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天然珪藻土塗料タイプ壁材(水性)で快適空間を作ろう。

 

中古住宅2階にある6畳和室のプチリフォームとして、シミが目立つ砂壁の化粧直しを行ってみました。

化粧直しといっても砂壁を修理するのではなく、ペット臭対策の一つとして消臭効果が期待できる、塗料タイプの珪藻土を砂壁の上に塗ってみたいと思います。

この中古住宅を購入した時には、シミや猫がつけたひっかき傷が、いたるところにありました。そこで、砂壁の修理のために塗料タイプの珪藻土を準備していました。

しかし、時間が無く、なかなか手が出ないまま長い間放置していました。今回は5月の連休で時間がたっぷりとありますので、時間をかけてゆっくりとDIYを行ってみました。

以前、一階にある一番ペット臭がきつい8畳和室の砂壁に、色違いの同じ商品を使ってみたのですが、その時は初めてで、あまりうまく仕上げることができませんでした。

なぜかといいますと、まずは緑の砂壁にクリーム色の珪藻土を塗ってしまった為に、色が違い過ぎてしまったこと。

それから、何度塗っても下地の色が透けてしまうため、その焦りから、ついつい濃い塗料を厚く塗ってしまったことです。

塗ってからしばらくは、なんともなく色透けが解決したかに思えたのですが、しっかり乾いてきたら珪藻土に、だんだんとヒビが入ってきました。

基本的には通常の塗装作業と変わりないのですが、一階和室の失敗を踏まえて、まずは砂壁と同系色である「若葉」の珪藻土を準備しました。

そして、塗料が濃すぎないように注意して、通常の塗料であれば2~3回くらいの重ね塗りできれいに仕上がるところを、下地が透けて見えないようになるまで、最低でも5~6回くらい重ね塗りをしています。

かなり根気がいりますので、心が折れないように十分に時間がある時に、時間をかけて行いたいDIY作業になるかと思います。その作業過程を写真で紹介してみたいと思います。

天然珪藻土塗料タイプ壁材なら、ペンキ感覚で砂壁の塗り替えができます。

 

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作業を始める前に準備するもの

フジワラ化学(株) かんたん・あんしん珪藻土 10Kg

和室砂壁の色が緑でしたので、珪藻土の色は砂壁に一番近い色である「若葉」を選びました。

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下地処理剤、テープ付き養生フィルム、養生テープ、ローラー、刷毛

下の写真にある、壁の下地処理剤はスプレータイプで、パッケージに説明があるように、砂壁が落ちないようにする壁の補強処理とアク・シミ防止を同時に行うものです。

壁から30~40cmくらい離して、均一にスプレーします。また、アク・シミがひどい場合は、一度乾燥させた後に、もう一度スプレーすることをすすめています。

乾燥の目安は施工後24時間です。今回ローラーハンドルとローラー受けは再利用するため新規では購入していません。

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珪藻土とは? フジワラ化学株式会社HP資料より抜粋

出典: フジワラ化学株式会社HPより

藻類(プランクトン)の死骸が、海底や湖底に長年にわたって堆積してできた粘土状の泥土で、古くからコンロ、耐火煉瓦の原料やビールの濾過材、吸着材、脱臭材などとして幅広く利用されてきました。その特徴は以下の通り

特徴  (メリット)

調湿性、防火性

室内の湿度が高くなると、珪藻土仕上材が水分を吸収し、乾燥状態になると逆に水分を放出し、急激な湿度変化を抑制します。

 

結露防止

水分を吸収できる機能が高いため、壁面や窓ガラスに不快な結露が発生しにくく、防カビ性にも優れています。

 

耐火性

珪藻土は熱伝導率が低く、断熱性能が高いため、夏涼しく、冬は暖かな快適空間づくりが可能です。

 

ホルムアルデヒド不使用

製造工程においても、ホルムアルデヒドを含む原材料を使用しておらず、施工後壁面からの有害物質の放出がありません。

 

多様な仕上げ方法

漆喰調のフラットな仕上げから、麻入りや藁入りの仕上げ、波模様の仕上げ、さらには土壁調の仕上げと多様な仕上げ方法。

 

VOC不使用

トルエン、キシレンなどの揮発性有機溶剤は使用しておりません。安全な水性の仕上げ材です。

 

吸着・分解

吸着したホルムアルデヒドは、壁材内で無害なものに分解され、室内に再放散しません。

 

脱臭性

珪藻土の持つ微細孔は、アンモニアなどの悪臭物質・有害物質を吸着し、室内空間をクリーンに保とうとする働きがあります。

 

 塗装前の下処理

準備した下処理剤をスプレーする前に、まずは養生を行います。今回テープ付き養生フィルムを用意したのですが、テープの粘着力が結構強く、以前、木材に塗っていた油性ニスが剥がれてしまいました。珪藻土の塗装終了後にニスの手直しをしようと思います。

ところで、この部屋は寝室として使っているため、砂壁にたくさんの綿埃がついていました。そこで、下処理剤をスプレーする前に、コロコロを使ってホコリを除去してみました。その後に下処理剤を均一にスプレーし、乾燥させます。下地処理として、コロコロで壁の綿ホコリを掃除してみてはいかが?

ころころで壁のホコリを除去して下処理
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塗料タイプの珪藻土を砂壁に塗ってみる

注意点

ローラで塗装する際の注意点として、際の仕上げが難しいことが挙げられます。下の絵を見て頂くと分かると思いますが、壁の隅のところは窓台や柱などがある為、ローラでは壁の隅まで塗ることができません。このような場合は、先に刷毛で際を塗ってしまいます。

そして、その後ローラで数回に分けて重ね塗りをしていきます。(塗装のプロのまねをしています。)

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実際の作業風景

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上の写真、一番右側が珪藻土の塗料です。珪藻土は容器のなかに袋詰めされています。中央手前の空き容器を使って小分けしてローラ受けに移していました。

中央奥のバケツには水を入れています。一日の作業終了後にローラと刷毛を水に浸けて、塗料で硬化しないようにします。

ちなみに油性塗料を使って作業しているときに、日をまたいで作業する場合は、作業終了後に、刷毛をシンナーに浸けて、塗料による刷毛の硬化を防ぎます。(塗装のプロが行っています。)

水性塗料であれば、作業期間中は刷毛を水の中に浸けて保管油性塗料であれてば、作業期間中は刷毛をシンナーの中に浸けて保管

 

塗装のコツ

ローラーに付着した余分な珪藻土塗料をシゴキ落とす
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上の写真 ローラでも、刷毛でも同じなのですが塗料をつけ過ぎるとうまく塗ることができません。塗装の基本として、一度ローラもしくは刷毛に塗料をつけた後、ローラ受けの右側の傾斜部分でしごいて余分な塗料を落とすのがポイントです。

刷毛、もしくはローラーを使って塗装を行う時、塗料に浸した刷毛もしくはローラを、一度「しごいて」余分な塗料を落とす。

 

塗料の濃さは?

本商品の説明書きでは

「粘りが強い場合はごく少量の水を加えて、よく混ぜてから塗ってください。」

「1回目が乾燥してから(2~3時間 20℃)2回目を塗ってください」

と記してあります。

塗料を使用するときの濃度の目安をお伝えするのは大変難しく、あくまで参考にして頂きたい記事がありますので紹介します。塗装のプロは吹き付け塗装の際、下記資料のように粘度計を使って塗料の濃度を測って調整しています。

 

プロの知識

ヤフー不動産 教えて住まいの先生より

塗料の濃さ質問 塗料アンサー 塗料回答2

 

この商品を開梱した状態で、刷毛を塗料につけてから持ち上げると、「べっとり」とした感じがするくらい濃いようです。

一度に全部を薄めてしまうと、もしも、薄めすぎたときに対処できなくなりますので、必要な分だけ小分けしてその都度、少しづつ水を加えては、よくかき混ぜて粘度を確認します。もしも、まだ濃すぎるようでしたら、また少し水を加え良くかき混ぜて粘度を確認するを繰り返して適正な濃さまで調整します。

上記の記事は、通常の塗料で吹き付け塗装するときの粘度に関しての説明です。しかし、擬態語を使って表現しているため、なかなか分かりづらいとは思いますが、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

ちなみに、この珪藻土は極端に薄めすぎないほうが良いかと思います。しかし、濃すぎると塗料の「のび」が悪いし、ひび割れの原因になってしまいます。

そこで、私の主観で表現するならば、

塗料を良くかき混ぜた後に刷毛を持ち上げたとき、「粘度を感じながら」も塗料が「サラッ」と垂れてくるくらいでよいかと思います。

こちらも擬態語になってしまうのですが雰囲気として伝わることを願います。それから、商品の注意書きに、一回目が乾燥するまで2~3時間おいてから、そのあとに2回目を塗るように記していますが、下の写真くらいに薄く塗った一回目の塗装では、乾燥時間として20~30分もあければ、十分だと思います。

 

下の写真 砂壁にシミがあるのがわかるでしょうか?

塗装前の砂壁(養生済み)
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1回目の塗装が、これくらいに薄いものであれば、2回目の重ね塗りをするまでの待ち時間は短くても良いようです。

1回目の薄塗り塗装を完了
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上の写真では、先に際の部分を刷毛である程度仕上げてから、内部をローラで1回薄く塗ったところです。この塗料タイプの珪藻土でも、通常の塗料と同じように重ね塗りしていきます。

ただし、通常の塗料と大きく違うところがあります。それは、通常の塗料より「のび」があまり良くないという点です。ですから、重ね塗りの回数をかなり増やさないと綺麗に仕上がりません。私は今回、5~6回(目安)くらいの重ね塗りをしています。

今回、ゴールデンウィークを施工期間にあてているので、1日に2面くらいのゆったりしたペースで塗装しています。

もしも、この珪藻土に興味があり、壁に塗ってみたい方は通常の塗装より時間が掛かると考えて、時間にゆとりを持った計画を立てて取り掛かったほうが良いようです。

また、商品として梱包さている状態では、すこし粘度が高いようですので、別容器に小分けにして、少しづつ水を加えながら濃さを調整してから塗ると良いようです。

ちなみに、この商品の注意書きにもあるように、珪藻土を厚く塗ると、乾燥後にヒビが入るようです。

しつこいようですが、薄く塗り重ねて、下地が透けなくなるまで繰り返した方が、きれいに仕上がりますよ。

重ね塗りでキレイに仕上がります。
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もしも、「 塗り損じたとき 」はどうしたらいいの?

マスキングテープで養生していても、つい塗料がはみ出してしまうことがあります。そんなときはすぐに拭き取るようにしましょう。

いくら水性塗料といえども、時間が経つと、しっかり固まり拭き取っても取れなくなりますので、迅速な対応が必要になります。

マスキングテープから塗料がはみ出してしまった!!
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あらかじめ、空き容器に入れた水とティッシュを準備しておくと便利です。今回は水性塗料ですので、水をつけると比較的綺麗に拭き取れます。

拭き取り用の水とティシュがあると便利
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私は上の水を、塗料を薄める時にも使用しました。もしも、油性塗料を塗るときはシンナーを準備しておくと、塗料ふき取りに便利です。塗料がはみ出したらすぐに拭き取ります。

ティッシュに水をしみこませてからふき取り

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時間を空けてから、はみ出した塗料を拭きとうとしても、乾燥し始めた塗料はキレイに拭きとれないことがありす。

仕上げにティッシュで乾拭き仕上げ
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最後は、ティッシュで乾拭きしておくと良いでしょう。

 

塗装終了後 十分乾燥してから養生を剥がしましょう

塗装終了後、どのタイミングで養生を剥がすのが良いかといいますと、最低でも、一晩は乾燥させてから、養生を剥がすようにしたほうが良いと思います。塗料が乾いてからでは養生テープが硬くなって剥がしにくいとお考えの方もいらしゃるでしょう。

しかし、十分に塗料が乾かないうちに養生をはがすと塗料がにじみだすことがあります。また、自分の手が汚れたり、或いは汚したくない他のところを塗料で汚してしまう可能性もあるからです。

養生テープは塗料がよく乾燥してから剝がします。
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施工写真

施工前の様子

珪藻土塗料を塗る前の砂壁の状態
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結構シミが目立っている砂壁
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養生 塗装作業をスムーズに行うために

エアコンをしっかり養生
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珪藻土塗料を塗っている様子

縁取りをハケ塗り、ローラーで薄塗り
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重ね塗りのレイヤー
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重ね塗りの回数を変えて比較しています。

 

珪藻土塗料の塗装施工を完了

部屋の雰囲気が明るく
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砂壁のシミが消えた!
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時間が掛かった分、充実感もひとしお
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気になる脱臭効果は?

製造元は脱臭効果も謳っていますが、正直あまり良くわかりません。以前、一階の和室に同じ珪藻土の塗料を砂壁のシミを消すことと、脱臭を期待して塗ってみたのですが、テルモのイオン消臭機もあわせて24時間連続稼働させていますので、珪藻土単独で、どれほどの脱臭効果があるのか定かではありません。

今はペットの「尿臭さ」は殆ど感じません。しかし、イオン消臭機のほのかなガス臭い感じがありますので、個人的感想としてはイオン消臭機の脱臭効果の方が効いている感じがします。

もしも、部屋のニオイでお困りの方で脱臭機に興味がありましたら、脱臭機を紹介していますのでよろしかったら下記の記事をご覧ください。

 

 お部屋のニオイにお困りの方へ   脱臭機の紹介

家のニオイの悩み

 

壁紙に塗料を塗ってみました。壁紙の塗装に興味がある方はこちらをご覧ください。

暮らしのDIY 壁紙ペイント

デメリット

この商品は、通常の塗料と比べて使用量が多くなるようです。一般に重ね塗りといっても2~3回くらいなのですが、この塗料タイプの珪藻土では地肌が透けないようにするには最低でも5~6回(薄く塗った場合)は重ね塗りする必要があるようです。

ですから、必要とする塗料の量が多い事と、重ねる回数が増えるということはそれだけ時間がかかるということです。

 

まとめ

珪藻土の主な特徴として、調湿効果が期待できます。部屋のカビが気になる方や、部屋の結露が気になる方にはおすすめしたい塗料です。

仕上がりは通常の塗料に比べて、つやが無く漆喰のような落ち着いた印象です。特に和室との相性がよいのかと感じます。

珪藻土の塗料を塗ったあとは、少し粉っぽい匂いがありますが、自然素材のものですからしばらくしたら気にならなくでしょう。

今回は何度も重ね塗りをおこないましたので、かなり綺麗な仕上がりとなりました。この塗料を施工されるときは何度も重ね塗りをする必要がありますので、十分に時間がある時に、気長に作業を行うほうが良いかと思います。

もしかしたら、気が短い方にはあまり向かないかも知れません。綺麗に仕上がったと思っても、しばらく時間が経ち乾燥してくると、下地が透けたような色むらを感じてしまいます。

そのうち、繰り返し重ね塗るのが面倒臭くなり、つい厚く塗料を塗りたくなってしまうからです。塗料を厚く塗ってしまうと、あとから塗料にヒビが入りますのでご注意ください。

「ほんのり豊かに、快適に暮らす」ためのヒントになりましたら、幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。
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