誤解のないようにしてほしいのですが、内窓を付けたから部屋が暖かくなるのということはありません。なぜなら、電気、灯油、ガスなどのエネルギーを使って加熱しない限り部屋が暖かくなることは期待できないからです。
内窓とは、いずれかのエネルギーを使って温めた部屋の温度が下がりにくくするためのものだということです。つまり、お風呂の場合、エネルギーを使って温めたお湯が浴槽に溜まり、湯船のお湯が持っている熱エネルギーで浴室の空気があたためられます。
そして、湯船のお湯やシャワーの熱で温められた浴室の空気は、やがて窓から外気に熱を奪われていきます。しかし、内窓をつけると外気から熱を奪われにくくなるため、あったまった浴室の空気が冷めにくくなるのです。
ですから、内窓の取付けは「あったかお風呂」への第一歩だということです。さあ、はじめてみませんか? あったかお風呂生活!
LIXIL インプラス浴室仕様「タイル納まり」内窓を取り付けてみましょう。
注文した「LIXIL インプラス浴室仕様」のお届け
内窓 LIXILインプラス浴室仕様をご注文する際の注意点についてまとめた記事がありますので、興味がある方はご覧ください。
インプラス浴室仕様のカラーバリエーションについて
インプラス浴室仕様では、「ホワイト」と「プレシャスホワイトP」の2色から選ぶことができます。
ホワイトはダストバリア仕様となっていますが、プレシャスホワイトPはダストバリア仕様となっていません。
ダストバリア仕様とは
表面に静電気を帯電させないようになっているためホコリを寄せ付けにくく、汚れが付着しにくいので、窓辺はいつもスッキリ。お掃除もグンとラクになります。(特許)
リクシルHPより引用
通常のインプラスではショコラコーデG、キャラメルウッドG、ニュートラルウッドG、ライトウッドG、ライトグレー、ホワイトの6色
インプラス for Renovationではブリュームメタルグレー、チーク、チェリー、ライトオーク、4色があります。
注文したインプラス浴室仕様の内容とは
注文したインプラス浴室仕様のサイズは 高さ 1291mm 幅 1740mm です。水たまり防止部材や平板(調整材)は注文していません。
インプラス浴室仕様の納品明細書
届けられたインプラス浴室仕様の状態とは
前回、リビングの内窓としてLIXILインプラスを注文したYahooショップのノース&ウェストさんに今回も注文しました。
2022.10.04 に注文を受け付けて、祭日を挟んで9日目の2022.10.13 に発送して頂いています。
商品はワレモノの重量物であるため取扱に注意が必要
さすがに40キロとなると商品を届けるトラックドライバーさんを疲弊させる重さといえます。注文される窓の大きさにもよりますが、ガラス窓であるため樹脂フレームといえかなり重いといえます。
注文してからお届けまでに時間がありますので、その間に荷物の保管場所を確保しておいた方がよいでしょう。
お届け荷物のタグ 商品重量は40kg
荷物の梱包状態は
前回と同様、荷物の梱包はしっかりとしていて安心感があります。非常に丁寧な印象を受けます。
お届け時の荷姿
インプラス浴室仕様の梱包状態
上の写真のように、角部のつぶれ防止対策がなされています。
お届け品の内容
細長い箱には、右の縦枠1本、左の縦枠1本、上枠1本、下枠1本、枠の固定用フィッシャープラグと皿タッピンねじΦ4×30が用意されています。
そして、コーキング剤(白)も同封されていてちょっと嬉しく感じました。
お届け品の内容
しかし、個人的に白のシリコンコーキング剤は汚れが目立ちやすいという印象をもっているため、枠の角部とフィッシャープラグに使用しています。
通常のLIXILインプラスに興味がある方へ
リビングの出窓にインプラスを取付けの様子をまとめた記事はこちら LIXILインプラス(内窓)発注から取付けまで DIY
LIXIL インプラス浴室仕様 の取付け作業
内窓といってもいろんなタイプがあり、取り付け方法もいろいろあります。そのなかでも「タイル納まり」タイプの内窓は取付け難易度がかなり高いのではないかと思っています。
しかし、いったんモノが揃えば、あとは、枠を取付けるだけとも言えるのです。それでは、これから私の失敗経験談も交えながら、LIXILインプラス浴室仕様の取付け方をご紹介したいと思います。
インプラス浴室仕様タイル納まり取付け説明書はこちら
浴室の内窓取付け開口部
プロモーション |
枠の取付け インプラス浴室仕様「タイル納まり」
まずは、届いた軽くて細長い荷物の中から枠(樹脂フレーム)を取り出してみましょう。枠は右用の縦枠、左用の縦枠、上枠、下枠の4種類となっています。
枠の向きを間違えないようにしましょう。
下写真のように、4種類の枠にはそれぞれ「室内側を示すシール」が貼ってあります。そして、縦枠は矢印で示すように上下方向も決まっています。
「室内側」のシール
シールの位置を確認する
下イラストのように「室内側」というシールがすべての枠に貼ってあります。枠を正しい位置に配置した状態では、室内側から4つのシールが見える状態となります。
縦枠の切り口(断面)の形状 シールの位置
上枠・下枠の切り口(断面)の形状 シールの位置
縦枠の取付け位置を決める
タイル張りの浴室にタイル用ドリル、あるいはコンクリート用ドリルで穴をあける作業がありますが、もしも振動ドリルをお持ちであれば比較的苦労することはないのかもしれません。しかし、通常のインパクトドライバーにドリルビットをつけて作業するとなると穴あけはかなり大変な作業となるでしょう。
私の個人的な意見としては、タイルに穴をあけてタイルが割れるリスクを出来るだけ避けるのが得策だと考えています。また、上枠の穴あけは作業姿勢が悪く力が入りにくいため最も難易度が高いのではないかと思っています。これらのことを考慮して上枠の穴位置をタイルの目地に合わせることをおすすめします。
インプラス浴室仕様の場合、下イラストのように左右の縦枠を固定する穴位置が室内側と外窓側へと違う方向へズレていますので注意が必要です。
インプラス浴室仕様の上下枠、左右の縦枠は穴位値が違う
縦枠を開口部に仮合わせ
開口部に縦枠を仮合わせます。このとき、縦枠が特に撓んだりしないようであれば問題なく取付け作業に取り掛かれます。
開口部の奥行にゆとりがあるようでしたら上枠と下枠のセンターをタイルの目地に合わることで穴加工が幾分やり易くなるのではないかと思います。必ずしも上枠と下枠のセンターがタイルの目地に来ないと穴加工できないという訳ではありませんので、あくまで目安にしてみてはいかがでしょうか。
下枠の位置を決めたら、マスキングテープなどで下枠の位置を目印してから縦枠の取付け位置を決めると分かりやすくなります。
縦枠を仮合わせ
参考事例 先に下枠をビスで仮止めして位置決めする
メーカーの取付け説明書には、縦枠⇨上枠⇨下枠の順で枠を取付けていくようにあります。これは、他の内窓と共通した手順なのでもちろん間違いありません。ただし、コンクリートに穴をあける作業では経験上「位置ズレ」をおこしやすいので、比較的に加工しやすい下枠の穴位置をタイルの目地に合わせて先に加工するという方法です。
コンクリートの穴あけでは位置がズレやすい
もしも、この方法で先に下枠の穴を加工する時は左右の縦枠をマスキングテープなどで仮配置した状態で下枠をはめ込んでから穴加工するようにします。また、すべての穴をあける必要な無く両端を仮止めするようにします。
仮止めするにはフィッシャープラグを取付ける必要があるため、両端の穴を開けたあと一度下枠を取り外し、穴にコーキング剤を充填しフィッシャープラグを取付けます。その後、下枠を仮止めします。
下枠が固定されると縦枠の位置がハッキリと決まる
下枠が固定されていると縦枠はきっちりとはまり込んだ状態となっているため左右にズレることはありません。
取付け説明書のように、枠の穴位置をケガいてから穴を開けてうまくいくことも勿論あります。しかし、なかなか理想通りにならないことがあるため、枠にあけられた穴を「位置決めガイド」のように捉えている加工法(現合による穴加工)になります。
縦枠の立ちを合わせる
まず、縦枠の一番下の穴を加工します。次に縦枠の一番上の穴を加工します。この時に水平器を使って縦枠が垂直になるように調整する。あるいは開口部からの寸法を上下で同じになるようにする。あるいは外窓の窓枠からの距離を上下で同じにする。いずれかやり易い方法で構わないのですが、「上枠の穴を目地にあわせるようにしたい」ときはタイルの施工状態を確認してから判断した方がよいでしょう。
上枠の取付け位置はおのずと決まる
左右の縦枠の位置が決まれば、上枠は左右の縦枠にはめ込むため取付け位置はおのずと決まってきます。「結果的に上枠の穴位置がタイルの目地の位置にくるようにする」ために考えた加工手順となっています。
下枠の残りの穴をあける
縦枠、上枠はコンクリートに穴をあけコーキング剤を充填してフィッシャープラグを取付け、フィッシャープラグの中にコーキング剤を充填してからビス止めするところまで終わっています。下枠は残りの穴を全てあけた後一度取り外します。フィッシャープラグを取付け、フィッシャープラグの中にコーキング剤を充填してから最終的に取り付けを完了します。
仮止めした下枠に縦枠を当てて穴加工
縦枠のスポンジ材の形状で縦枠の上下を確認する
下イラスト(ピンクで強調していますが、実際には白色です)のように、縦枠の下端には真っ直ぐなスポンジ材が貼ってあります。
いっぽう、縦枠の上端にはレールの形状に合わせたスポンジ材が貼ってあります。
縦枠の上側と下側 でスポンジ材の形状が違う
縦枠が長すぎた場合の対処は
内窓の注文時に取付ける開口部を採寸するのですが、おそらく計測時に水勾配を意識してなかったために縦枠がつかえたのだと思います。下の写真のようになってしまうと正直びっくりしますよね。私は冷静さを失い縦枠の上下を間違って施工することになってしまいました。
しかし、もしも縦枠が長すぎても落ち着いて対処しましょう。最終的にコーギング材でシールしますので縦枠をカットしても何も影響はありません。ご安心ください。
縦枠が長すぎて浮いてしまった状態
樹脂フレームは簡単にカットできます。
縦枠を水勾配に合わせカット
枠は樹脂製であるため、樹脂用のノコギリで簡単にカットできます。下写真のように、ノコギリガイドを使うと切断作業がキレイに行えます。
縦枠をカットする際は水勾配を意識して斜めにカットします。
縦枠をカットする前に、もう一度縦枠の上下を間違っていないか確認しましょう。もしもカットする場合は縦枠に「まっずぐなスポンジを貼ってある」ほうです。
それから、縦枠をカットするときに表面にはスポンジが貼ってあるため裏返してからケガくことになると思います。そのため水勾配の向きを間違っていないか(裏返しでカットする場合、水勾配は逆になる)もう一度確認してからカットしましょう。
縦枠を水勾配に合わせカットした様子
私の失敗事例
下写真では、縦枠の上側にあるべきスポンジ材(レール形状のもの)が下側にきていて、しかもスポンジ材がちぎれています。
水勾配の影響で、縦枠がキレイに納まらず湾曲してしまったためにプチパニックとなった精神状態で縦枠のカット作業を行ったことによる失敗です。
それから、「室内側」シールをよく確認せず、しかも「スポンジ材の形状はレールの形のはず」という思い込みが引き起こした失敗です。
ちぎれたスポンジ材(縦枠が上下逆になってる間違い)
苦労してタイル(コンクリート)に穴あけが終わった頃に間違いに気づいたため、そこからやり直す気力がなく、いったんそのまま仕上げることにしました。
縦枠を先に取付けて、下枠、上枠を後から取付ける
縦枠は上枠と下枠よりも幅が広くなっています。そして、下写真のように取付け開口部の隅では縦枠に上枠と下枠を入れ込むように設置します。
縦枠の中に下枠を入れ込む
その際、縦枠の上端と下端に貼ってあるスポンジ材に上枠と下枠が接することで気密性を保つ構造となっています。
穴あけ作業のコツ 「タイル納まり」内窓の枠を固定する
この作業を言葉で表すと、「タイルに穴をあけて、枠をネジで固定する」といういたってシンプルな表現となってしまいますが、ここが最難関の作業だと思います。タイルの下地である「モルタル層の厚み」と「穴あけの深さ」の関係で作業がスムーズにいくこともあるし、上手くいかないこともあります。
ドリルの準備
付属のフィッシャープラグを挿入するにはΦ5mm穴をあけなくてはいけません。まずは、以前に使用したタイル用のドリルビット(Φ3.5mm)を下穴用として使用します。そしてΦ5mmの穴は、以前コンクリーの穴あけで苦労した経験があるので、今回は振動ドリルにも対応するタフなドリル(js-5.0)を選んでみました。
コマドリル コマ 磁器タイル用充電ドリルビット JC-3.5
充電ドリル(インパクト)用・回転ドリル用
適合材:磁器タイル・内装タイル・陶器タイル・瓦
穴あけ可能:大理石・ALC・石膏ボード・ブロック
コマドリル コマ 振動用充電ドリルビット JS-5.0
充電ドリル(インパクト)用・振動ドリル用
適合材:コンクリート・ブロック
穴あけ可能:石膏ボード・モルタル・瓦
以前、浴室に手すりを2つ追加して取り付ける際、浴室のコンクリート部の穴あけで苦労したのでタフな【振動ドリル対応】を選んでみました。また、瓦にも対応していたのでタイルの割れもさほど心配することはないと考えました。
JC-3.5 と JS-5.0
以前、浴室に手すりを取付けるときに使用したドリル
写真左は充電ドリル(インパクト)対応で六角ビットのワンタッチ取付けタイプ。写真右は磁器タイル用ドリルで回転ドリル対応になっています。
磁器・タイルに対応したドリルは回転ドリル(六角ビットではないのでインパクトでは使用できません)に適したものが多いように感じます。
前回使用した磁器タイル用ドリル
ドリルの深さを目印
取付け説明書によると、フィッシャープラグを差し込むための穴をΦ5mmのドリルであけ、穴の深さは25~30mmとするように書いてあります。ですから、下写真のようにマスキングテープで30mmの位置に印をしています。
穴あけドリルの深さをマーキング
穴あけ加工の注意点
穴あけ加工も、モノづくりの基本作業の一つです。一見すると簡単に思えるのですが、意外と落とし穴があったりします。もちろん、図面寸法通りに穴をあけて部品がキレイに取付けられるのが理想であり、上手く納まるときもあります。しかし、現実にはいろんな要因が重なり、理想通りにいかにことがあるのです。
モルタルの厚みとドリルによる穴あけ
お風呂の施工状態によって穴あけ加工の難易度が変わってきます。もしも、モルタル層がある程度厚めであれば穴あけ作業は比較的スムーズに行えると思います。しかし、モルタルが薄くてすぐにドリルがコンクリートに達した場合、下イラストのようにドリルはコンクリートに含まれる砕石に当たり、行く手を阻まれたり、ドリルを横に流されたりすることがあり作業が難航します。
モルタルの下にあるコンクリート層には砕石がある
取付け説明書による「縦枠の位置出し」
取付け説明書によると、「縦枠の位置出しは既存サッシからの距離を均等にし、開口部に縦枠をあて、縦枠にあいている穴に合わせて下穴をケガキます。」
つまり、こちらもケガキをつかった「現合による穴加工」になるのですが、もしも、ケガキを使った方法で穴加工をする場合、ケガキ作業の途中で枠が動いて穴がズレることがあります。ですから、枠が動かないように、枠をテープでしっかりと固定してからケガキ作業を行いましょう。
加工現場の「穴あけ加工」ノウハウとは
最初に位置決めした枠の状態で、すべての穴位置をケガき、枠をよけて全ての穴をあけるというのが、取付け説明書のやり方なのですが、
コンクリートへの穴あけでは砕石の影響を受けてドリルが横に逃げることがあり、どうしても穴位置がズレやすい傾向にあります。
そこで、例えば一つの枠に穴が5つあったとします。その場合、イラスト解説の①~④で枠の一カ所を固定して、⑤~⑧でもう片方の端を固定します。すると枠の両端を固定した状態となり、もう枠が動いてしまう心配はなくなります。あとは、間にある残り3カ所の下穴をあけます。
枠の取付け作業工程 イラスト解説
心配性の方にはこちらがおススメ
取付け説明書のように、最初に枠の穴位置にケガキをおこなってからすべての穴加工をおこなった場合、うまくいくときはうまくいくと思います。
しかし、コンクリートに含まれる砕石等の影響でドリルがケガキの位置からズレるがことが考えられます。そこで、多少時間はかかりますが、手堅く仕上げるための工夫として「仕事で行う現合加工法」をアレンジして紹介しています。
この方法でなくては取付けできないというものではなく、あくまで取付け手法の選択肢の一つとして参考にしてみて下さい。
コンクリートへのネジ取付け手順イラスト解説 ①~④
イラスト解説 ① 下穴をあける
枠の固定に使用されるネジとして 皿タッピンねじΦ4×30 が同封されています。そして、フィッシャープラグを入れるためにΦ5mmのドリルで下穴をあけるように指示されいますが、いきなりΦ5mmの穴をあけるよりも少し小さめのドリルを使った方が比較的楽に穴をあけることができます。
Φ3~3.5mmくらいのドリルであれば、枠にあいてる穴よりも少し小さいため、穴から直接ドリルを通すことで、枠の穴がドリルの「位置ズレ防止」としての役割も果たしてくれます。(ただし、金属とは違い樹脂は柔らかく、横方向に強い力が掛かると、樹脂の穴が広がってしまいますので注意が必要です。)
現合でタイル(セメント)に下穴をあける
イラスト解説 ② Φ5mmの穴をあける(フィッシャープラグ用)
イラスト①では、枠を合わせた状態のままで、枠の穴からドリル(約3mm)を通すことができましたが、Φ5mmのドリルは枠にあいている穴よりも大きいため、いちど枠を外してから、穴あけ作業を行います。
イラスト解説 ③ フィッシャープラグの取付け
Φ5mmのドリルであけた穴にシリコーンコーキングを詰めます。そして、フィッシャープラグを埋め込むときは、プラスチックハンマーあるいはゴムハンマーをお使い下さい。
穴あけ後、穴にシリコンコーキングを詰める
フィッシャープラグを差し込む
フィッシャープラグを差し込み、余分なシリコンをふき取り
イラスト解説 ④ 皿タッピンねじの固定
最終的に固定する際は、フィッシャープラグの中にシリコーンコーキングを詰めます。そして、皿タッピンねじで枠を固定します。
しかし、ここではまだ「仮止め」となりますので、ここではフィッシャープラグの中にシリコーンコーキングは詰めないようにします。
皿タッピンねじの締め付け
インパクトドライバーも機種によっては締め付け力をある程度調整できるものもありますが、充電ドリルドライバーなら締め付け力を細かく微調整できるので安心です。
充電ドリルドライバーで締め付け力を調整
枠の取付け(穴加工)手順 イラスト解説⑤~⑧
イラスト解説 ⑤ 枠の両端を固定するため、下穴をあける
イラスト①~④で最初に端の穴位置でネジを締め付け枠の片方を固定します。イラスト解説⑤では、もう片方の端を固定することで枠が動かない状態にしようとしています。
イラスト⑤で約3mmの下穴をあける時、①~④で固定した反対側の穴付近での「既存のサッシ窓と枠との距離」と⑤で穴をあけようとしている付近の「既存サッシの窓と枠との距離」が同じになるように枠の取付け位置を微調整します。
イラスト解説 ⑥ 枠を一度外して、Φ5mmの穴をあける
イラスト⑤では約3mmのドリルで穴をあけているため、枠は外さずそのまま穴をあけることができました。しかし、枠固定用の穴よりΦ5mmのドリルほうが大きいため、イラスト⑥では枠を外さないとΦ5mmの穴をあけることができません。
イラスト解説 ⑦ フィッシャープラグの取付け
この時、コンクリートの穴にシリコンコーキングを詰めてから、フィッシャープラグを差し込みます。
イラスト 解説⑧ 枠の残りの穴位置に、現合により下穴をあける
イラスト⑦で枠の両端にフィッシャープラグが取付けられたため、枠をしっかり固定することができできます。これで、残りの穴の「現合による穴加工」をおこなうときに穴位置がズレる心配がありません。
枠の取付け(穴加工)手順イラスト解説 ⑨~⑪
イラスト解説 ⑨ Φ5mmのドリルで穴をあける
枠を固定していたネジを外し枠を取り外します。そして、イラスト⑧であけた下穴をΦ5mmのドリルで再加工してフィッシャープラグを入れるための穴をあけます。
イラスト解説 ⑩ すべての穴にフィッシャープラグが付く
⑨でコンクリートにあけた穴にシリコンコーキングを詰めてからフィッシャープラグを差し込みます。これで、枠を固定するためのすべての穴にフィッシャープラグが備わります。
イラスト解説 ⑪ すべての皿タッピンねじを締め付け枠を固定
「枠をつけたり」、「枠を外したり」を繰り返すため面倒な作業となります。しかし、その甲斐あり、枠を全ての皿タッピンねじで確実に固定することができます。
「穴あけ加工」作業の様子
下穴用Φ3.5mmのJC₋3.5を回転ドリルに取付け、フィッシャープラグ取付け穴Φ5.0mmようにJS₋5.0をインパクトに取付けています。ドリルの取り換えの手間もないので作業をスムーズに行えます。
穴あけ加工の様子
痛恨のミス
下枠と縦枠(上下逆さまのミス)の穴位置は通りが違う
上枠と下枠は枠の中央に取付け穴がありますが、縦枠は枠の中心から左側にズレています。下写真は室内側から内窓をみて右側の縦枠の取付け場所なのですが、水勾配の調整のため間違って上側をカットしてしまいました。
上下逆さまの状態で穴あけの現合加工を行っていたため、縦枠用の穴がタイル目地の右側になってしまいました。気づくのが遅く、穴あけ作業の騒音と気力の問題で手直しは日を改めて行うことにしています。
※現在はサッシにスポンジ系のシール材を貼ってスキマを塞いでいますが、特に問題ないようです。
シリコンコーキングで枠のスキマを埋める
浴室の壁に30mmの深さの穴をあけるのですが、コンクリートの硬い砕石と苦闘していると勢い余って貫通してしまうことがあります。なるほど、取付け説明書で「コンクリートの穴にシリコンコーキングを充填してからフィッシャープラグを挿入する」ように指示していることが腑に落ちます。
作業のポイント
タイル張りの壁に穴をあけた場合は、浴室の湿気対策としてシリコンコーキングを詰めてからフィッシャープラグを施工することをおすすめします。このシリコンコーキングにより浴室からの湿気の漏れが防ぐことがで、湿気による建材の腐食を防ぐことができると思います。
また、枠の裏側に湿気が入り込まなように、枠の周囲も入念にシリコンコーキングを施工することが重要だと思います。湿気が入るとカビの原因になりますので注意が必要です。
窓枠にシリコンコーキングを施工する時の注意点
シリコンコーキングを窓枠のようなひとつながりの場所に施工する場合、枠を「口の字を一筆書き」するような感覚で行うと、いろんな面で無理が生じます。
作業のポイント
「縦のラインの施工」のあと、時間差をあけてから「横のラインの施工」を行うようにすると作業がスムーズに行えます。
縦を先にするか、横を先にするかは好みでどうぞ。
シリコンコーキングを行うときのコツをまとめた記事になります。興味がありましたらご覧ください。DIYで役立つシリコンコーキング
まずは縦枠にシリコンコーキングを施工
シリコンコーキングの施工では、シリコンをヘラもしくは手(ビニル手袋使用)で整えた後はすぐにマスキングテープをはがします。
マスキングテープを貼って縦枠へのシリコンコーキング
次に、横枠(上枠、下枠)にシリコンコーキングを施工
縦枠に施工したシリコンは1時間もすると表面が乾きはじめ薄い膜ができます。そうなれば、横のシリコンを施工するためのマスキングテープを貼ることができます。(シリコンが十分に乾いたかが心配で、しかも時間的に十分に余裕がある人は半日も放置すると十分だと思います。)
マスキングテープを貼って上下枠へのシリコンコーキング
シリコンコーキング施工完了
今回は、内窓リクシル浴室仕様と一緒に白のシリコンコーキング剤が同封されていて嬉しく大変驚きました。しかし、白色のシリコンコーキングは汚れが目立つため、枠とタイルとの境目には防カビ剤入りのライトグレー色のシリコンコーキングを用意しました。
枠の周囲にシリコンコーキング完了
ライトグレー(防カビ剤入り)シリコンコーキング
マスキングテープを使うと、「シリコンコーキングの境目」が際立ち、仕上がりがキレイになります。
ライトグレーのシリコンコーキング
既存サッシとタイルにもシリコンコーキングを施工
内窓の枠の周辺をしっかりコーキングすることはもちろん大切なのですが、既存サッシの「きわ」も必ずチェックしましょう。
我が家の場合、既存サッシとタイルのスキマを埋めるモルタルが痛んでいました。そんな場合は、既存サッシとタイルの「きわ」にシリコンコーキングを施工しておくと安心です。結露等の水分が、モルタルの痛んだ部分から染み入ると建材の腐食を誘発する可能性がありますので、しっかりと対策をしましょう。
既存サッシとタイルの境にシリコンコーキング
LIXIL インプラス浴室仕様 サッシの詳細は
私が選んだのは、板厚4mmの板ガラスをもちいたインプラス浴室仕様です。樹脂製のサッシですが、結構な重量感があり、たいへんしっかりしています。
下の写真から分かるように、上枠レール、下枠レールそれぞれに接する部分にはゴム製のシール材があり気密性をアップする工夫がなされています。
インプラス浴室仕様のサッシ上部 框上部の赤いピース
サッシの最上部にある赤いピースは、サッシの取付けが正常な状態にあるかを判断するための目印となります。取付けした枠のレールにサッシをはめ込み、サッシの赤いピースの位置と同じ高さから見た時、上枠から「赤いピースが見えなければ正常です。」
もしも、赤いピースと同じ高さの目線で見た時に、赤いピースが見えるようでしたらサッシが外れる恐れがありますので、サッシ戸車の高さ調整を行うか、もしくは下枠の下に調整材を入れて高さの調整をする必要があります。
インプラス浴室仕様のサッシ上部
インプラス浴室仕様のサッシ下部(戸車と戸車調整穴)
下写真はサッシを上下逆さまにした状態のものです。やはり、レールを挟みこむようにゴム製のシール材が備わっています。
インプラス浴室仕様のサッシ下部
サッシの高さ調整
写真中央部にあるプッシュボタン(ゴム詮のようなもの)を外すと中に小さい⊕ネジがあります。細めのプラスドライバーを差し込み右に回すとサッシは上がり、左に回すとサッシは下がります。
「戸車調整ネジの回転方向」と「サッシの上下調整」
インプラス浴室仕様の取付け完了
内窓の取付け作業は基本的にはシンプルです。枠を固定出来ればほぼ完成といえます。インプラスやプラマードなどの通常の内窓を取付ける場合、ふかし枠の追加などなければおそらく1時間もあれば完成できると思います。
しかし、これが浴室仕様の内窓取付けとなると結構時間が掛かるでしょう。特に「タイル納まり」の内窓であれば、穴あけ作業は慎重にもなるし、わりと力仕事の部類かと思います。
インプラス浴室仕様 昼間の様子
インプラス浴室仕様には2色のカラーが用意されているのですが、いずれもホワイト系となっています。我が家の浴室は淡いパステル調のイエローの浴槽とタイルで統一されているため、インプラスとの相性も良いのではないかと思っています。
実は、既存サッシの色が黒に近いダークブラウンであるため、内窓もブラウン系にしたいと考えていました。それで、一瞬頭によぎってしまったのは、「ブラン系の通常のインプラスを浴室につけちゃえ」でした。
しかし、そんな無謀なことをしなくてよかったと本当に思っています。なぜなら、浴室仕様の内窓は通常の内窓と作りが違い、浴室という湿気の多い特殊な環境で断熱効果を高める工夫がなされているからです。
インプラス浴室仕様の取付け完了
浴室用内窓インプラスにブラインドを組み合わせると効果的
奥行30cmの出窓に内窓を付けているので、既存サッシと内窓の間の空間は約20cmと広くとっています。その空間にブラインドがあるという状態となっていますので、ブラインドの開閉を操作する場合は、いちど内窓をあけてからブラインドを操作するようになります。
インプラスには複層ガラスの内側にブラインドを内臓したタイプが用意されています。サッシフレームにあるつまみをスライドさせることでブラインドの開閉を操作できます。ただし、通常のブラインドのように巻き上げる機能はありません。
インプラス浴室仕様 昼間の様子
インプラス浴室仕様 夜の様子
夜間に正面から見た写真では、内窓の板ガラスは意外と透明感があるように感じてしまいます。しかし、ちょっと角度を変えて見ると、ある程度の目隠し効果はありそうです。でもやはり心配と感じるようであれば、ブラインド内蔵のインプラス浴室仕様にするか、私のように樹脂製のブラインドを既存サッシと内窓の間に付けるのもよいでしょう。
カビ予防には換気が大事
インプラスのホワイトはダストバリア仕様となってはいますが、油断をするとカビが心配ですのでしっかり換気をしたいですね。我が家の浴室には開閉可能な換気口があるお陰だと思うのですが、以前暮らしていたアパートの浴室よりもカビが生えにくいように思います。夏の間は換気口を開けっ放し、冬は浴槽にお湯を張るときに換気口を閉めて、お風呂から上がるときに換気口を開けて、換気扇を回すようにしています。
換気口 + 換気扇 + ブラインド + インプラス浴室仕様
クレセントで気密性アップ
内窓のクレセントにも、もちろん防犯効果はあるでしょう。しかし、どちらかというと2枚のサッシの気密性を高めるためのツールのような感じではないかと思います。引違い戸の重なり部分にはゴムのひだのようなものがあり、スキマを塞いでいるようですのでクレセントがなくてもほとんど支障はないようにも感じます。(クレセントでしっかり締めると、気密性は高まるはず。)
インプラス浴室仕様のクレセント
インプラス浴室仕様の板ガラス
まとめ
これまで、リクシルのインプラス、YKKapのプラマードと通常の内窓の取付けを行っています。今回は初めて浴室仕様の内窓をつけてみたのですが、予想通りタイル(モルタル+コンクリート)への穴あけ作業でくたびれてしまいました。
その経験から、インプラス浴室仕様「タイル納まり」タイプの取付けを行う時の注意点や、作業のコツをまとめてみました。これまで浴室に内窓をほしいけど、「どうやって取付けたら良いか分からない」と、思いとどまっていた人の助けになれたら幸いです。
どうしてもお風呂に内窓をとりつけるのは心配というかたはプロにご相談ください。近くの窓・サッシのリフォーム業者を探す (2023年4月更新) | ゼヒトモ
プロモーション |
プロモーション |