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メガネオタクのつぶやき レンズ編

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この記事はメガネに関心がある方のみに読んで頂きたいと思います。私は高度な検眼技術を持っているわけではありませんので、技術的に役立つ内容とまではいきませんが、専門書籍で独学したり、メガネの講習を受講したり、メガネの販売経験から身に着けた内容を簡単にまとめてみました。この記事がいくらかでも役に立てたら幸いです。

 

メガネのレンズについて

視力矯正用メガネの度数 近視について

近視の人の割合はどのくらいなのでしょうか。

出典:文部科学省 令和元年学校保健統計調査結果

文部科学省HP内の令和元年学校保健統計調査結果によりますと、裸眼視力が1.0未満の者の割合はこの調査結果で公表されている昭和54年から令和元年までのデータでみると、裸眼視力が1.0未満の者の割合は小学生では昭和54年に期間最低値の17.91%、中学生では昭和54年に期間最低値の35.19%、高校生では昭和60年に期間最低値の51.56%を記録しています。

この値は徐々に増えてきていて、現在では過去最高の値となり、小学生では34.57%、中学生では57.47%、高校生では67.64%となっています。私自身が小学生の頃を考えると、その当時はまだ各家庭でカラーテレビが普及し始めた頃であり、クラスでメガネを掛けている人は一割にも達していなかったと記憶しています。

あの頃、子供たちが夢中になっていたのは漫画本で、その後ファミコン、そしてスマホと子供たちを虜にしてしまうものが変わってきています。それにしても、このデータには驚かされます。

 

近視と遺伝は関係あるのかな

出典:公益社団法人 日本眼科医会

上記サイトによると、はっきりとした数字は出ていませんが、遺伝による近視は存在するようです。記事によりますと、メガネで矯正できないくらい強い近視には遺伝の影響が大きいことが知られています。最近の台湾の研究でも、環境要因を考えにいれても、親に強度近視があると子供に早いうちから強い近視が生じることが報告されているそうです。

また、アメリカにおける研究では、両親が共に近視の場合、片親が近視もしくは両親ともに近視でない場合にくらべて、子供が近視である頻度が明らかに高いことが報告されいるそうです。

 

正視では遠くも近くも網膜上で結像し、良く見えます。
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近視になってしまう目の使い方

おすすめ記事の紹介:ISHINKAI GROUP 「近視の進行予防治療」

特に遺伝の影響を否定できないような強度の近視や病気の場合を除けば、環境要因と言われる近業作業の増加が近視の要因と考えられます。

上記のおすすめ記事にも詳しく書かれていますが、近年はスマートフォン等の普及により、近くを長時間みることが多くなり、焦点を近くに合わせるために目は長時間調節力を酷使することとなり近視化を招きます。このように過剰に調節力が働いた状態を維持することによる近視化(仮性近視)は点眼治療やトレーニング等で回復の見込みがあります。

一方で、手元にピントを合わせた状態が続くとその距離を見やすくするように順応するため、眼軸長が伸びたりして眼球全体の屈折力が手元が見やすいように変わってくると考えられています。そのような眼軸長が伸びたことによる近視化場合はトレーニング等による視力の回復は期待できません。

また、上を見上げるような状態では目の負担が大きくなると言われています。ですから、パソコンのモニターの位置関係など注意が必要です。それから、姿勢の問題もあります。若い人によく見かけられるのが腹ばいに寝そべってスマホを扱ったり、漫画を読み入ったりすることです。

これは先ほどの、上を見上げるような状態と変わりありませんので、目への負荷が大きくなっています。しかも目とスマホや本までの距離が自然と近くなりがちであり、さらに目の負担が増加します。

 

屈折性近視と軸性近視
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近視の度数について

近視の分類について金原出版「目でみる 視力・屈折検査の進め方」より引用します。

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弱度近視  -3.00D(ディオプトリ)より弱い近視

中等度近視 -3.00Dを超えー6.00Dより弱い近視

強度近視  -6.00Dを超えー10.00Dより弱い近視

最強度近視 -10.00Dを超えー15.00Dより弱い近視

極度近視  -15.00Dを超えるもの

 

近視の初期段階では裸眼視力が0.6~0.7くらいで黒板の文字が見ずらいと言って来店してくる学生が非常に多かった印象があります。レンズはS-0.75D~S-1.00D (S:球面度数)くらいになります。これくらいの度数であれば普通のレンズでもそれほど厚くなることはありません。普通自動車の運転免許に必要な視力が0.7以上であることを考えると、これくらいの視力でも通常の生活に極端な不便を感じるほどではないと考えて良いでしょう。

しかし、遠くを見る時に本人は無意識に目を細めていることがあるでしょう。そして目を細めて無理に見ようとすると目にはあまり良くありません。ですから、車の運転の際や黒板の文字を見るときは、その時だけでもメガネを掛ける方がよいでしょう。

ちなみに、この裸眼視力0.6~0.7の人が、どれほど見えているかを体験してもらう方法があります。その方法とは、普段メガネを必要としていない裸眼視力1.0~1.2くらいの人に弱い老眼鏡S+1.00を掛けて遠くを見た時が初期の近視の方が裸眼で見ている裸眼視力0.6~0.7くらいの見え方になります。(近視の疑似体験)

 

近視の疑似体験をしていただくことで、本人の状況や気持ちをご理解いただけると思います。
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前回遠近の記事で書いたところと共通する部分ですが、調節力が無くなった正視のかたが、近く(手元30cm)を見る時に必要な度数をS+3.00Dといいました。例えば、上の近視の疑似体験をしてみましょう。正視のかたが、S+3.00Dのレンズを当てて遠くをみるとぼやけますね。その上にさらにS-3.00Dのレンズを当てるとレンズは+と-で打ち消しあいますので遠くが良く見えるようになります。

つまり、これは近視のかたがメガネを掛けた状態を表しています。S-3.00Dのメガネを掛けて遠くが良く見えるようになった人が近くを見る時は毛様体筋を使って水晶体で近くにピントを合わせることができます。

ちなみに、この方がさらに近視のメガネS-3.00Dを外した場合、今度は毛様体筋を使って水晶体で調整をしなくても手元30cmくらいにピントが合うようになっています。ただし、これはあくまで目安であり、個人差がありますので絶対的な数字ではありません。それでも裸眼視力が0.1くらいの人は、おおむねS-3.00D前後の人が多い事は経験からも実感しています。そして、裸眼視力が0.1くらいになるとレンズの厚みが気になりだしますので、薄型レンズをお使いになる方が多いようです。

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視力矯正用メガネの度数 乱視について

乱視表【左】 と 乱視の見え方【右】
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上図の左の放射線は乱視表と言います。ちなみにこの放射線は均等な線を描いているのですが、乱視がある方は例えば上図の右側(右側の乱視表は線の太さと色を変更して強調しています。)のようにある方向が濃く見えます。

そして、濃く見える方向と90度ズレたところはぼやけて見えます。(ここでは「ぼやけ」をグレーの線で表しています。)通常、右、左、それぞれ片方づつ検査します。

乱視の矯正用レンズ
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ここでは乱視表が左のように見えていると仮定します。(水平方向がぼやけて見える。垂直方向が濃く見える。)その場合「ぼやけて見える」方向が乱視レンズの「軸」となり、通常はマイナス(-)の円柱レンズで調整します。

上図の右の例ではC-1.00D AX180°と表示します。円柱レンズを徐々に強くして乱視表の線の濃さが均等になるように合わせます。上記の乱視の例では、AX180°と言ってマイナスの円柱レンズの場合は上と下が厚いレンズ形状となります。例えば、S-3.00 C-1.00 AX180° であれば、このレンズはレンズの左右は-3.00Dであり、レンズの上下は-4.00Dとなっています。

乱視の軸の傾きや度の強さは人それぞれ違いますので、他の人のメガネは使用できません。乱視の調整にはクロスシリンダーを使用するのが一般的です。他には検影法もあります。また乱視も含め検眼の全般について、現在ほとんどの眼鏡店でオートレフラクトメータという機械を使い、目の光の屈折状態を測定してから、そのデータを元にレンズを交換しながら矯正視力の確認するようにしています。オートレフラクトメータでは球面度数、乱視度数、乱視の軸、瞳孔間距離などのデータが出力されます。

まずは、乱視表が見えるようにするため裸眼視力が0.6くらいまで上がるように球面度数をあわせます。それから、上の図にもあるように90°異なった方向で結像する位置がずれている乱視を、乱視表が均等に見える状態まで乱視の度と角度を調整するのです。後は過矯正にならないようにレッドグリーンテストで確認しながら球面度数を調整します。ここまでが、いわゆる完全矯正といい誰でも比較的簡単にできます。

検眼では、ここからいかに使いやすいメガネに調整していくかが腕の見せ所でしょう。まれに乱視が軽い状態では、ほぼ完全矯正状態で問題ない場合もあるのですが、レンズパワーと違和感、そして矯正視力、またメガネの使用目的によって度数を使い分けることも前提でお話して確認していきます。

ピンホールテスト
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また、まれに完全矯正を行っても矯正視力が上がらないこともあるでしょう。そのようなときは確認のためにピンホールテストを行うことをおすすめします。非常に古典的方法ですが、おかしいなと思うときは一度行うべきテストだと思います。目を細めると見えるからといって一生懸命に目をしかめて視力検査を受ける人がいるでしょう。

あれは、屈折異常により網膜上で結像していない状態である屈折異常部分を排除して屈折していない目の中心だけを通る光を目に入れることで網膜上で結像できるからなのです。ですから、完全矯正できているはずなのに視力が上がらない場合、矯正レンズ度数を間違っていないかの確認になります。完全矯正のはずであるテストレンズにピンホールテスト板を重ねます。この時、矯正視力が上がれば、レンズ度数が完全矯正とはいえませんので、再検眼の必要があります。

あるいは、完全矯正のはずなのに視力がでない。しかもピンホールテスト板を重ねても視力は上がらないのであれば、その後レンズをいくら調整しても矯正視力が良くなることはないでしょう。つまり、屈折異常をレンズで矯正しても視力が上がらい場合があるという事です。そのような場合は眼科で一度検査して頂くのが良いかと思います。

 

視力矯正用メガネの度数 遠視について

軽い遠視の方は一応遠くは見えますのであまり自覚がないものの眼精疲労を訴える方が多い。遠くを見る時、無意識に目の調節力を使ってピントを合わせています。

遠視は眼が疲れやすい
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このように遠くを見る時にすでに目の調節力を使いますので、近くを見る時は人一倍調節力が必要となるため30代くらいで老眼を自覚することもあります。(老眼の自覚が早い)

遠視の方は30代で老眼を自覚するケースもある
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実は遠視の検眼は結構大変かもしれません。なぜかといいますと、眼科さんの処方箋で不調を訴えることが多いのが遠視の方だからです。遠視の矯正については、どんな本をみても必ず言っているのが、「矯正の基本は最大視力がでる最も+寄りの度数」と定義されているからです。

近視で考えれば「視力が最もでる一番弱い度数」が基本です。かたや遠視では「視力が最もでる一番強い度数」となるからです。なぜこのように表現されているかと考えると、「目が最もリラックスした状態で遠くが見やすいようにするために、無意識に水晶体を調整してしまうことを妨げるため」と推測できます。

遠視の矯正では、目の調節が介入すると正しい検眼ができないのです。ですから、眼科では調節麻酔剤点眼を行って目をリラックスさせることができるのでが、眼鏡店では薬を使うことはできませんので、雲霧法を使います。このような理由もあり、小児の弱視や斜視などの検眼は眼科にお任せした方が良いでしょう。

雲霧法の説明用に近視の疑似体験の図を示しています。下図の下段は+レンズを使い強制的に近視の状態にしているところです。雲霧とはまさにこの状態です。この状態であれば近くを見ない限り、目の調節力を使うことはできません。

近視の疑似体験 (雲霧法)
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雲霧法とは、近視の疑似体験と同じことを行います。目の調節力とは通常、毛様体筋を緊張させ水晶体を厚くする方向に行います。逆に水晶体を薄くする方向への調節力はないものと考えられているからです。ですから、わざと強めの+レンズのテストレンズを掛けて頂き、しばらく時間を置きます。遠視の方は通常焦点が網膜の外側にありますが、強めの+レンズを掛けることで強制的に焦点を網膜よりも内側に持っていきます。つまり「近視の疑似体験」状態にして目の調節力を無効化させるのです。

テストレンズを交換しながら視力を調整していきますが、必ず「重ね入れ法」を行ってください。この重ね入れ法とは、例えばS+1.75Dからもう一段階球面度数を弱くしたい時にS+1.50Dのレンズを入れる際にS+1.75Dいきなり抜いてしまわないようにするためにS+1.75DのレンズにS+1.50Dのレンズを重ねてS+3.25(1.75+1.50=3.25)にしてから、S+1.75Dのレンズを抜き取りS+1.50Dのレンズに交換します。

このようにすることで、目の調節の介入を防ぎます。それから、乱視の矯正では必ずマイナス(-)レンズを使います。

雲霧をしっかりかけるとぼやけて見えます。例えばS+1.00Dくらいの遠視の方にS+4.00Dくらいのレンズで雲霧したとしましょう。その状態では焦点は網膜の内側にあり、おおよそS-3.00Dくらいの近視の疑似体験状態ですから、その時の視力はおおむね0.1くらいを予測できます。

重ね入れ法で+レンズを徐々に弱くしていきます。そして裸眼視力が0.6くらいまできましたら、これくらいの視力があれば乱視表を認識できますので、ここで乱視の完全矯正を行います。そして、乱視の矯正ができると矯正視力もかなりでてきます。乱視の程度が強めの場合は適宜プラスレンズを強くしてから、-の乱視レンズを調整していきます。

乱視矯正が終わったら、その後は球面度数を決めます。大事なのはレンズの調整段階で焦点が網膜の外側に行かないようにすることです。焦点が網膜の外側に行ってしまうと、せっかく雲霧法で目の調節力を無効化したことが台無しになってしまうからなのです。ですから、レンズの度数とそのレンズで目のどのあたりに焦点が来ているのかを推測することは非常に大切です。

そして、問題の「最大視力がでる最も+寄りの度数」は「絶対遠視」にはあてはまりますが、随意遠視や潜伏遠視のように調節によって良好な視力を得られる場合は「最大視力がでる最も+寄りの度数」では度が強すぎてほとんどの方が不調を訴えるであろうと、これまでの接客の経験から推測します。微調整する際はS-0.25Dを加えてたりS-0.50Dを加えたりして、しばらく「装用テスト」を行ってしばらくテストレンズを掛けて時間をおき、確認することが望ましいでしょう。

ただし、一点だけ勘違いして頂きたくないのは、弱視や斜視のお子さんがメガネを嫌がっているからといって弱視矯正の度数を勝手に弱くしてはいけません。このメガネは治療目的ですから、本人が嫌がっても必ず掛けることが望ましいのです。

それから、誤解のないように付け加えておきますが、眼科処方箋で遠視の方が来られた場合は処方箋通りに作ってください。あくまで、不調を訴えて再来店された時にお客から「あなたが検眼してくれる?」と頼まれたときにはじめて対応すべきだと思います。

 

メガネの作り方

メガネの製作では、まずアイポイントの確認が重要になります。理想の形としてはメガネを製作する前の、この時点でフィッティングをしっかり行うことが使いやすいメガネをつくるポイントになります。

フィッティングの終わったフレームを掛けて頂き、ダミーレンズにアイポイントを記録しておくとレンズ加工時にたいへん参考になります。

瞳孔間距離(PD)
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ちなみに上図は瞳孔間距離をCADで実測してみました。眼球24mm  近点距離30cm レンズ(メガネ)の眼前距離12mm 瞳孔間距離はやや広めのPD=64mmと比較的狭めPD=58mmの二通りで調べてみました。30cm先を見つめるとき瞳孔間距離はそれぞれ2.23mmと2.51mm狭くなり、メガネの位置(眼前距離12mm)では4.64mmと5.12mm狭くなります。

厳密に見れば、このように瞳孔間距離によりメガネの最適焦点位置は変化します。レンズメーカーが遠近両用の焦点位置をデザインする際、PDに対して近くを見る際のレンズ焦点位置は左右それぞれ2mmづつ狭くしています。ですから、通常はPDから4mm引いた値を近用メガネの焦点距離にします。

もしくは鼻を挟む形の専用メジャーを眼前12mmのところに当てた状態で被験者に30cm先の指先を見てもらい近用の焦点位置を直接計測することもできます。しかし、人が近くを見る時に作業距離は必ず30cmとは限りませんので、メガネの使用状況をよく聞き、目的に応じて近点距離に合わせた焦点距離の調整が望ましくなります。

レンズの焦点位置の高さ方向はダミーレンズのアイポイントを基準に決めると良いでしょう。遠近両用レンズでは各レンズの設計が違いますので、選択したレンズのフィッティングシールをダミーレンズに貼って焦点位置と目の位置が合っているかを確認しましょう。

その際はミラー法を使うと確認しやすいので必ず確認してください。まずはフレームをしっかりフィッティングしてからレンズのフィッティングシールをアイポイントにあわせて貼ります。次にテーブルに鏡を置き、向き合い鏡を互いがのぞき込むことで近用のアイポイントが正しい位置にあるかを確認できます。目と鏡の距離は30~40cmくらいで確認すると良いでしょう。

 

メガネを分解しています。

メガネの部品
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メガネレンズを取り外すときは

下の写真のように、メガネのレンズを取り外したい方のテンプルを折ります。そして、メガネ全体を包み込むように握ります。こうすることでネジを外す作業が安定します。

メガネの掴み方
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メガネのフレーム選びのコツ

デザインは好みがありますので、惹かれるフレームを選ぶとよいでしょう。眼鏡店で働いているときにもよく耳にしたのは、いろいろ悩んでも最終的には一番最初に手にしたものに戻る人が多いという事。そして、メガネはどれだけたくさんもっとていても気に入ったものばかりを掛けてしまうということもよく聞きます。

デザインと掛け心地、そして見やすいことは非常に大事な事です。ここでは見やすさと使いやすさ基準に簡単にお話します。視界がスッキリして見やすいのはナイロールといってフレームがレンズの半周だけにあり残り半分はナイロンをレンズの溝にはめ込んでレンズを固定するタイプです。一見するとフチなしがスッキリするような感じがしますが、フチなしのネジ部は意外と視野に入ってきますので若干鬱陶しい感じがします。

ホールド感ではフルフレームが優れています。あとは矯正用レンズの厚みによっても状況が変わってきます。もしも、裸眼視力が0.1以下の方でしたら、デザインよりも機能性を優先すべきだと考えています。そして、レンズの厚みを出来るだけ目立たないようにするには視界が確保できる範囲でフレームのフロントのレンズサイズを小ぶりにすることでレンズの厚い部分(近視の場合)を除去できます。

あるいは、セルフレームを選択することもよいでしょう。ただし、その場合はフレームとご自身の顔とのマッチングが大丈夫かしっかり確認することが必要です。セルフレームが鼻筋にしっかり掛かりズレ落ちる心配がないかが重要です。いくらデザインが気に入っても掛具合が良くない場合は、そのフレームを選ばない方が良いでしょう。

それから、遠近両用メガネをご希望される場合は、やや天地の広いフレームを選ぶほうがよいかと思います。最近はかなり小ぶりのフレーム専用設計の遠近レンズもありますが、小ぶりのメガネで遠近を作った場合はどうしても鼻メガネのような状態で使うか、かなり狭い近用視野を補助的に使うような感じになります。

しかし、そのような限定的な使途であることを明確にして、あえて小ぶりのレンズの遠近をおつくりになる場合は問題ありません。

 

レンズの基礎知識

ごく基本的なことを簡単にお話します。レンズは基本的に屈折率で分けられています。標準タイプは1.50 そして屈折率が大きくなるとレンズは薄型と言われています。

各メーカーにより多少違いますが、一般に1.56 1.60 1.67 1.74 といった種類があります。標準レンズではレンズ度数S-3.00Dくらいからだいぶ厚みが増してきます。とくにS-4.00Dくらいからはその違いが顕著となります。つまり、おおよそ裸眼視力0.1くらいになると薄型レンズを使用された方が良いと思います。

出来れば1.67以上が良いとは思いますが、選んだフレームによっては相性が悪いものもあります。一番薄型の1.74タイプはフチなしも作れないことはないのですが、1.60や1.67に比べると若干レンズが欠けやすいようです。

フチなしはレンズに穴を開けて加工しますので、ある程度レンズ素材に粘り強さが備わったものが良いと思います。不向きのレンズは加工途中でレンズが欠けやすいですし、またメガネを使用中の衝撃等によるレンズの割れにくさに差がありますので、安全面を考慮した選択をおすすめします。

また、レンズはその設計により球面レンズ、非球面レンズ、内面非球面、両面非球面などに分けられます。現在、非球面レンズをお使いの方が多いかと思います。私が販売したレンズの中では内面非球面レンズはその性能が非常にすぐれたいた印象があります。

あるかなり強度の近視の方で、コンタクトレンズをお使いの学生さんが初めてのメガネを作る時のことでしたが、一度標準レンズでメガネを作ってお渡ししたのですが、気持ち悪くて掛けられないという相談がありました。

その時におすすめして、差額保証で交換し喜んで頂いたのが内面非球面レンズでした。それまでコンタクトレンズのみ使ってこられて、初めてメガネをつくるときに、さほど近視の度が進んでいない場合はあまり問題ないのですが、初期の近視からずっとコンタクトレンズしか使ったことがない場合で、しかも初めてのメガネをつくるタイミングがS-4.00Dくらいまで進んでいた場合は、殆どの方がメガネ特有のレンズの歪みがとても気になります。

コンタクトレンズは目に直接レンズがくっついていますので、レンズの歪みは殆ど感じません。それに対して、メガネのレンズの周辺部はプリズムにより度が強いような状態となり歪みが生じてしまうためです。

非球面レンズはそのレンズ周辺部の歪みを抑えてくれますので特に近視が進んでから作る初めてのメガネではとくに効果的です。なかでも内面非球面は目に近いレンズの内カーブを非球面設計するため、その歪みを抑える効果が高いのです。

もう一つお伝えしておきたいのが、長年球面レンズをお使いの方の中にはどうしても非球面レンズに違和感を覚える人もいます。遠近の記事でもお伝えしたように、脳がレンズ周辺の歪みを補正する状態になっているところに、ゆがみを抑えられたレンズを使うことで本来は脳の負担が軽くなるのですが、まれにレンズの歪みをとることで脳の修正が過剰修正となり映像が窪んで見える方がいます。

これもまた、時間が経つとそのレンズに脳が慣れてくるのですが、どうしても非球面レンズに対して嫌悪感を持っている人もいることを覚えておいて下さい。そういう方には無理に非球面レンズをおすすめしないほうが良いこともあります。

 

遠近両用レンズの一例

ストレスフリー遠近レンズの歪みの例です。

R: S 0.00 C-0.25 AX70  ADD1.75

L: S 0.00 C-0.25 AX110 ADD1.75

段階的に遠近に慣れていけばこれくらいの歪みは殆ど違和感ありませんよ。

遠近レンズの実際の見え方

テーブルの上に置いてある照明のリモコンを見てみましょう。

リモコンはレンズの視界の外にあります。
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遠近レンズの遠用部分でリモコンを見ています。
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遠近レンズの中間度数部分でリモコンを見ています。
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遠近レンズの近用度数部分でリモコンを見ています。
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こんなメガネ店 あったらいいな

実現することはありませんでしたが、私はメガネ店とカフェを同じ店舗内でやれたらいいのではないかと考えていました。メガネ店はメガネの販売から商品の引き渡し、そして、その後のフレームのお手入れ等のアフターサービスでお客と長く接します。

また、事あるごとに店舗での待ち時間が生じてしまう機会が多いのです。そんな待ち時間をリラックスして過ごせたらどれだけいいかと考えていました。よろしかったら、どなたかやってみてはいかがですか。

まとめ

今回はフレーム編・レンズ編と二部構成でメガネについて簡単にまとめてみました。メガネは奥が深く突き詰めていくと眼科医の領域にどんどんと入り込んでしまそうになります。しかし、医師ではない私たちは治療の領域には入れませんので、探求心を持ちながらも、どこかで線引きをする必要があると感じます。フレーム編でもふれましたが、この記事はどちらかというとメガネ店に勤務する新人のかた向けの内容ではないかと思います。

これは、若い頃の私自身の身に実際に起きていたことなのですが、「夜おそくになると、突如、意識が遠くなって、すべてが小さく見えてくる現象」が襲ってきていたのです。そのため私は20~30代前半の頃まで、眼精疲労から突然意識が遠くなる事があるためあまり本を読む気にもなりませんでした。また、車の長距離運転も同じ理由であまり好きではありませんでした。

それが、メガネと出会いメガネのおかげで私は眼精疲労から解放されたのです。あの時の眼精疲労の原因が乱視だったとは、メガネとの出会いが無ければ知ることもありませんでした。今は「メガネのいちユーザー」という立場ではありますが、これからも生涯メガネにお世話になると思います。せっかく10年間仕事としてメガネに向き合い身に着けた知識ですから、いくらかでもどなたかの役に立てば良いかと思い記事にしました。

 

 

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メガネオタクのつぶやき フレーム編

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マイペース派で、「変人」に憧れる管理人のアイボックです。必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。