知らないと、何かと損をしてしまいます。知識がないと、必要以上に恐れてしまい、負の連鎖を生んでしまうことが多々あります。
エアコンに関しては、目に見えない電気代という不安材料に支配されて、せっかくのエアコンがうまく活用されていないのではないかと感じています。
今回の記事は、エアコンの電気代に関する不安を、すこしでも和らげることができたら良いなと思って執筆してみました。
エアコンを一晩つけたままだと
電気代どれだけかかるか ご存じですか?
睡眠時、エアコンを一晩つけたままだと電気代が心配?
夏の暑い夜、皆さん、どのようにして寝ていますか?夜は、エアコンを止めて、扇風機を使って眠てるという方もいるでしょうか?それとも、エアコンは使うけども、タイマーで夜中にエアコンが切れるようにして、寝ているかたもいるでしょうか?
まだまだ、「一晩中エアコンをつけていると電気代が高くなりそうで心配」というかたが多いのではないでしょうか?そんな方には、電気代を見える化することをおすすめします。実際に、電気代を計測してみると、意外とエアコンの消費電力量は多くないことに気づいていただけると思います。
今回は、我が家のエアコン、1Fリビング用2010年モデルと、2F寝室用2012年モデルを使って、消費電力量を計測してみましたので、参考にしてみてください。
消費電力量の計測について
消費電力量の計測に使用した器具:
ラトックシステム株式会社 REX-BAWATTCH1
計測したい家電を直接コンセントにさすだけで消費電流・電圧、消費電力量を簡単に計測できます。
ラトックシステム株式会社 REX-BAWATTCH1
(電気代 1kWh=25円)
真夏にエアコンの消費電力量を計測してみました。
国内においても、地域により、かなりの温度差があることは承知しています。ですから、私の計測結果は、全ての地域に当てはまるものではありませんが、ある程度は、参考にしていただけるのではないかと思っています。
エアコンを一晩つけたままにしたときの電気代を計測する目的は
今回は、「エアコンを一晩つけたままにする」ことに対する心配を少しでも和らげて頂けたらとの思いから、真夏の夜に、エアコンを一晩つけたままにして、夜間の消費電力量を計測しています。
日中の時間帯では、2時間ほど参考データも取ってみました。最初に紹介した通り、実際に電気代を計測したのは、いずれも三菱エアコンです。2010年上位モデルと2012年スタンダードモデルとかなり古めのエアコンですね。
夜間のデータ計測における設定条件については、
工場勤務50代男性の健康を最優先した設定温度
昼間、工場に勤める50歳台の私が、自身の健康を最優先して実施しているエアコン活用法に基づいたもの
昼間の工場勤務でバテないように温度高め | |
夏バテ防止を意識した設定温度(夏バテ防止モード) | |
調整運転時間 | 初期条件の調整運転 |
22:00 ー 23:30 | 28℃ |
電気代の計測時間 | 設定温度 |
23:30 ー 5:30 | 29℃ |
熱中症対策として推奨される設定温度
近年では、熱中症対策として、一般的な設定温度として推奨されている26℃の2パターンで計測しています。
熱中症対策として推奨される設定温度(熱中症対策モード) | |
熱中症対策として推奨(※換気をするため温度低め) | |
調整運転時間 | 初期条件の調整運転 |
22:00 ー 23:30 | 28℃ |
電気代の計測時間 | 設定温度 |
23:30 ー 5:30 | 26℃ |
※ただし、電気代を計測する時は換気していません。
三菱エアコン2010年&2012年モデルの実力は?
夜の10時から、翌朝の6時を目安に消費電力量を計測してみると、以下のような結果となりました。2台とも年式は古いエアコンではありますが、かなり消費電力量が少ない結果となりました。
設定温度を26℃にしてスタンダードモデルでも約23円、上位モデルでは約17円
しかし、
設定湿度が調整可能な上位モデルでは
設定湿度60%にして一晩エアコンを使用した場合は約37円、設定湿度70%にして一晩エアコンを使用した場合は約4円であり、電気代は約9倍の違いがあるという結果になりました。
また、スタンダードモデルで一晩エアコンを使用した場合は約13円であったため、上位モデルとはいえ設定湿度を60%(設定湿度を下げる)にすると、消費電力量はスタンダードモデルよりも増える結果となりました。
上位モデルエアコン 設定湿度の違いによる比較
※風向設定は違っています。
「電気代を安く抑えたいから、冷房モードではなく除湿モードを使っています。」という方があなたの身近にいたら、是非教えてあげてください。『エアコンの除湿モードは、冷房モードよりも、はるかに電気代が高くなる(消費電力量が増える)』ということを。
今回のテストでは、初回の計測時に、湿度の設定をたまたま60%にしていたのですが、スタンダードモデル(スタンダードモデルには湿度設定機能はありません。)よりも悪い結果が出たことから、いろいろとテスト条件を変えて、テストすることとなりました。
設定湿度を70%に設定しても、特に不快さを感じることもありませんし、テスト終了時の湿度データからみても、スタンダードモデルでは、おおむね設定湿度は70%であろうと推測できます。
エアコンの電気代計測結果の要約
8時間(22‐6)エアコン使用時の電気代を比較 | ||
エアコンを一晩つけたときの電気代 | ||
設定条件 | スタンダードモデル | 上位モデル |
設定湿度による比較 設定温度:29℃(28℃) | ||
設定湿度60% 夏バテ防止(29℃) | ー | 37円 |
設定湿度70% 夏バテ防止(29℃) | ー | 4円 |
設定湿度:70%※2 設定風速:弱モード | ||
設定温度 夏バテ防止(29℃) | 13円 | 4円 |
設定温度 熱中症対策(26℃) | 23円 | 16円 |
設定湿度:70%※2 設定風速:静音モード | ||
設定温度 夏バテ防止(29℃) | ー | 7円 |
設定温度 熱中症対策(26℃) | ー | 17円 |
昼間の1時間エアコン使用時 設定湿度:70%※2 | ||
設定温度:28℃ 設定風速:弱モード | 8円 | 5円 |
※:電気代は計測値の小数点以下を切り上げて表示
※2:室内の湿度測定値よりスタンダードモデルの設定湿度は70%であると推測しています。
2010年上位モデルエアコン 1階 6.5畳リビング
上位モデルエアコン 設定温度の違いによる比較
上位モデルエアコン 設定風速の違いによる比較
上位モデルエアコン 電気代の計測データ
上位モデルエアコン 温度の計測データ
2012年スタンダードモデルエアコン 2階 6畳寝室
スタンダードモデルエアコン 設定温度の違いによる比較
スタンダードモデルエアコン 電気代の計測データ
スタンダードモデルエアコン 温度の計測データ
計測時間について
8時間の消費電力量を計測しています。
エアコンは計測を始める、少なくとも1時間前には設定温度28度でつけて、室温を安定させた状態からスタートしています。
これは、出来るだけ正確な比較が行えるようにするための配慮として行っています。8時間の睡眠を基準にしていますが、私は通常の使用では、寝る前に設定温度を上げるようにしているため、計測をスタートして、約2時間後に設定温度を変更しています。
睡眠時の設定温度について
以前わたしは、設定温度26度で寝たりもしていました。しかし、冷えすぎから、体調をくずした経験があり、いろんなパターンを試した結果、現在の設定温度にしています。
ちなみに今回のテストでは、設定温度26度で消費電力量を計測しているときは体調管理の面から別の部屋で寝ています。
居住環境による設定温度の差
熱帯夜が続く都市部に比べ、比較的涼しい非都市部とでは、同じ設定温度でも実際の室温はかなり違っていると想像できます。ですから、設定温度はあくまで参考として実際の室温をベースとして、自分に合った設定温度をみつけてはいかがでしょうか。
マスコミがアナウンスするエアコンの設定温度について
最近のマスメディアでは盛んにエアコンの設定温度を26℃と声高に伝えていますが、少々偏った報道のように感じています。マスコミは、ある事象が発生した際、そのことだけに焦点を当ててしまう傾向にあると感じています。
今回は熱中症について、随分と偏った報道のように感じています。事実、自宅で設定温度28度であっても、実際の温度はそれよりも低いことがあり、寒く感じることさえあります。
また、
真夏の日中、エアコンの電気代はいくらかかるのか
こちらは参考データとなります。日中の2時間づつ、設定温度は28℃にて計測しています。個人的な感想として、我が家の条件では28℃設定でも十分涼しく感じます。
日中の1時間エアコン使用による電気代の比較
日中のエアコン使用による比較 電気代の計測データ
日中のエアコン使用による比較 温度の計測データ
まとめ
今回のテスト結果より、一晩エアコンをつけたままにしておいても驚くほどの電気代にはならないようです。
エアコンはタイマーを使って夜中に寝苦しい思いをするくらいなら、朝までエアコンを効かせたほうがコストパフォーマンスが高いとおもいます。もちろん、昼間も連続使用した場合はそれなりの電気代になるとはおもいます。しかし、「夜間にタイマーでエアコンを切ったからといってさほどの節電にはなっていない」ともいえるからです。
せっかくエアコンを設置していながらも、あまり活用していない方が、いまだに多いように感じています。この記事を見て頂ければ、夜間にエアコンをつけたままにしておいても、驚くほどの電気代はかからないことを分かっていただけるのではないでしょうか。(カタログでは日本メーカーのスタンダードモデルではエアコンの省エネ性能を表すAPFがほぼ同じです。)
但し、エアコンの活用法で随分と消費電力量に違いが出てくることはご承知いただきたく思います。おそらく、以前の私がそうであったように「冷房よりも除湿の方がなんとなく電気代がかからないであろう。」と思い込んでいるかたが結構いるのではないかと思います。
今回のテストからも分かるように、湿度の設定は温度設定よりも消費電力量に影響を及ぼすようですので、ご自宅のエアコンの設定をよくご確認いただくとよろしいかと思います。また、機会がありましたら、一度ご自宅のエアコンの消費電力量を、計測してみることをおすすめ致します。
簡単な記事ではありますが「ほんのり豊かに、快適に暮らす」ためのヒントなりましたら、幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
「どこのメーカーのエアコンがよいのか迷っている」そんな方におすすめしているのが三菱エアコン
エアコンによる暖房と内窓の効果についての記事となります。
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