということばを聞いた事ありますか?工業関係者にとっては聞き慣れた言葉だと思うのですが、これは【現物合わせのこと】を指す言葉になります。
この「現合」について、イラストを使って説明しています。きっと、木工でも役に立つ知識だと思いますので是非ご覧ください。

最後まで読んでいただきありがとうございます!


