2018年に国際連合環境計画(United Nations Environment Programme)が発表したSingleーUse Plastic によると、プラスチック包装廃棄物(Plastic packaging waste generation,2014)の排出量は最多の中国につづき、EU28,アメリカ、インドの順となり、そして日本は5位でした。また、一人当たりのプラスチック包装廃棄物の排出量では最多のアメリカに次いで、日本は2位という結果でした。
また、OECDサイトには Municipal waste(一般廃棄物)2000-2018 としてデータが掲載されていますが、OECD加盟国(現在37ヶ国)を対象としたものです。(ちなみに国連加盟国193ヶ国)このOECDのMunicipal waste2000-2018 によると、2017年分データにおいて「一人当たりの一般廃棄物の排出量の多い国」はデンマーク、ノルウェー、アメリカ、ニュージーランド、スイスと続き日本は34位なのですが、「一般廃棄物の合計排出量の多い国」ではアメリカ、(中国)、ドイツ、日本、トルコの順となります。このような結果を皆さんはどう感じますか?
エコバッグ・マイバックをはじめませんか?
レジ袋有料化の意義とは
レジ袋有料化の意義はパンフレットの冒頭にあるQ1に対するアンサーに明示されています。
海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの解決に向けた第一歩として、プラスチック製買い物袋の有料化を通じて、マイバックの持参など、消費者のライフスタイルの変革を促すことが目的です。
レジ袋の有料化事例 諸外国
日本のレジ袋有料化とは
毎日の生活に欠かせない日用品、食品、衣料などありますが、いずれの買い物にもレジ袋はもれなくついてくる存在として、当たり前に暮らしてきました。
そのレジ袋は2020年7月より全国一斉に有料化されることとなりました。レジ袋の取り扱いは、これまで各企業ごとに対応が分かれていました。
私が普段食品を購入しているイオンのマックスバリュでは2019年9月よりすでに有料化を実施していました。
それまではレジ担当によりレジ袋をゆとりがあるように多めにつけてくれる人と、そうでない人と開きがあったのですが、さすがに有料となるとレジ袋の大きさと数量を決める自分のジャッジもシビアになります。
結果的にレジ袋の消費量は確実に減ってきました。そして、レジの対応でも「袋はありますか?」とか「袋をお付けしますか?」という問いかけが当たり前になり、ごく少数ではありますがマイバックを持参する人や、レジ袋の再利用をする方を見かけるようになりました。
2020年7月からは開梱後の商品用の空段ボール箱も袋詰め台のところに置いてあり自由に利用できるようになっています。
経済産業省サイトより パンフレット掲載
エコバッグ/マイバッグとは カナダ移住体験より
好奇心旺盛な24歳の私は単身カナダに渡りました。兄貴的存在のテニス仲間の先輩がカナダのスキーリゾートで仲良くなったビジネスオーナーの日本人を訪ねるようにと仲介してくれていたので、先輩からもらった一枚の名刺を頼りに旅をスタートしました。
英語に不安がありましたが、現地までたどり着いたら何とかなるという安心感はありました。そんな形から始まった海外生活でした。リゾート地とはいえ現地住人のためのコミュニティーがあり、生活に必要な病院、学校、教会、スーパー、コンビニ、映画館などの施設は一通りそろっていましたので不便と感じることはさほどありませんでした。
今では日本でも当たり前になりましたが、当時の日本では想像もつかないセルフのガソリンスタンドとコンビニのセットが割と多かったように記憶しています。ガソリン代の支払いもコンビニのレジでおこなっていました。ところで、カナダのレジ袋有料化は2008年マニトバ州でのレジ袋無料配布の禁止から始まっているようです。そして、使い捨てプラスチックの2021年までの段階的禁止を2019年に発表しています。
カナダ移住でのプラスチックバックに関するエピソードといえば1989年当時、日本人の私にとっては非常に新鮮だったのが、「Plastic Bag?」という店員の問いに「No thank you」とカッコよく答える男性が結構多かったこと、また雨の日でも傘をさす人は殆どいなかったそんなカナディアンを”Wild”で”Cool”だなと感じていました。
刺激に敏感な20代の私は、そんな環境にいることで自然とコンビニでは「No thank you」が当たり前になっていました。独身時代はレジに並ぶのが嫌で極力スーパーへ行かなかったのですが、結婚してからはスーパーでの荷物持ちが当たり前となり、徐々にレジに並ぶことに慣れました。
さすがに、スーパーではたくさん買い物をしますのでプラスチックバックは貰っていました。その頃、プラスチックバックは無料配布されていたのですが、環境保護の意識が高いカナディアンはマイバッグを使っていましたね。
それから、わりと頻繁に見かけるカナディアンの行動でいいなと思ったのが、例えば大きな荷物を持っているときや、または、買い忘れがあって再入店するときなど店内に入るような場面では、店内で万引きを怪しまれないようにするために店員に声を掛けてレジ裏で荷物を預かってもらうことです。
余談ですが、スキー場で18、19歳のヤンキーみたいな子たちがタバコをリフトの上で吸った後、吸い殻は捨てるのですが、フィルターの部分だけはゴミとして持って帰るんです。なぜかと言うと、タバコを捨てた後、葉の部分は自然に還るけども、フィルターの部分だけはずっと残ってしまうからなんです。私はそんなヤンチャなティーンの行動からも自然をリスペクトするカナディアンの環境保護意識の高さを肌で感じずにはいられませんでした。
レジ袋有料化反対派の主張に耳を傾けてみる
レジ袋有料化反対派の根拠はどのようなものかネットで調べてみました。
● ポリ袋が海洋ごみに占める割合がわずか(容積ベースで0.3% 重量ベースで0.4%)でありレジ袋有料化による海洋プラスチックごみの削減効果はほぼ無い。
● 石油精製時にポリエチレンは必然的にできるのでポリエチレンを使用する方が資源の無駄がない。
● ポリ袋は薄いので資源使用量が少量で済む、紙袋と比較して3割も少ないエネルギーで製造が可能、輸送に必要なトラックも7分の1である。
● 買い物に使われたあとはゴミ袋として使われるなどリユース率が高く、ゴミとして焼却しても理論上、発生するのは二酸化炭素と水と熱であり、ダイオキシンなどの有害物質は発生しない。
● 使用量が多く、海洋ごみとしても大きな割合を占めるペットボトルや発泡スチロールではなく、なぜ真っ先にレジ袋が排出抑制の槍玉にあげられたのかは不明
それから、目立つ意見としてはレジ袋の価格を3円から5円にしてもレジ袋を使わなくなることはないだろう。あと、マイバック使用による万引きも懸念しているようです。飲食関係ではマイバックに対して衛生面での不安があるため、バイオマス素材を25%以上配合したレジ袋を無料配布する企業もあるようです。
レジ袋の原料について
そもそもレジ袋はなにからできているかご存じでしょうか?
レジ袋とは Wikipediaより 抜粋
小売店において、購入した持ち帰り商品を入れるためにレジで渡されるポリオレフィンなどの材料で作れた袋を指す通称。
ポリオレフィンとは Wikipediaより 抜粋
ポリエチレンはエチレンを重合させて得られるポリオレフィンである。ポリプロピレンも良く知られるポリオレフィンであり、プロピレンから作り出される。
原油から作られるポリエチレン
出典:日本ポリエチレン製品工業連合会 プラスチック入門編より
ポリエチレンを燃焼しても有害物質は発生しないのか
出典:「プラスチックごみの処理方法を考える研究会 代表 稲葉 敦(工学院大学工学部 教授)」の中間報告より抜粋
1997年1月に「ダイオキシン類発生防止等ガイドライン」が改訂され、廃棄物処理法施工令等の改正を行い、廃棄物処理施設は廃棄物の安定的な供給、800℃以上での燃焼、排ガス温度のおおむね200℃以下への冷却、高度な排ガス処理の実施などが義務づけられ、またダイオキシン類濃度の測定義務ももうけられました。
ダイオキシン類の排ガスの国際基準は0.1ng-TEQ/㎥N以下ですが、実際はこの値の1/10から1/100になるように設計・管理されています。
日本におけるごみ処理
出典:環境省 日本の廃棄物処理の歴史と現状 より抜粋
2000年に「循環型社会形成推進基本法」を制定しました。
循環資源の処理について、①発生の抑制、②再使用、③再生利用、④熱回収、⑤適正処分の順に行われるべきとの基本原則を初めて法定化しました。
1995年 容器包装リサイクル法
スチール缶、アルミ缶、ガラスびん、段ボール、紙パック、紙製容器包装、ペットボトル、プラスチック製容器包装(プラスチック容器、キャップ、卵パック、カップめん容器、卵パック、コンビニ弁当の容器、菓子包装、レジ袋等)
※自治体により対象品が違うよです。私の居住自治区ではプラスチック製容器包装は燃えるごみの対象となっています」。各家庭に「ごみ収集カレンダー・分別表」が配布されていて、その指定に沿って分別が行わています。
容器リサイクル法の立法主旨からすれば、市町村は容器包装の分別収集を行うことを期待されていますが、必ずしも分別収集義務が課されているわけではありません。分別収集を実施するかどうかは、市町村の意思次第です。
1998年 家電リサイクル法
家庭用エアコン、テレビ(ブランカン式、液晶式、プラズマ式)、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、電気洗濯機、衣類乾燥機
2000年 食品リサイクル法
食品廃棄物等、食品の製造や調理過程で生じる加工残さで食用に供することができないもの、食品の流通過程や消費段階で生じる売れ残りや食べ残し等
2000年 建設リサイクル法
特定建設資材①コンクリート、②コンクリート及び鉄からなる建設資材、③木材、④アスファルト・コンクリート
2002年 自動車リサイクル法
自動車に含まれる処理困難で不法投棄につながる3品目(シュレッダーダスト、フロン類、エアバッグ類)は自動車メーカーが引き取り、リサイクルすることを定めています。
2012年 小型家電リサイクル法
パソコン、携帯電話、デジタルカメラ、時計、ドライヤーなど一般消費者が通常生活の用に供する電気機器その他の電気機械機器のうち、効率的な収集運搬が可能であって、再資源化が特に必要なものを政令指定
最後に「今後の展開」として明記していまが、要約しますと次のようになります。
これまで、3Rの取り組みの進展、個別の法整備、国民の意識向上等により、最終処分量の大幅削減が実現。しかし、世界規模で資源制約が強まる中で、天然資源の消費の抑制が強く求めれていることと、循環基本法における優先順位がリサイクルよりも高い2R(リデュース、リユース)の取り組みが遅れていること、廃棄物等から有用資源を回収する仕組みが十分に整備されていないなどの課題が依然と存在しています。
日本におけるごみ処理の課題
リサイクル比率は
経済産業省 循環経済ビジョン研究会 資料より
上の資料より、日本において廃棄物の再生利用率は徐々に上がっています。
廃棄物の焼却処分は
しかし、諸外国に比べて一般廃棄物のリサイクルは比率はあまり高くないのが分かります。また、焼却処理の比率が極めて高いことが分かります。ある程度の年齢の方であればよくご存じのように、日本は東京の「夢の島」に代表されるような、ごみの埋め立て問題に苦慮した時代がありました。その後は、ごみの埋め立てによる最終処分を減らすために「ごみの焼却処理」がすすんで現在に至ります。
ネット上では廃棄物の焼却処分の比率の高さを非難する声もあります。その理由として、せっかく回収したプラスチックごみをマテリアルリサイクルではなく、サーマルリサイクルとしゴミ燃焼の燃料として利用していることへの不満もあり異を唱えているようです。
廃棄物処分の地球温暖化への影響は
それからもう一つ気になるのが地球温暖化ではないでしょうか?地球温暖化の原因と言われている温室効果ガスCO2の排出量において廃棄物処理が占める割合は、全体の3%になります。
出典:環境省 2018年度の温室効果ガス排出量(速報値)について より
廃棄物発電について
出典:環境省 廃棄物エネルギー利用高度化マニュアル より要約
平成27年度時点のごみ焼却施設における発電施設数は348施設、総発電能力は1,934MWであり、総発電電力量は8,175GWh/年となっています。発電効率は平成27年度時点では12.59%となっており、今後さらに高効率化を図っていく必要があると述べています。
(ガスタービン燃料電池複合発電【LNG】63%程度、石炭ガス化燃料電池複合発電55%程度 資源エネルギー庁 火力発電高効率化より)
また、今後の廃棄物エネルギー利用の方向性として、ごみ焼却施設はごみを適正に処理する廃棄物処理施設としての役割を第一義に担っているが、市町村が自ら整備する地域のエネルギー拠点としての性格もあわせ持っていると述べています。
エコバッグ/マイバッグが普及するために
基本的にはレジ袋の有料化に対して男性よりも女性の方が敏感なのはかと思います。細かな支出の積み重ねになりますね。私の場合、週一の食材買い出しで15円のレジ袋代を支払っています。1年52週ですから、年間780円、10年で7800円の支出となります。
多くの男性はこの金額なら手ぶらで行ってレジ袋代を支払った方が良いと考えるかもしれません。実際、海外の例から分かるようにレジ袋を有料化しても金額が安いとあまり削減効果が期待できないようです。
それからもう一つ、マイバック普及の障害といか小さな壁は利用者側の心理ではないかと思います。特に男性にとっては心理的な壁が大きいのではないかと思います。まず第一に「面倒臭い」、第二に「なんとなく格好悪い」、そして、「万引きを疑われたくない」。
年間780円 < 「面倒臭い」「なんとなく格好悪い」「万引きを疑われたくない」
結果として、多くの男性はレジ袋を購入するという行動をとるのではないかと私は考えます。そこで、私からの提案は
Go Wild or Stylish
例えば、購入品が少ない時はレジ袋を辞退して商品にシールを貼ってもらい、レシートを持って店から退出する。 ⇒ Go Wild
もしくは、あらかじめ準備をしてみてはいかがですか?私は下の写真のように、普段は財布とスマホ入れとして使っている小型のバッグ(本来はモバイル機器用)の中に折りたたんで携帯できる薄手のトートバッグを準備しました。これなら店に持ち入っても万引きを疑われることもないと思いますよ。 ⇒ Stylish
adidasのトートバッグです。非常に軽くて持ち運びが楽です。買い物かご一つ分くらいのは荷物が入るし、買い物後はエコバッグとして肩にかけて歩きやすい丁度いいサイズ感がマル。とても使いやすいですよ。さりげないアディダスのロゴもいい感じ。
エコバッグ/マイバッグデビュー
なにごとも初めては緊張します。おそらく、女性はであれば普段からハンドバッグを持ち歩きながら買い物をすることに慣れているであろうと思うのですが、男性にはちょっとハードルが高いように思います。スーパーでカートを使うのでさえ最初はものすごく抵抗があったのですが、今は ”恥ずかしさより便利さが勝る” 状態になり、ほとんど抵抗なく使っています。
私が購入したマイバッグは、バッグにレジかごが余裕で入るくらいの大きさがあるため、バッグを車からスーパーに持ち込むまでが勇気がいりました。しかし、いったん店内に入りカートにマイバッグを放り込んでしまえば、あとはかなり気が楽になりました。
バッグはコンパクトに折りたためて本体に取り付けてあるゴムで止めることができますので、万引きと疑われるようなことも心配ありません。
レジでの支払いが終わって、購入品をバッグに入れるときはバッグの開口が大きいのでかなり楽に入れることができます。バッグの本体には薄めの保冷加工もされています。また、万が一荷物が多くなったとしても下の写真のように、通常は折り返しているカバーシートをひろげると容量が増えるし、中身も見えることはありません。
レジかご2つ分の買い物でしたが、バッグにはまだ余裕があります。普段から持ち歩くようなマイバッグではありませんが、まとめ買いを行うかたには便利かとおもいますよ。荷物が多くても肩に掛けられるので安心です。
私が愛用しているエコバッグをご紹介しています。このバッグはまとめ買いをする方にお勧めします。それからカラーバリエーションが豊富なところもいいですね。
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