私、実は、出来ることなら「ペアガラスのサッシ」を使ってみたいと思っています。ですが、価格が高いのでそう簡単には購入に踏み切れません。ペアガラスでしたら、住宅の断熱効果が高まり冷暖房費の抑制に効果的だと思うんですよね。それから、遮音性能もグッとたかまるはず。
そんな、期待値が高い「本物のペアガラスサッシ」ほどではないのですが、中空ポリカーボネートは、空気をポリカーボネートの板の中に閉じ込めることができますので空気の層により断熱効果を幾分なりとも高めることができると考えています。
中空ポリカーボネートを使った、超簡単なペアガラス風はいかが?
誰にでもできる簡単ペアガラス風 アイデアDIY
「部屋の断熱効果をアップしたい」とお考えの方に是非お試しいただきたい。しかも、作り方はいたって簡単です。お近くのホームセンターにもよりますが、私の場合、作業はほとんどコーナンの作業スペースで済ませたDIYです。
もちろん、簡単ですから断熱効果は「内窓サッシを取り付ける」あるいは、「本物のペアガラスサッシを取り付ける」よりは残念ながら劣るとは思います。ただし、できるだけ簡単にできて、しかも費用を抑えたいとお考えの方には決して悪くない選択ではないかと思います。
中空ポリカーボネートをはめてアルミフラットバーで固定
必要なものは 中空ポリカーボネート板 アルミフラットバー 両面テープ
必要な材料は、
中空ポリカーボネート板、 アルミフラットバー、 セロハンテープ、 両面テープのみです。
施工したいサッシのガラス部分の寸法を採寸して、ガラスの大きさに合わせて中空ポリカーボネイト板をカッターナイフでカットします。
次に、アルミのフラットバーはサッシのフレームに貼りますのでガラスの幅より広くサッシの外寸よりは狭くしてカットします。ホームセンターのバンドソーを借りると、カットしやすいかと思います。
もしもバンドソーがない場合は、サンダーか高速カッターでカットすることになります。あるいは、金切りノコでも構いません。アルミフラットバーの切断面は、必ず、ヤスリで「カエリ」を取り除いてください。
中空ポリカーボネートの加工について
あまりにも切りにくいので、以前、「樹脂用のノコ」で中空ポリカーボネートをカットしたことがあるのですが、この方法はおススメしません。
なぜなら、「キリ粉が静電気を帯びて中空の部分に入ってしまう」からです。もしも、コンプレッサーをお持ちでしたら大丈夫かもしれません。しかし、キリ粉は静電気を帯びているので、きれいにキリ粉を取り除けるかは不明です。
中空ポリカーボネートをカットするときの注意点
ポリカーボネートは非常に丈夫な素材です。ですから、実はカットがやや大変です。中空ポリカーボネートはその構造から、「中空の部分」と「節の部分」からなっています。
中空の部分については、比較的にカットは簡単です。ですから、中空の穴が通っている方向に沿ってカットするときは材料が「薄い部分」なので楽なのです。問題は「中空の穴を横切るようにカットする」ときです。この作業は男性にとっても意外と大変だと思います。
中空ポリカーボネートをカットする方向と難易度
中空ポリカーボネート板をカットするポイント
きれいにカットするには、まずは「切れ味のよいカッター刃」できれば刃幅が18mmあるタイプをお使いになるほうが良いと思います。(9mmの刃はひ弱であり、力を入れにくいため)
中空ポリカーボネート板をうまくカットするコツは、2~3回にに分けてカットすることです。中空の穴に沿ってカットするときはさほど難しくなく、おそらく1回でカットできると思います。
「中空の穴を横切るようにカットする」ときは、無理せず2~3回にわけてカットしましょう。
中空ポリカーボネートをカットするコツ
中空ポリカーボネートの切断面をセロハンテープでふさぐ
中空ポリカーボネートはその断面が特徴的です。いくつもの空気の層が連なっている状態なのですが、残念ながら空気の層をつくる両端が開放された状態となっているのです。
ですから、下の写真のように中空ポリカーボネートの端面にセロハンテープを貼ることで空気を閉じ込めることができます。このひと手間が絶大な効果を発揮するというわけではないのですが、少なくともプラスに作用するでしょう。
中空ポリカーボネートの端面にセロハンテープ
部屋の寒さ対策に小さな工夫
部屋の寒さ対策では、小さな工夫も意外と効果があります。たとえば、部屋の入口の開き戸でも、よく見ると床と扉の下に隙間がありませんか?わたしはこの隙間をプラスチックモールと両面テープで塞ぎ、すき間風を徹底的にゼロにする工夫もしています。
アルミフラットバーを準備する
材料をホームセンターでカット後 自宅で貼り付けるだけ
材料を買う際のポイント
アルミのフラットバーはできれば、アルミサッシと同色とすることをおすすめします。
同色であれば、仕上がりの一体感が増し、すっきりとします。また、ガラスが縦長で、しかも中間フレームがない場合は、アルミのフラットバーは上下だけでなく左右にも追加したほうが良いかもしれません。
中空ポリカーボネート板 ペアガラス風の製作
材料をカットしてしまえば、あっという間に完成します。はじめての方にとっては材料のカット作業が大変かもしれませんが、焦らずケガをしないようにしてください。
アルミフラットバーを使った中空ポリカーボネートの固定方法
通常のアルミサッシであれば、下のイラスト(左)のようにガラス面はサッシフレームより1段下がったような形状になっていると思います。その窪んだところに中空ポリカーボネートをはめ込んで、サッシフレームに同色のアルミフラットバーを貼って抜け落ちないようにするだけです。
この方法では、中空ポリカーボネートのカット部分が隠れてしまいますので、カットがうまくできなかったとしても隠すことができます。もちろん端面に貼ったセロハンテープも隠れてしまいます。
ペアガラス風の中空ポリカーボネート固定方法
サッシと同色のアルミフラットバーを使用
中空ポリカーボネートは節目を縦方向に使用すると相性が良いのではないかと思います。節に沿ってカットするのは比較的やさしいので切り口はキレイになると思います。ガラス1枚のサイズが900×900mmくらいであれば、フラットバーは上下に貼るだけで十分ではないかと思いますよ。
同色のフラットバーで中空ポリカーボネートを固定
上はすりガラス風フィルム 下は中空ポリカーボネート板ペアガラス風
もしも、断熱効果優先であれば、全体を中空ポリカーボネート板でも良いと思います。クリアタイプの中空ポリカーボネート板でも、ある程度であれば、プライバシー確保できると思いますよ。
上はガラスフィルム 下は中空ポリカーボネート板
私の場合は、隣家とのプライバシー対策として、サッシの上段はサンゲツのすりガラス風フィルムを貼っています。
サッシの中間フレームより下は、表面に凹凸がある型板ガラスが入ってますので、ある程度プライバシーは確保できています。ですから、型板ガラスのところには、フィルムは使用せず、中空ポリカーボネイト板を入れています。組み合わせは自由ですので、優先する機能を選択してサッシをカスタマイズしてはいかがですか。
明るく プライバシーも確保
上の写真からも分かるように、明るさを確保しながらもぼかすような視覚効果があるのが中空ポリカーボネートの特徴といえます。また、中空ポリカーボネートの特徴としてある程度の紫外線カット効果があります。
AGC技術資料より
ツインカーボ(板厚5mm)の光学的性質 | |
紫外線波長 | 紫外線透過率 |
380nm | 0% |
400nm | 59.3% |
紫外線とは波長10~400nm ウィキペディアより
紫外線A波(UV-A)…315~380nm皮膚の真皮層に作用し、タンパク質を変性させる。
紫外線B波(UV-B)…280~315nm表皮層に作用し、日焼けとして皮膚は赤くなる。
紫外線C波(UV-C)…200~280nmオゾン層で守られている。地表には到達しない。
メガネのレンズやサングラスでは「UV400」という表示で紫外線カット性能を表示します。UV400対応であれば紫外線の99%をカットできることを意味しています。
AGCのHPではハーモニーカーボ(中空ポリカーボネート)の紫外線カット機能を一切謳っていません。ですが、メガネレンズのUV400ほどではないものの、それなりに紫外線カット機能があると言えるでしょう。
中空ポリカーボネートに関する記事が他にもあります。こちらからどうぞ。
まとめ
中空ポリカーボネート板を利用したDIYの中では、非常に簡単で仕上がりもスッキリすると思います。もしも、この方法でサッシをペアガラス風に仕上げる場合は中空ポリカーボネート板の厚みをよく確認してください。通常のサッシであれば、おそらく4mmくらいが適していると思います。「ガラスとサッシ枠の段差」よりも厚い中空ポリカーボネート板は使用しない方が良いと思います。
FIX窓(はめ殺し)タイプであれば、空気層が厚い本格的なペアガラスへと変身させることができるでしょう。DIYで簡単につくれる本格的なペアガラスに興味があるかたは 中空ポリカで簡単につくるペアガラスDIY を是非ご覧ください。
この記事が「ほんのり豊かに、快適に暮らす」ためのヒントになりましたら、幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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