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水洗トイレに変えてみた!使用後の感想と上下水道料金の変化

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なぜ水洗トイレに変更したのか

下水道の整備は法律により定められていることをご存じでしょうか。しかし、こんなことは当事者にならないとあまりピンとこないですね。今のところ特に罰則はないようなのですが、下水道への接続は義務づけられているんです。

昭和三十三年法律第七十九号 下水道法

(この法律の目的)
第一条 この法律は、流域別下水道整備総合計画の策定に関する事項並びに公共下水道、流域下水道及び都市下水路の設置その他の管理の基準等を定めて、下水道の整備を図り、もつて都市の健全な発達及び公衆衛生の向上に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的とする。
e-Gov法令検索 より抜粋

 

(水洗便所への改造義務等)
第十一条の三 処理区域内においてくみ取便所が設けられている建築物を所有する者は、当該処理区域についての第九条第二項において準用する同条第一項の規定により公示された下水の処理を開始すべき日から三年以内に、その便所を水洗便所(汚水管が公共下水道に連結されたものに限る。以下同じ。)に改造しなければならない。
e-Gov法令検索 より抜粋

 

私が住む自治体では市の条例により排水設備(台所、浴室の排水を下水道に流す)の設置は公共下水道が利用できるようになってから3ヵ月以内に設置するよう義務付けられています。本来、トイレも排水設備に含まれるのですが、下水道法により水洗トイレへの改造は3年以内と謳っているため分けて考えているようです。

水道局のパンフレットより抜粋
市条例 排水設備

 

変更前のトイレの状況と問題点

私が住むエリアでは、下水道の本管工事が2023年末に完了し、2024年から接続工事が可能となっていました。それまでは、我が家は汲み取り式の簡易水洗トイレを使用しており室内で暮らす限りは特に不便さを感じることはありませんでした。

そんな好印象だった要因の一つとして、シャワートイレを取付けていたため意外と快適だったからではないかと思います。しかし、さすがに臭突の先に取り付けてある排気ファンが故障した時はニオイがトイレにこもり大変な1~2週間となったことがありました。

汲み取り式簡易水洗トイレの最大の難点は、外気の異臭問題だと思います。汲み取りタンク内の空気を臭突で吸い出して排気しているのですが、その臭突の設置方法によっても随分と状況が違うのだ思います。メーカーの取扱説明書を見ると、臭突の先端は屋根の上に出すように推奨しているのですが、意外と低い位置に設置しているところが多く2階レベルではかなり空気が臭い状況です。いずれにしても気温や風向きの影響もあってか、たまに路上でも臭気を感じることがあるのが実情です。せっかく、物干し竿をかけらるように竿掛けを数カ所設置しましたが、洗濯物や布団にニオイが付いてしまうのでまったく使用していません。

 

水洗トイレへの変更のプロセス

水洗トイレへの変更手順

下水道本管の整備

まずは、居住地区の下水道整備が必要になります。自治体のHPにて下水道事業計画を確認できると思います。

指定工事店の事業者リストから選択

指定工事店のリストがあまりにも多くてどの業者を選んだら良いのか悩ましく、私にとっては最大の難題でした。指定工事店リストの中に知り合いやなじみの業者さんがいると安心なのですが、私のようにまったく思い当たる業者さんがいない時はかなり頭を悩ませるのではないかと思います。

工事費の見積もり

基本的には3社くらいの見積もりをとると良いと言われていますが、これは確かに言い当ててるのかなと思います。なぜなら、工事費用は決して安くはないので、相場を確認するためにも複数の見積もりを取るのは良い事だと思います。ただ、数社にアポを取って、実際に会うという作業は結構神経使うものです。

排水設備工事の契約

私の場合、1次審査を入念に行っていましたので、お会いした時の印象により1社目で決めました。もしも、この地区で先に工事を済まされた方々の相場価格(あらかじめ水道局の方から聞いていた)と開きがあったなら、2社目にアポを取ることになっていたと思います。

排水設備とトイレ設置

あとは、実際にどのタイミングで工事を行っていただくかということです。土木工事はあまり暑い時期だと業者さんも大変だし、やはり春や秋が一番良いのだと思います。我が家の場合は2月末から作業が始まりました。おそらく、3月くらいなら作業環境として申し分ないのですが、ひとつ難点があります。それは、この時期に仮設トイレを使用するのは結構寒かったということです。

作業は段取りよく行っていただいたので、幸い仮設トイレを使用したのは旧トイレを撤去した夜と翌朝の2回だけですみましたが、寒さというか便座の冷たさが堪えました。

 

リフォームの具体的な内容と費用

下水道には汚水と雨水(側溝)を分ける分流式と汚水と雨水を1本の下水管に流す合流式があるのですが、私が住む自治体は分流式となっています。

よって、排水設備として対象となるのは台所、お風呂、洗面所、洗濯機、そしてトイレという事になります。そして、トイレ以外の排水箇所には排水トラップの設置が必須となります。もしも、排水トラップが設置されていない場合は下水管の臭いが家の中に逆流する恐れがあります。

あとは、便器の選択も重要となります。多少高くなったとしても、節水性能の優れた機種を選ぶことをおすすめします。例えば、便器の購入価格がいくら安くても1回に使用する水の量が8Lタイプだと、1回の使用量5Lの節水タイプ(価格が多少高いとしても)に比べて水の使用量が1.5倍となるし、4Lタイプと比べると水の使用量は2倍となります。これが、これから先10年20年と積み重なっていきますので、その差がどれだけ大きな違いとなるか想像つくと思います。(我が家は 大4.8L 小3.6L)

今回のウォシュレットはノズルの自動洗浄機能付きとなっています。この機能は絶対におススメ。それから、便器の交換に伴いクッションフロアも交換していますが、クッションフロアの色によって随分とトイレの明るさと雰囲気が変わるものです。考え方としては、汚れの目立たないトーンにするか、それとも部屋の明るさを優先するかというところでしょう。(前回は工務店さんにお任せ、今回は明るさを優先して私がチョイス。やっぱりトイレは明るい方が好印象、そしてキレイにおそうじすると運気もアップ。)

排水設備の配管を全て接続し下水本管につなげる土木工事と簡易水洗トイレの便槽を埋めて新しく水洗トイレを設置するという全ての工事の総額は781,000円でした。

 

工事期間とその期間の生活  2024

2/26 排水用配管の施工箇所をコンクリートカッターでカット 小型ユンボでコンクリートを砕く

2/27・28 排水配管の施工完了 排水トラップの有無を確認(悪臭の逆流防止のため)

2/29 雨天 休み

3/1 配管設置部はコンパネでカバーし、仮設トイレを設置

3/2・3 土日 休み

3/4 最終汲み取り後に便槽の埋め戻し タンク開口部を撤去。簡易水洗便器とクッションフロアの撤去

仮設トイレを使用した期間 : 3/4夕方~3/5朝 (2回使用)

3/5 クッションフロアの取付け 水洗トイレの設置

3/6 仮設トイレの撤去 コンクリート施工の準備(鉄筋)

3/7 曇り 作業なし

3/8 曇り晴れ 作業なし

3/9 コンクリートの施工

以上が工事の流れになります。

工事期間の生活で普段の生活と違ったことと言ったら、自宅の前に車を駐車できなかったことくらいです。それから、トイレの撤去と新しいトイレの設置のために立ち会う必要があります。(あまり、おススメはしませんが私の場合は、2階を施錠して玄関のカギを業者に預けました。)

便利な暮らしに一度慣れてしまうと、逆行する生活習慣はかなり辛いものがあります。それはやはりトイレ。本来なら、工事期間中に仮設トイレがあるだけで有難いのですが、普段の「くつろぎのトイレタイム」から一転して「苦行のトイレタイム」となりかなりストレスフルな朝晩となりました。(たかだか一日なんですけどね。)

 

水洗トイレ使用後の感想

数か月使用してみての感想

簡易水洗トイレから水洗トイレに変更してみてトイレタイムがどのように変わったかというと、安心感と多少の不安があります。

簡易水洗トイレの時もほとんどニオイは気にならなかったのですが、実は、簡易水洗トイレはマメにメンテナンスというか掃除が欠かせないという印象があります。ニオイをシャットアウトするために「フラッパー弁」と「溜水」を用いていますが、フラッパー弁の掃除を怠っていると付着した便等で密着性が悪くなり、本来あるべき「溜水」がすぐに抜けてしまうのです。つまり、防臭機能の低下を招いてしまいます。水洗トイレではフラッパー弁が無いので、なんとなくトイレの臭いに関する先入観が排除されている気がします。

反面、水洗トイレを使用する際の多少の不安とは何かというと、「排水の詰まり」問題です。よく、ラバーカップを便器にあてて押したり引いたりしている場面を思い浮かべてしまうのです。水洗トイレでは簡易水洗トイレと違い、かなり多くの水を使用します。そのため、トイレでの節水を心がけている人が多いのだと思うのですが、大量のトイレットペーパーの使用、あるいは行き過ぎた節水はトラブルの元になりかねないという印象を持っています。

 

生活の変化(臭いや衛生面、快適さなど)

トイレが新しくなると、外観がキレイになったことや機能性がアップしたこともありなんとなく気分が上がるという感じはあります。

それから、簡易水洗トイレでは大便をする前に「レバーを引いて少し水を溜める」という「トイレをキレイに使用するコツ」があるのですが、水洗トイレではそんな儀式が必要なくなりました。

あとは、男性の立ち小便による水の飛び散り問題は簡易水洗トイレでも水洗トイレでもあるのでしょうが、水洗トイレの方が水が多い分ひどくなるかもしれません。私もそうですが、自分でトイレ掃除をするようになると、トイレを汚したくないから自然と座って用を足すようになるのかもしれません。

 

上下水道料金の変化

簡易水洗トイレを使用しているときは、毎月定期的に「し尿汲み取り」作業を行って頂いてました。ですから、「上水道料金」と「し尿汲み取り料」を合計して水洗トイレ化後の上下水道料金と比較して考えるのが良いと思っています。

「上下水道料金がどうなるのか?」というテーマが簡易水洗トイレから水洗トイレに変更するにあたって、皆さんが一番気になる部分だと思います。

トイレを水洗化した身内の体験談を私が耳にしたように、「水洗トイレにかわると水道料金が高くなるよ」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、この話には不要になった「し尿汲み取り料」の話しが含まれていないこと。それから、水洗トイレの性能が進化していることを理解しないとミスリードされてしまうことになります。

 

実際の上下水道料金

誰でも、初めての体験は不安なものです。わたしは定年後のトイレ改造工事には不安があったので思い切ってトイレの水洗化に踏み切りました。ですから、入念に調べてみたのですがそれでも不安がすべて払拭されるものではありませんでした。

ですから、水洗トイレに変えてからというもの節水への意識が高まり日々小さな努力をしています。その甲斐あってか、使用した水の量があまり変わっていないようです。

2024年 令和6年 上下水道料金
1月-3月 3月-5月 5月-7月
使用日数 60日分 60日分 62日分
使用水量 20㎥ 18㎥ 19㎥
水道料金 3,264円 3,264円 3,264円
下水道料金 784円 2,041円 2,041円
合計金額 4,048円 5,305円 5,305円

 

令和6年1月-3月 上下水道料金
R6 3 19 上下水道代

 

令和6年3月-5月 上下水道料金
R6 5 18 上下水道代

 

令和6年5月-7月 上下水道料金
R6 7 19 上下水道代

 

水洗トイレ化する前の水道料金
2023年 令和5年 水道料金と汲み取り
1月-3月 3月-5月 5月-7月
使用日数 59日分 61日分 61日分
使用水量 19㎥ 20㎥ 21㎥
水道料金 3,264円 3,264円 3,521円
し尿汲み取り 2100/1890 1680/1680 2520/1890
合計金額 7,254円 6,624円 7,931円

 

 

2023年 令和5年 水道料金と汲み取り
7月-9月 9月-11月 11月-1月
使用日数 63日分 60日分 62日分
使用水量 21㎥ 20㎥ 20㎥
水道料金 3,521円 3,264円 3,264円
し尿汲み取り 1890/1890 2940/1890 1890/1890
合計金額 7,301円 8,094円 7,044円

 

令和5年1月-3月 水道料金
R5 3 18 上下水道代

 

令和5年3月-5月 水道料金
R5 5 18 上下水道代

 

令和5年5月-7月 水道料金
R5 7 18 上下水道代

 

令和5年7月-9月 水道料金
R5 9 19 上下水道代

 

令和5年9月-11月 水道料金
R5 11 18 上下水道代

 

令和5年11月-令和6年1月 水道料金
R6 1 19 上下水道代

 

変更前後の料金変化

トイレを水洗化するにあたって一番の懸案事項である水道料金(上下水道)の変化ですが、以前に私が比較検討した記事をご紹介しますのでご覧になってみてください。

下水道の整備と変わる暮らし

2024年(令和6年)3月の途中より下水道利用への移行となっているため、「1月-3月」分は参考データとなります。また、下水道を利用する前は簡易水洗トイレを使用していた為「し尿汲み取り料金」が発生していました。よって、2024年の下水道料金と比較するため2023年の水道料金には「し尿汲み取り料金」を加算して表示しています。

2023-2024年 上下水道料金の比較
1月-3月 3月-5月 5月-7月
2023年 19㎥ 20㎥ 21㎥
7,254円 6,624円 7,931円
2024年 20㎥ 18㎥ 19㎥
4,048円 5,305円 5,305円
7月-9月 9月-11月 11月-1月
2023年 21㎥ 20㎥ 20㎥
7,301円 8,094円 7,044円
2024年

※2023年(令和5年)は「し尿汲み取り料金」を下水処理代とみなして加算

2024年の3月に下水道を利用し始めて約5か月が経過し上下水道料金の実態が見えてきましたので、現時点での状況をまとめています。

懸念していたトイレの水洗化による水の使用量の増加についてですが、結果的に水の使用量は増えていないというよりむしろやや減少している状況です。下水道の整備と変わる暮らしの記事内で試算しているように、2ヵ月間の水の使用量の許容限度として34㎥(下水道料金とし尿汲み取り料金がほぼ同じライン)を想定していたので驚きの結果となっています。

 

料金の増減要因

我が家のケースでみると、水の使用量が同じという条件であれば「下水道料金」は「し尿汲み取り料金」よりも安いと言えます。

下水道の場合、施工完了してしまえば問題が発生しない限りほとんど人手が発生しないのに比べ、し尿汲み取り作業ではバキュームカーを使用しますが、毎月必ず人手が必要となる大変な作業です。そのため人件費を考えると当然のことだと思います。事実、汲み取り式の簡易水洗トイレを使用している家庭にとって「し尿汲み取り」は欠かせない有難いサービスなのです。

 

節水対策や工夫

下水道を接続し水洗トイレを使用するにあたり、水の使用量がどのように変化するのか相当なプレッシャーとなっていました。そのため、節水タイプのトイレを選んではいるのですが、それでも簡易水洗トイレよりは水の使用量が増えるのは仕方ないだろうと予測していました。

そこで、以前の生活に比べて意識したことは流し台で食器を洗う時の水をかなり少なくしています。食器を洗う前に張る水はさほど汚れていない他の容器のつけ置き水を再利用するようにしています。また、食器を洗剤で洗っている間は水を出しっぱなしにはせず、すすぎの水量は控えながらも洗剤残りが無いように手早く済ませるように心がけています。

 

まとめ

水洗トイレに変更して良かった点

我が家の場合、簡易水洗トイレから水洗トイレに変えたことで水回りの管理コストが下がって経済的に良くなりました。(水道代+汲み取り代)>上下水道代 これは事実なのですが、「いかに節水タイプの水洗トイレを選択するか」にかかってきます。

簡易水洗トイレでは臭突から出る悪臭は避けられません。そのため、隣人の生活に与えるダメージを決して小さく見積もるべきではないと身をもって実感しています。そして、水洗トイレに変えることでその罪悪感から解放されるのです。

改善点や今後の課題

日本は法治国家であり、法律で「下水の処理を開始すべき日から三年以内に水洗便所に改造しなければならない。」と定められています。つまり、国民への義務として定められているのですが、地方自治体により補助金に差があるようです。私が住む市では「トイレの水洗化」に助成金はありませんが、隣の市では「経済的な理由により水洗化工事をすることが困難な方へ限度額26万円を市が補助」とあります。

つまり、対応が自治体によりさまざまである現状に不公平感を感じないはずがないし、ハッキリ言って負担金が高すぎると思います。もちろん、高額で便利な便器を選んだりするのであれば贅沢品として個人で負担すべき部分ではあるのですが、排水設備の配管作業に関しては補助金で賄ってほしいものです。

 

これから水洗トイレに変更を考えている人へのアドバイス

「トイレを水洗化すると水道代が高くなる」と思い込んでいる人はかなりいらっしゃると思います。これは、ちょうど「エアコンを使うと電気代がものすごく高くなる」と思い込んでいるケースとまったく同じことのように思います。

「以前は、確かにそのような時期もあった。」と言えるでしょう。昔のクーラーと今のエアコンでは全く別物で、エアコンで使われているヒートポンプとは最も熱効率が高い熱機関といっても過言ではありません。以前の水洗トイレ(~1980年代)といえば、豪快な音を立てて勢いよく洗い流すイメージがあるですが、その頃で9~13リットルの水を必要としていましたが、現在は3.8~4.8リットルのタイプもあるのです。

トイレの便器を選ぶとき、決して価格だけで安いものを選ばない方がよいでしょう。これから毎月の上下水道代の明細を見て後悔しないようにするために「使用水量」を熟慮しましょう。家族が多いほどその差が大きくなります。例えば、一日に一人1回使用の場合でも、4人家族であれば576リットル(4.8×30×4)と960リットル(×30×4)ということ。安い便器の販売では水の使用量を明記しない傾向にありますので徹底的に調べましょう。

 

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マイペース派で、「変人」に憧れる管理人のアイボックです。必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。