中古住宅を購入して、セルフリノベーションする人はそんなに多くはないのかもしれませんが、時間にゆとりがある人にとっては結構楽しい作業になるのではないかと思います。
私の経験からいうと、最初はただお金をあまりかけずに快適な暮らしを手に入れたと思って始めたセルフリノベーションでしたが、やり始めると、だんだんハマってきて楽しくなっくる気がします。
とくに男性にとっては、電動工具もスポーツ感覚を味わうことのできる道具のような気がします。ですから、スポーツ競技の道具に凝っていくように、そのうちにだんだんと電動工具のコレクションが増えていく気がします。(最近は女子DIYerも増えているみたいですね。)しかし、塗装に関しては、さすがにプロが使う「吹付け塗装」の道具までそろえている人は極めて稀でしょう。
私は、「ローラー塗り」と「刷毛塗り」しか経験がありませんが、どんなに頑張っても吹付け塗装の仕上がりにはかないません。ですから、塗装もプロがやると、仕上がりが段違いにきれいに仕上がるんです。
塗り方は違えど、塗装の基本は共通しています。塗装をきれいに仕上げるためには下処理と養生にも時間をかけ丁寧にする必要があります。きれいな下地を整えていないと、どんなに上手な人が塗装しても、塗装の仕上がりは決してきれいにならないことは自信をもってお伝えします。
壁紙の貼り換えはできないと思っているあなたへ。 それなら、壁紙ペイントをやってみませんか。
安い中古物件との出会い リフォーム費用を見越して選ぶ
今住んでいる家のことを不動産物件の広告で見て、あまりにも安かったので、その当時の私は、これって「訳あり物件ではないのかな?」と疑いました。
しかしながら、早く応募しないと他の方に先を越されていまうと思い、疑心暗鬼なままではありましたが、不動産屋さんにすぐアポをとりました。結果として、たまたま私が一人目の応募者だったということで、無事契約に至ったのです。
前オーナーがこの物件を手放すこととなった理由は、旦那様の他界だということでした。それで特に訳あり物件ではないと判断しました。とにかく、早く売却したくて安く売りに出していたようです。
土地付き550万円、建屋の評価価格は250万円、(土地300万円)くらいですので、内装はかなり傷んでいました。
住宅を長持ちさせるためには 屋根と外壁塗装は大事なのだが、費用は高い
この先、家を長持ちさせるためのリフォームとして屋根と外壁の塗装をすすめられました。しかし、2階建て物件では、本格的に足場を組まなくては作業が出来ません。そうなると、塗装費用として100万円以上の費用が加算されてしいます。そこで、初期費用を抑えるために、購入時のリフォームメニューの中に「屋根および外壁塗装」は入れませんでした。
中古住宅購入時の費用と税金を安くするため 借入金使途の選択と集中
かなりテーマから逸れてしまいましたが、つまり、家の購入費用(銀行からの借入金)を抑えるために、必要なところにはお金を使うけれども、余計なお金は使いたくなかったのです。基本的に、来客があっても、客人を通すのは一階のみです。そこで、一階の和室以外はプロにお願いして、壁紙の張替えをお願いしました。(和室は砂壁なので除外)
キレイに仕上げたいところはプロに任せる
購入した家の和室を除く、一階の玄関、脱衣室、リビング、ダイニング、キッチンは業者さんに壁紙の張替えをやってもらいました。
人に見られないところはDIY
残りは階段の壁と2階の2部屋の壁です。一つはランドリー部屋、もう一つは作業部屋です。ここは多少散らかしても気にならない部屋です。
前置きが随分と長くなりましたが、今回DIYで塗料を塗るのは階段の壁、ランドリー部屋、そして作業部屋です。
階段の壁にペンキを塗ってみました。
工務店の見積もりには、この部分の壁紙交換の費用も加算されていました。施工前の写真がないのですが、実はこの部分の壁紙が一番汚れていました。なぜかといいますと、この階段はキッチンから二階につながっているため、調理時の煙が抜けるちょうど「煙突」のような存在だったようです。
階段の壁紙にペンキを塗ってみました
階段の壁紙を塗装した後は、料理の煙が抜けないようにするため、階段の登り口にカーテンをつけています。このカーテンがあることで、冬場は「冷気の侵入を抑え、なおかつ、暖気が逃げるのを抑える」ことに貢献しています。
一見すると、簡単そうに見えますが、実は階段ホールでの作業は非常に大変なんです。なぜかというと、階段から天井まではかなりの高さがあり、しかも、脚立を普通に立てることはできないからです。
ちなみに、わたしは脚立を広げずに、階段から壁に立てかけるようにして作業を行いました。
作業の準備の一例 (安全に作業を行うために)
階段の下に「立ち馬」を据えて、道板(作業用の板)等を階段と立ち馬の上に渡すことで、作業足場を確保できます。
階段ホールでの作業準備の一例
作業の準備の一例 その2 (安全に作業を行うために)
短い「ハジゴ」を階段ホールの壁に立てかけて、そのハジゴに道板を渡すことで足場を確保することができます。
階段ホールでの作業準備の一例 その2
この方法は、ハシゴの先端を壁に預けるようになりますので、石膏ボードの壁には適さいと思います。板壁で、しかも下地がしっかりとしていることを確認してから、ハシゴをかけるようにしましょう。
塗料の選択 使いやすさを考えれば断然、水性塗料がおすすめ
私は水性塗料を選びました。家庭で塗料を使用する時は、ほぼ水性塗料で問題ないかと思います。
今回、壁紙のペイントに使用した水性塗料を、試しに屋外にある給湯器の金属製の灯油タンクにも塗ってみたのですが、5年ぐらい経っても著しい劣化はないようです。
それから、
水性塗料の魅力
なんと言っても油性塗料に比べて、管理のし易さと、「刺激の少ない匂い」は大きな魅力です。
使用後は刷毛あるいはローラーに付着した余分な塗料をふき取り、その後水洗いをして、付着した塗料を綺麗に洗い流せば刷毛もローラーも再使用できます。
環境保護を考えて、極力刷毛等の洗浄水を流さない。
使い捨て容器の中に水を入れ刷毛を洗い、水をそのまま放置して水分を乾燥せてしまえば、燃えるゴミとして処分することもできます。
また、刷毛は色ごとに使い分けて余計な水洗いをなくし、使用後の刷毛は塗料を乾燥させてから燃えるごみとして処分することで、汚水の排出を最小限に抑えることができます。
使用したペンキです
ホームセンターで買った、一般的な水性塗料です。
塗装の基本
壁紙に限らず塗装は重ね塗りが基本です。
なかなか一回で綺麗にムラなく塗り上げるのは厳しいかと思います。「塗装作業を早く終わらせたい」という気持ちが強いと、ついついやってしまうのが、刷毛にペンキをたっぷりつけてしまうことです。
刷毛にペンキをつけすぎると、まずは、ペンキを垂らして、いたる所を汚してしまいます。それから、色むらが出やすくなってしまいますし、塗ってしばらくしてから、「塗装面にペンキの垂れ」が発生してしまうことがあるのです。
塗装の基本 その1 下処理
それから、塗装で大事なのが下処理です。塗料を塗ることで、表面が隠れていまうからといってもベースの面が荒れていればそのまま仕上がりにも影響します。
ただ、壁紙の上から直接ペンキを塗るとなると、ペーパーをかけたりすることは出来ませんので、掃除機やほうき、あるいは、ハケで埃を綺麗に取り除き、また油汚れ等がある場合は中性洗剤を使って綺麗にふき取ってから塗料を塗ると良いと思います。
塗装は下処理が大事、油よごれは脱脂が必要です。
塗装の基本 その2 養生
もうひとつ大事なのが養生です。塗装は簡単そうに見えて実はかなり手間がかかり、労力を必要とします。
そして、仕上がりを左右するといっても過言ではないのが、マスキングテープによる養生でしょう。他の作業でも言えることですが、際(きわ)の仕上がり具合で見栄えが大きくかわります。
下処理が悪くてマスキングテープの付きが悪い場合、塗料がにじみ出てしまいます。中古の住宅では、室内に料理の湯気に含まれる「油汚れ」や「タバコのヤニ」が至るところに付着していることが考えられす。
我が家ではキッチン近くから2階へ上る階段を設けてあるため、特に「階段」と「2階の降り口」あたりは非常に油汚れが目立っていました。そして、マスキングテープから塗料のにじみが発生したのもそのあたりでした。おそらく油の除去が足りなかったのだと思います。
失敗例
マスキングテープの貼り付けが悪いために、ペンキが滲んでいますね。
養生が悪いと、ペンキが滲んでしまう
寝室の砂壁に珪藻土塗料タイプ壁材を塗ってみました。興味がありましたらご覧ください。
まとめ
部屋のイメージチェンジのために、壁紙を貼り換えることはよくあることですが、部屋のイメージチェンジのために壁紙をペイントするという発想は、ふつう、あまりないですよね。
実は、部屋のイメージチェンジのコストを考えると、壁紙をペイントするほうが、壁紙を貼り換えるより遥かに安く仕上がります。それから、作業の種類は全くちがいますが、壁紙の貼り換えよりは、壁紙ペイントのほうがハードルは少し低いと思います。
但し、いいことばかりではありません。壁紙にペイントすると、壁紙の表面でペンキが固まり硬くなってしまいますので、もしも、壁紙を貼り換えるときに壁紙を剥しづらくなるし、新しい壁紙を貼る前の下処理が少し大変になる気がします。(ペンキを塗った壁紙を剥した経験はありませんので、あくまで、推測です。)
部屋を思い切って変えたいときは、「壁紙ペイント」、あるいは「壁紙の貼り換え」にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。どちらをやるにしても、思い切って一歩踏み出してみる勇気が必要です。
「ほんのり豊かに、快適に暮らす」ためのヒントになりましたら、幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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