今でこそ我が家にはYKKapプラマードU、LIXILインプラス、簡易内窓、DIY内窓といった、それぞれ異なった内窓を取り付けていますが、ここに至るまで結構長い道のりだったように思います。
夏から始まった中古住宅での生活でしたが、エアコンさえあれば特に何不自由なく過ごせていました。しかし、最初の冬を迎え、家の寒さを思い知らされながら、寒さと向き合い、試行錯誤を繰り返す試練の日々を過ごし、なんとか1年目の冬を終えています。
あれから数年が経ち、今や、生活動線にかんする窓の断熱対策はほぼ終えています。エアコンを設置している生活スペースとしては1Fリビングと2F寝室の2室となりますが、冬でも陽当たりが良く心地よい2F寝室と日陰となることが多くて寒い1Fのリビングは同じ家とは思えないほどの温度差があります。
そんな、異なる条件の2部屋に取り付けられた内窓、プラマードとインプラスですが、はたしてどちらの内窓の断熱効果が高いのか気になるところですよね。
プラマードとインプラスの特徴とは
メーカーのWEBカタログはこちらのボタンから
YKKap プラマードU 私が感じる良いところ、残念なところ
開閉感のスムーズさと、クレセントの操作感が上質
プラマードは頻繁に開閉したい場所に設置する内窓として適しているのではないかと感じています。
キッチン勝手口ようのドアタイプのプラマードがラインナップ
まだ実物を見たわけではないので、何とも言えないのですが、いつの間にかカタログにラインナップ。ドアタイプの内窓なのでもちろん出入りも出来るでしょう。
静電気でホコリが付きやすいかも・・・(ダストバリア仕様ではない)
インプラスのようなダストバリア仕様ではありません。
生活していれば、室内のいたるところにホコリは付着するものなので、プラマードが特別ひどくホコリが付くというわけではありませんが、製品の開梱時でも包装ビニールとの静電気は発生していました。
(ホコリの付着が極端にヒドイという訳ではありません。他の生活用品と同等レベルだと思います。)
LIXIL インプラス 私が感じる良いところ、残念なところ
静電気が少ないので、ホコリを引き寄せない。・・・ダストバリア仕様
インプラスは樹脂フレームなのに静電気が起こらないので不思議です。プラマードが入荷して梱包ビニールをとるときは、静電気で梱包ビニールがまとわりついたり、発泡材の粉がくっついたりしましたが、インプラスではほとんどなかったと記憶しています。不思議なのです。(LIXILの特許技術)
徹底した気密対策にこだわりを感じます。
レール周りや、戸の接触面などシール材が多いのではないかと思います。
クレセント(錠)のしまりがイマイチ
窓の気密性を意識しすぎているのか分かりませんが、窓を少し寄せる感じにしないとクレセントが掛かりにくいようです。(インプラス浴室仕様)
サッシを開けた時に、クレセント受けの止めねじが見えていたりして、クレセントのせいで若干チープな印象を受けてしまいます。(プラマードはクレセント受けの取付け部分にカバーがあり、ネジが見えません)
我が家のプラマードとインプラスの設置条件の違いは?
違う製品の比較を行う場合、条件を揃えるのが基本ですよね。しかし、メーカーの試験施設のようにはいきません。そこで、せめて設置場所の違いを考慮してこの記事をご覧いただきたいと思います。
とある冬の日 夕方の室温を比較
同じ南向きの部屋なのですが、陽当たりの違いで帰宅時の室温はまるで違います。
2023.01.10 夕方5時半ころの温度 | |
外気温度 | 11.1℃ |
2階寝室 | 20.2℃ |
1階リビング | 13.7℃ |
1階と2階の温度差 | 6.5℃ |
2023.01.10 外気温度
2023.01.10 夕方 5時半頃 2階 寝室の室温
2023.01.10 夕方 5時半頃 1階 リビングの室温
陽当たりが良く暖かい 2階の寝室 にプラマード
2階の部屋は非常に陽当たりが良好です。夏場は陽が高いのであまりベランダに陽が差し込むことはないのですが、冬場は陽の軌道が低いためベランダと掃き出し窓に陽が燦燦と差し込みます。
そのため、冬でも晴れの日であれば日中はポカポカとした感じさえあります。
2階 寝室 の間取り
インプラスをとりつけた 1階 リビング の間取りは?
中古住宅を購入時の1階は約11畳の広々したリビングダイニングでした。私個人的に広い部屋だとあまあり落ち着かないし、しかも冷暖房にかかる光熱費がかなり高くつくだろうと直感的に感じました。
そこで、工務店さんからの提案であるオシャレなパーテーションという形でリフォームしてもらいました。下の黄緑色のハイライト部分がパーテーションの取付け開口部になります。
約11畳の リビングダイニング を分割
陽当たりが悪く寒い1階のリビングにインプラス
上のイラストの左半分がインプラスを取付けた出窓があるリビングになります。下のイラストは上のリビング部分のみを表しています。(上のイラストの黄緑色のハイライト部分で分割)
1階 リビング の間取り
約6.5畳のリビングですが、4面に開口部があり壁が極端に少ないことが分かります。そして、下イラストのように多くの窓と引違い戸で仕切るような形になっています。
1階 リビング は開口部が多く 窓で囲まれる
幸い狭いながらも、南側に裏庭があるお陰で意外と陽当たりは悪くないと思っています。それでも、冬場は陽が低いために1階部分はどうしても日かげになりやすいようです。
それでも、この大きなパーテーションのお陰で隣のダイニングはそこまで暗い印象がなく、春から秋にかけては快適です。まあこのあたりはトレードオフといった感じですね。
すくなくとも、リビングを寝床として使うにはあまり快適とは言えない印象です。実験期間はここで寝ていましたが、内窓を付けていても広いパーテーションがあるため、夜間はまあまあ寒い印象です。
窓の大きさに違いはあるか? 比較するプラマードとインプラスでは
窓開口部の面積を比較 | |||
2階 寝室 | 1階 リビング | ||
窓の開口面積 [㎡] | 窓の開口面積 [㎡] | ||
出窓 プラマード | 1.58 | 出窓 インプラス | 2.02 |
掃出し窓 プラマード | 3.21 | DIY 中空ポリカ内窓 | 3.83 |
パーテーション | 7.91 | ||
合計 | 4.79 | 合計 | 13.76 |
比較するプラマードとインプラスですが、いずれも出窓に取り付けています。面積は1階のインプラスが2階のプラマードより約28%広い面積となっています。
また、1階リビングの窓などのすべての開口部は、2階寝室のすべての窓の面積に対して約2.8倍もの広さがあります。つまり、それだけ部屋の熱が逃げやすい状態であることが分かります。
内窓を通過する熱量を簡易モデルにて計算して求めてみる 「寝室の窓の熱通過」と「リビングの窓の熱通過」を比較
内窓を通過する熱量や熱通過率(熱貫流率)を求める方法について興味がある方はこちらの記事をご覧ください。大きさが違う内窓YKKapプラマードでは断熱効果に違いがあるの?
熱量を求める時に使った計算モデル
上のイラストのように、中空状の窓のフレーム形状(イラスト右側)を平板(イラスト左側)に置き換えることで計算を簡素化したものです。
厳密なものではありませんが、大まかな比較には問題ないと考えています。それから、ここでは内窓のみに関する熱通過を考えていますので、(JIS日本国業規格の計算方法のように外窓までを含めていません。)わたしが算出した熱通過率(熱貫流率)の値は一般に公表されている値とは違っていることをご承知おきください。
2階 寝室 に取り付けたプラマードからの熱の逃げやすさ | ||
出窓 プラマード | 掃出し窓 プラマード | |
内窓のみの熱通過率[W/(㎡・K)] | 11.8 | 11.6 |
窓枠の面積 [㎡] | 1.58 | 3.21 |
単位時間当たりの熱通過 [W] | 244 | 486 |
寝室の窓部全体の熱通過 | 730 [W] |
1階 リビング に取り付けたインプラス等からの熱の逃げやすさ | |||
インプラス | DIYポリカ | パーテーション | |
内窓のみの熱通過率[W/(㎡・K)] | 11.6 | 10.6 | 10.5 |
窓枠の面積 [㎡] | 2.02 | 3.83 | 7.91 |
単位時間当たりの熱通過 [W] | 306 | 527 | 1079 |
居間の窓部全体の熱通過 | 1912 [W] |
窓の熱通過という値とは
この数字は窓の内側と外側に温度差が1℃あるとき、1秒間に窓を通過する熱量を表しています。
つまり、数字が大きいほど熱が外気に奪われ部屋の温度は下がっていくことが懸念されます。
1階の窓トータルで考えると、2階の窓トータルの約2.6倍もの熱が外気あるいは他の部屋へと逃げやすいことがわかります。
2階寝室の間取りに1階リビングの間取りを重ねてみると
白い壁紙による錯覚なのか、1階リビングの方が広いと思っていたのですが、上のイラストのように、2階の寝室の間取りに1階のリビングの間取りを重ねてみると、実際には2階の寝室のほうが広いことが分かります。(天井高さはほぼ同じです。)
内窓プラマードとインプラスの温度を計測して断熱効果を比較
今回の温度計測の目的は寝室の出窓に取り付けてあるプラマードとリビングの出窓に取り付けてあるインプラスの断熱効果の比較となります。
基本的には外気温度と室内温度を基準にデータを比較したいと考えています。そこで、最初はエアコンの設定温度を2階寝室と同じようにしてみたのですが、思うように室内温度が上がらないことがわかりました。
2階寝室のプラマードに関する温度測定のとき、室内温度は24℃くらいで安定していたことから、リビングのインプラスに関する温度測定でも同じように室内温度24℃くらいで安定するようにエアコンとファンヒーターの設定を調整しています。
また、今回の温度測定を行った12/29~1/4朝までの期間は就寝時の条件を合わせるために、私はリビングで寝ています。(私の体温36℃が、夜間の唯一の熱源としてハタラキます。)
暖房OFF 5:30起床時の室温と「内窓~外窓の空間温度」をもとに比較
出窓 インプラス「内窓~外窓の空間温度」と「室内温度」2022.12.29
2022.12.29 10:00 外気温度 8.0℃
出窓 インプラス「内窓~外窓の空間温度」12月29日 10時
その他の温度データはこちらからご覧になれます。
5:30起床時の インプラスの断熱効果をプラマードと比べる
1階リビング 23:00就寝時に暖房OFFのとき
温度測定データ 1 | |||
12月29日~30日 | 12月30日~31日 | 12月31日~1日 | |
外気温度 23:00 | 4.7 | 4.3 | 7 |
寝室温度 23:00 | 18.7 | 24 | 24.1 |
内窓~外窓 23:00 | 9.5 | 11.6 | 12.7 |
外気温度 5:30 | 2.9 | 7.5 | 7.1 |
寝室温度 5:30 | 8.6 | 10 | 11 |
内窓~外窓 5:30 | 5 | 6.6 | 6.1 |
外気温度の変化 | -1.8 | 3.2 | 0.1 |
寝室温度の変化 | -10.1 | -14 | -13.1 |
内窓~外窓の温度変化 | 4.5 | -5 | -6.6 |
寝室温度、内窓~外窓 差 5:30 | 3.6 | 3.4 | 4.9 |
1階リビング 23:00就寝時に暖房OFFのとき
温度測定データ 2 | |||
1月2日~3日 | 1月3日~4日 | ||
外気温度 23:00 | 4.4 | 3.1 | |
寝室温度 23:00 | 24.1 | 24.3 | |
内窓~外窓 23:00 | 12.2 | 10.6 | |
外気温度 5:30 | 2.1 | 4.1 | |
寝室温度 5:30 | 10.5 | 9.8 | |
内窓~外窓 5:30 | 4.7 | 4.4 | |
外気温度の変化 | -2.3 | 1.0 | |
寝室温度の変化 | -13.6 | -14.5 | |
内窓~外窓の温度変化 | -7.5 | -6.2 | |
寝室温度、内窓~外窓 差 5:30 | 5.8 | 5.4 |
5:30起床時の室内温度の比較 プラマード VS インプラス
暖房OFF 5:30起床時の室温と【内窓~外窓】
上のグラフは外気温度を基準として2階の寝室出窓用プラマードと1階のリビング出窓用インプラスの「内窓~外窓の空間温度」と5:30起床時の室温を比較したものです。5:30起床時の室温ではおよそ3℃くらいの差があり、2階出窓のプラマードのほうが良い結果となりました。
内窓の内窓効果(断熱効果)の比較 プラマード VS インプラス
私が、独自に内窓の断熱効果の指標としている十分に暖められた部屋を23:00に暖房を消して就寝し、翌朝5:30起床したときの室温と「内窓~外窓の空間温度」を測定し、その値から求める
内窓の断熱効果 【わたし独自の指標】
[条件: 十分に暖められた部屋の暖房を消して(23:00)、十分に時間を置いた翌朝(6.5h経過)の室温等を測定 ]
室温と「内窓~外窓の空間温度」の差 (つまり、内窓による保温効果)をもって内窓の断熱効果として評価しています。
2F寝室 出窓用 内窓プラマードの断熱効果は
外気温度が4℃より下がると、7℃くらいの内窓効果があるようです。ただし、外気温が氷点下に下がるとどうなるかは分かりません。
2F 寝室 出窓 プラマードの内窓効果(断熱効果)
1Fリビング 出窓用 内窓インプラスの断熱効果は
全体的に内窓効果が低くいようです。これまでのケースでは外気温度が4~5℃より下がると内窓効果が大きくなるような傾向でした。
しかし、このケースでは逆に悪くなるというこれまでにない傾向となっています。
1F リビング 出窓 インプラスの内窓効果(断熱効果)
このような結果となったことは、インプラスのみの影響だとは考えづらいため、その検証のために窓の熱通過率や熱通過について計算モデルで比較してみることにしました。
その計算結果は先に記していますが、やはり、部屋そのものの断熱性能の差が大きいといえそうです。ですから、いくら一つの窓の断熱性能だけを上げても思うように効果が上がらないということが起こると考えらえれます。
暖房使用時の断熱効果 プラマード VS インプラス
暖房OFFの状態ではリビングの部屋自体の熱損失が大きすぎてインプラスの値に影響がでていると推測しています。ですから、まともな比較になっていないと考えています。
そこで、今度は別の比較をおこなうことにしました。部屋自体の熱損失が大きいのであれば、その分を暖房で補い、室内温度を基準値に保ちながら比較することにしました。
エアコンの設定温度とファンヒーターの設定温度
2階寝室の暖房器具の設定温度(プラマードの温度計測) | |
暖房器具の設定温度 | |
エアコンの設定温度 | 20℃ |
ファンヒーター設定温度( Lo12~30Hi ) | Lo ~12℃ |
2階の寝室と1階のリビングでは、「陽当たりの条件」と「間取りの条件」に隔たりがあるため、寝室と同じ室温を再現するためにはそれなりのエネルギーが必要なようです。そのため、リビングの暖房器具の設定温度は寝室と比べるとかなり高めとなっています。(つまり、光熱費が高くなってしまいます。)
1階リビングの暖房器具の設定温度(インプラスの温度計測) | |
暖房器具の設定温度 | |
エアコンの設定温度 | 24℃~28℃ |
ファンヒーター設定温度( Lo12~30Hi ) | 20℃ |
暖房使用時の室内温度とインプラス「内窓~外窓の空間温度」を比較
12/29 1階リビングのインプラス温度測定データ 1 | |||
計測時刻 | 10:00 | 12:00 | 19:00 |
外気温度 | 8 | 9 | 6.4 |
寝室温度 | 15 | 18.2 | 19.1 |
内窓~外窓 | 7.8 | 12.5 | 11 |
室温-【内窓~外窓】 | 7.2 | 5.7 | 8.1 |
12/29 1階リビングのインプラス温度測定データ 2 | |||
計測時刻 | 20:00 | 22:00 | 23:00 |
外気温度 | 6.1 | 5.3 | 4.7 |
寝室温度 | 19 | 18.5 | 18.7 |
内窓~外窓 | 10.5 | 9.3 | 9.5 |
室温-【内窓~外窓】 | 8.5 | 9.2 | 9.2 |
12/30 1階リビングのインプラス温度測定データ 3 | |||
計測時刻 | 20:00 | 22:00 | 23:00 |
外気温度 | 6.9 | 4.9 | 4.3 |
寝室温度 | 20.7 | 22.5 | 24 |
内窓~外窓 | 10.8 | 11.5 | 11.6 |
室温-【内窓~外窓】 | 9.9 | 11 | 12.4 |
12/31 1階リビングのインプラス温度測定データ 4 | |||
計測時刻 | 9:00 | 10:00 | 11:00 |
外気温度 | 7.8 | 8.1 | 8.4 |
寝室温度 | 22.4 | 24.1 | 25.9 |
内窓~外窓 | 10.6 | 12.7 | 14.5 |
室温-【内窓~外窓】 | 11.8 | 11.4 | 11.4 |
12/31 1階リビングのインプラス温度測定データ 5 | |||
計測時刻 | 13:00 | 14:00 | 15:00 |
外気温度 | 8 | 9 | 8.9 |
寝室温度 | 25.2 | 24.2 | 23.7 |
内窓~外窓 | 15.2 | 15.5 | 15.6 |
室温-【内窓~外窓】 | 10 | 9.7 | 8.1 |
12/31 1階リビングのインプラス温度測定データ 6 | |||
計測時刻 | 20:00 | 21:00 | 22:00 |
外気温度 | 7.3 | 7.4 | 7.2 |
寝室温度 | 25.7 | 25.1 | 24.4 |
内窓~外窓 | 13.5 | 13.2 | 13.1 |
室温-【内窓~外窓】 | 12.2 | 11.9 | 11.3 |
12/31 1階リビングのインプラス温度測定データ 7 | |||
計測時刻 | 23:00 | 1/1 7:30 | 8:00 |
外気温度 | 7 | 5.5 | 5 |
寝室温度 | 24.1 | 23.9 | 23.7 |
内窓~外窓 | 12.7 | 9.2 | 9.9 |
室温-【内窓~外窓】 | 11.4 | 14.7 | 13.8 |
1/1 1階リビングのインプラス温度測定データ 8 | |||
計測時刻 | 8:30 | 1/2 21:00 | 22:00 |
外気温度 | 4.8 | 6.1 | 4.9 |
寝室温度 | 23.5 | 25.1 | 23.9 |
内窓~外窓 | 10.2 | 13 | 12.3 |
室温-【内窓~外窓】 | 13.3 | 12.1 | 11.6 |
1/2 1階リビングのインプラス温度測定データ 9 | |||
計測時刻 | 23:00 | 1/3 22:00 | 23:00 |
外気温度 | 4.4 | 3.8 | 3.1 |
寝室温度 | 24.1 | 24.1 | 24.3 |
内窓~外窓 | 12.2 | 11 | 10.6 |
室温-【内窓~外窓】 | 11.9 | 13.1 | 13.7 |
下のグラフから、2F寝室の温度測定を行ったときの室温およそ24℃にリビングの室温をあわせたとき、「内窓~外窓の空間温度」は2F寝室の出窓につけたプラマードと1Fリビングの出窓につけたインプラスではほとんど差がないといえるのではないでしょうか。
暖房ON 室温と「内窓~外窓の空間温度」を比較 プラマードVSインプラス
リビング 中空ポリカーボネートを使ったDIY内窓のデータを再検証 2022.01.08~10
以前にリビングの内窓の効果を検証するために計測した温度データをグラフにして再検証してみたいと思います。
当時の記事に興味がある方はこちらからご覧いただけます。リビングに内窓を取付けることで断熱効果を高め快適性はアップするの?
2022.01.08~10 インプラスと中空ポリカDIY内窓の温度計測データ 1 | |||
計測時刻 | 1/8 20:51 | 1/9 16:00 | 18:01 |
外気温度 | 8.2 | 12.3 | 9.9 |
寝室温度 | 19.7 | 19.7 | 19.7 |
インプラス【内窓~外窓】 | 12.3 | 14.7 | 13.2 |
DIYポリカ【内窓~外窓】 | 9 | 14.7 | 12.3 |
2022.01.08~10 インプラスと中空ポリカDIY内窓の温度計測データ 2 | |||
計測時刻 | 1/9 20:09 | 22:03 | 1/10 9:00 |
外気温度 | 6.4 | 4.9 | 4 |
寝室温度 | 19.7 | 19.1 | 19.1 |
インプラス【内窓~外窓】 | 13.9 | 10.7 | 9.9 |
DIYポリカ【内窓~外窓】 | 10.7 | 9 | 9 |
2022.01.08~10 インプラスと中空ポリカDIY内窓の温度計測データ 3 | |||
計測時刻 | 1/10 13:00 | 15:03 | 17:00 |
外気温度 | 14.7 | 13.9 | 13.2 |
寝室温度 | 20.7 | 19.7 | 20.5 |
インプラス【内窓~外窓】 | 16.9 | 16.9 | 16.2 |
DIYポリカ【内窓~外窓】 | 16.9 | 16.2 | 15.4 |
リビング暖房ON インプラスと中空ポリカーボネートDIY内窓の断熱効果
上のグラフから同じ室温でもインプラスと中空ポリカーボネートDIY内窓におけるそれぞれ【内窓~外窓】の空間温度に違いがあるのが分かります。それぞれの外窓の仕様は同じことから、「内窓の断熱効果の差」とみるのが妥当だと考えます。
私が行った、簡易モデルによる計算においても下表のようにアルミフレームを使った内窓が熱通過率は良くなっており、上のグラフ(2022.01に行った温度測定結果)と一致しています。
各内窓の材質 と 内窓のみに関する熱通過率(熱貫流率) | |||
フレーム | 面材 | 熱通過率[W/(㎡・K)] | |
DIYポリカ内窓 | アルミ | 中空ポリカーボネート | 10.5 |
1F インプラス | 樹脂 | 5mmガラス | 11.6 |
2F 出窓 プラマード | 樹脂 | 3mmガラス | 11.8 |
※熱通過率は小さい値ほど熱を通しにくく、断熱効果が高い。
リビング暖房ON インプラスの内窓効果(断熱効果)
リビング暖房ON 中空ポリカーボネートDIY内窓の内窓効果(断熱効果)
浴室用の内窓に興味がある方へ
・インプラス浴室仕様の断熱効果はどれくらいあるの?
・お風呂の寒さ対策 内窓で冷気をシャットアウト! 採寸と注文
・お風呂の寒さ対策 内窓で冷気をシャットアウト! 取付け
まとめ
プラマードVSインプラスの断熱効果に関する評価ですが、この勝負はドローというのが私の考えです。
1)23:00に暖房OFFして5:30に室温の保温状態を比較する項目ではプラマードの方が良い結果ではあるのですが、部屋の条件に開きがあり(窓などの開口部から逃げる熱【熱通過】:寝室730Wに対してリビングは1912Wと大差がありインプラスが不利である。)
2)暖房ONの状態で室内温度を同じにしたとき、【内窓~外窓】の空間温度はほぼ同じ値を記録しています。
3)簡易モデルによる計算において、寝室出窓のプラマードよりもリビング出窓のインプラスのほうがわずかに良い値ではあるのですが、窓面積はインプラスの方が広い分だけ不利である。
以上の理由によりほとんど差がないと判断しました。(ちなみに、単板ガラスのプラマードと単板ガラスのインプラスはJISにおける窓の断熱性等級はおなじH-4です。)
それから、今回の内窓の温度計測による性能評価を試みたことで「大きな窓ほど断熱効果の高い窓(内窓)が必要であること。」がわかりました。そしてもう一つは「一つ窓の断熱性能を上げても効果はあまり期待できないので、部屋全体の断熱効果を上げて熱の損失を抑える工夫が必要である。」ということです。
プロモーション |