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セントオーガスチングラス(西洋芝)に除草剤を使ってはいけない!

2014年5月に購入したセントオーガスチングラスは裏庭に定植してからもう8年になります。いまだに元気モリモリで、初夏から一気に草丈が伸びてきます。

ただし、今年はちょっと冒険しているので、庭の様子が例年とは違っています。いくら生育旺盛なセントオーガスチングラスといっても、ここ数年は雑草が目に付くようになってしまったので、いよいよ除草剤を使った管理に挑戦してみようと思います。

そこで、成長に勢いがあるこの時期をねらって除草剤をつかってみることにしました。「これだけ勢いがある品種なので、西洋芝用の除草剤を使用すればきっと問題ないはず」という根拠のない自信から行動したのですが、はたして結果は・・・・?

 

セントオーガスチングラスの正しい管理方法はこうだったのか!

 

セントオーガスチングラス(西洋芝)の除草の必要性は?

まずはこちらの写真をご覧ください。

セントオーガスチングラスに生えるクローバー 2022年5月15日

 

 

 

セントオーガスチングラスに生える ゼニゴケ 2022年5月15日

 

いかがですか?だれがどう見てもいただけない状況ですよね。ここ2~3年は雑草をみつけたら手で取り除くよう心掛けていたのですが、雑草の増殖ペースの早さに心負かされて「どうしたらいいの?」という心境でした。

私と同じように、芝生の雑草問題に悩まされるかたは意外と多いのではないかと思います。

では、悩める私たちはこれからどのように芝生に生える雑草に対処していったらいいのでしょうか?

結論:管理が行き届いていない芝生には雑草が多く生えます。

・定期的に施肥・刈り込みを実施すると芝生の生育が良くなり、次第に雑草は芝生に負けて衰退します。

・数年間にわたり管理を怠り、雑草ばかりになってしまった場所でも、定期的な施肥・刈り込みを再開するだけで芝生が復活し雑草が激減します。

・雑草が多い場合は、刈り込み頻度は1週間に1回以上と頻繁に刈り込んだほうが雑草が少なくなるようです。

・芝生の状態が良くない場所で、手取りや除草剤による除草をしても、雑草がなくなった場所には裸地ができ、その後すぐに新しい雑草が侵入してしまいます。

 

クローバーは土壌を知る指標

クローバーは土壌中の窒素量が少なくても、空気中の窒素を利用して生息できるマメ科の植物です。そのため、クローバーが生えていれば、施肥量が少ないということが分かります。

クローバーは地下茎で横へ広がっていきますので、葉だけを取り除いても横へ横へと広がって増えていきます。しかし、定期的に施肥と芝生の刈り込みを実施すると、除草剤を使わなくても自然にクローバーは少なくなります。

セントオーガスティングラスによる芝生管理マニュアルより

静岡県芝生研究所 セントオーガスティングラスによる芝生管理マニュアルより抜粋

 

「雑草問題で迷える私たち」への芝生専門家からのありがたいお言葉でした。これで私のやるべきことがハッキリとした思いです。

それから、この芝生への対処法は加齢臭の悩みに対するアプローチにも似た印象を受けています。まずはスキンケアで肌の状態を整えることが大事であるということと同じです。一見、遠回りのように感じますが、加齢臭と肌のメカニズムを知ると「気になるニオイを隠す」前に、そもそも「ニオイの発生を抑える肌のコンディションづくりが重要」だということです。

芝生管理においても、ついつい雑草の駆除に目先が向いてしまっていました。しかし、実は「芝生のコンディションを整え、芝生の活力を復活させることで雑草は減っていくはずですね。」私は、このことを実証してみたいと思っています。

 

専門家によるセントオーガスチングラス(西洋芝)の管理法を紹介

 

静岡県芝生研究所 セントオーガスティングラスによる芝生管理マニュアルより抜粋、または加工して要約

セントオーガスチングラスの耐寒性について

セントオーガスチングラスは日陰に強く12月でも多少緑色が薄くなるくらいで緑の芝生を維持します。1~2月は休眠して茶色く枯れますが、完全に休眠しないこともあります。ノシバやコウライシバなどの暖地型芝草は休眠することで冬の寒さから身を守ることができるのですが、セントオーガスチンは休眠しないことで寒さに弱くなります。そのため、山間地などの最低気温が‐5℃以下になるような地域では冬の寒さで枯死してしまうかもしれません。

芝草の生育型について

セントオーガスチングラスは暖地型芝草に含まれます。一般的に暖地型芝草は寒地型芝草よりも日影に弱いのですが、セントオーガスチングラスは例外で、寒冷型芝草と同等もしくはそれ以上に日陰への耐性があります。

ですから、セントオーガスチングラスは日陰になりやすい中庭などには適した芝生の一つであると思います。(注意:ただし、白い斑点の入った斑点入りセントオーガスチングラスは日陰に弱いのでご注意ください。)

 

雪印種苗HPより、タイキ種苗HPより一部を抜粋

タイプ 草種名 ほふく茎 地下茎 冷涼地
日本芝 ノシバ
西洋芝暖地型 バミューダグラス類
セントオーガスチン
シーショア・パスパラム
西洋芝寒地型 ペントグラス類
ライグラス類
ブルーグラス類
トールフェスク

オーガスチングラスのように、ほふく茎があると芝生がダメージを受けて一部なくなったとしても、横から新しい芝生が生えてきますので、適切な管理を継続していれば、芝生が復活します。

 

セントオーガスチングラスの植え付け時期は?

セントオーガスチングラスは6~8月の期間に勢いよく生育します。そして、植え付けから2~3週間は芝生が乾燥しないように水やりが必要となりますので、梅雨入り前に植え付けが終わっているというのが理想的だということです。

 

散水について

夏季の芝生管理において、散水に関する目安は一日に1㎡あたり3Lの水が必用だそうです。ですから、植え付け面積が広くなるとかなりの水の量を散水しないといけなくなります。

しかし、セントオーガスチングラスは土に含まれた水分を吸収できるため、14日間ほど散水しなくても枯れることはないそうです。

梅雨明けから、7月、8月は散水が必要になりますが、他の時期は少なくとも14日に1回は雨が降るため散水の心配はないとの事です。

あくまで統計に基づいたものだと思いますので、実際のところ9月は意外と暑い日が続いたりしますし、異常気象により雨がほとんど降らず、乾燥した日が続くことがありますので、芝生の状況をみて(14日間ほど散水しなくても枯れることはないという目安を念頭において)散水すると良いと私は思います。

 

土壌の準備について

通常、芝刈り機を使って管理することを前提として考えていますので、表面に石があると芝の刈込の時に機械を故障させてしまうため、地表から出ている石は全て取り除きます。半分地中に埋まっていても、拳よりも大きな石は取り除きます。

降水後に水が溜まってしまうような場所では、芝生が枯れてしまう場合がありますので、低くなっている部分には砂を入れてきき、排水のための表面勾配を確保します。

また、芝生化後の管理として、定期的に目砂をすることで砂の層をつくり、土壌の排水を改善することができます。

この管理マニュアルは、公園などの芝生管理を想定したものです。私の自宅の裏庭のような家庭における芝生では、芝生を植える前にあらかじめ土の表面勾配をつくり、砂の層を作っておいた方が楽だと私は考えます。

 

肥料はどれくらい?

セントオーガスチングラスの植え付け施工の年は年間に15~60g/㎡ の窒素量が必要です。

植え付けから3ヵ月間は一気に芝生の生育スピードを上げて作り込んでいく必要がありますので、月に2回ていど肥料を与えます。施肥により芝生が生長するのですが、頻繁に刈込を行うことで、芝生が横へ広がり伸びるようになり、芝生が早く出来上がります。

1年目は、窒素のほかにリン、カリともに多く必要なことが多いので8-8-8 や 10-10-10 などの三要素がすべて含まれた肥料を使用すると良いそうです。

肥料の量が少ないと芝生の状態は悪くなり、多すぎると肥料焼けにより芝生が枯れてしまうこともあります。

2年目以降の通常の維持管理では

セントオーガスチングラスの維持管理には、年間に5~20g/㎡ の窒素が必要になります。

・日陰では年間に必要な窒素量は 5 g/㎡ が目安となります。

・日当たりが良く、芝生の使用頻度が高い場所では、上限である 20 g/㎡ の窒素が必要となります。

適切な年間窒素量を把握するには数年かかります。目安の量で1年間管理してみて、芝生の状態を確認しながら毎年少しずつ施肥量を段階的に減らしてみて、芝生の状態が悪くなってしまった場合は翌年の施肥量を増やします。

 

肥料の散布時期

施肥は春先に芝生が芽を出し、葉が緑になりだした2週間後ぐらいから開始します。

通常の場合の目安

・3月下旬から4月上旬ころが一回目の肥料の散布時期となります。

・8月中旬ぐらいまでに年間に必要な肥料のほぼ全てを散布し、セントオーガスチングラスの生育を促します。

3~5月   :35 %

6~8月   :50~55 %

9~11月  :10~15 %

12月~2月 :0 %

 

肥料の計算方法

肥料の袋に記載されている 「8-8-8」 や「10-10-10」 は肥料に含まれる「窒素-リン酸-カリの割合」を表しています。

つまり、「8%の窒素、8%のリン酸、8%のカリウム」が含まれているということです。

計算方法は、8%の窒素が含まれた肥料を何グラム撒くことで必要な窒素5g/㎡を得られるかを計算するので、

5 [g/㎡] ÷ 8 [%]( 0.08 として)= 62.5 [g/㎡] となります。

例:私の自宅の裏庭では

芝生の植え付けは、横幅 約10 m × 奥行 約1 m ですので、面積はおおよそ10㎡です。

【年間の窒素を5g/㎡として、肥料は 8-8-8 を使うとした場合】

5 [g/㎡] ÷ 8 [%]  = 62.5 [g/ ㎡] ですので、芝生の植え付け面積が10㎡であれば

62.5 [g/㎡] × 10 [㎡] = 625 [g]

一年間に施肥する量は625gとなります。

つまり、

・春に35%として  218 g

・夏に50%として    313 g

・秋に15%として     94 g

 

刈り込みについて

刈り込みは芝生管理の中で施肥につづいて重要な作業です。適切な頻度で刈り込まれた芝生は密度が高くなり、擦り切れや病害への耐性も高まります。刈り込み作業を不定期に実施すると芝生の状態を悪化させることになります。

刈高 7月~8月の刈り込みの目安は週に1回

芝生の種類と管理する場所や管理予算によって適した刈高があります。

セントオーガスチングラスでは刈高4~10センチで管理します。

刈り込みは「3分の1ルール」に則って刈り込むとよいそうです。

3分の1ルールとは

刈り込みが必要になる芝生の草丈の上限は

・草丈の上限 [cm] = 維持する刈高 [cm] × 1.5

例えば、芝生を5cmの草丈で管理したのであれば

草丈の上限 7.5cm = 維持する刈高 5 cm × 1.5

 

 

刈り込み頻度

刈り込みは、頻繁に行えば行うほど、芝生の状態が良くなります。

維持する刈高 [cm] 刈り込みが必要な草丈[cm] 刈り込み頻度
1.3 2~3日に1回
2.5 3.8 4~5日に1回
5.1 7.7 7~10日に1回
7.6 11.4 10~14日に1回

 

刈カスについて

芝生を刈り込むと刈り取ったカスがでます。刈カスを回収すると、手間がかかり作業時間が増えてしまいます。場合によっては処理費用が発生することもあります。

そこで、エコロジーな芝生管理のために刈カスを回収しない ” 刈捨て ” にすると良いそうです。この方法は芝生をリサイクルすることから ” グラスサイクリング ” と呼ばれています。

 

 

 

ほふく茎の管理について

セントオーガスチングラスは地上をはい広がる ” ほふく茎 ” の伸びが旺盛です。そのまま放っておくと、芝生の場所がどんどん広がってしまいます。

ですから、芝生として管理している場所からはみ出したほふく茎は定期的に切り取る必要があります。芝生の境界線を明確にしておくことで見た目にも綺麗になります。

 

 

 

 

 

私が実際におこなっていた間違いだらけの管理法

私はシートタイプのセントオーガスチングラスを購入し、裏庭に植え付けているのですが、その時に意識したのは水はけをよくするための工夫です。

ベースとなる土壌には水はけのための表面勾配をつけ、その上に10ミリくらいの砂を敷き、セントオーガスチングラスのシート状の苗を植えています。

刈り込みに関する知識がなく、長めにしておく方が枯れる心配がないと思っていて15cmくらいの長めに管理していました。(購入した苗を思い出すと、随分と平たく広がっていた印象があります。)

肥料に関しては、窒素の必要性についてまったく認識がなく、有機肥料を年に一度施肥していました。

6月から8月までの芝生の刈り込みは2週間に1度のペースで行っていました。草丈は15センチくらいでしたので、本来の2倍くらいの草丈で管理していたことになります。(つまり、芝生の管理状況が悪いために、” 芝 ” というよりは ” 草 ” といった印象の状態にしてしまっていたようです。

芝生に除草剤をつかって大丈夫?

日本芝生に対応した除草剤は意外と多い印象なのですが、西洋芝に対応した除草剤は少ない印象を受けます。

それにしても、不思議な気がします。どうして、雑草だけを枯らして、芝生を枯らすことはないなんて、ほんとうにそんなことできるだろうか?

農薬について

そもそも農薬はどのようにしてできてきたのか興味ありませんか?ちょっと気になったのでしらべてみました。興味がある方だけご覧ください。

農薬の歴史

引用元:世界における除草剤の歴史:その誕生・発達・返還  (2016)
伊藤操子 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所/マイクロフォレストリサーチ株式会社)

1941年 オーキシン(植物ホルモン)作用をもつ合成化合物として2,4-D(植物の成長を調整するために開発された)が登場

2,4-D(合成オーキシン)の特徴

・薬量を増やすと植物の成長を阻害して枯らす。

・合成オーキシンに対して広葉植物は影響を受けやすい。つまり、枯れるということ。

・イネ科植物は合成オーキシンに対して耐性が高く、つまり、影響を受けないということ。

このことから、「雑草のみを選択的に枯らす」という科学的防除、つまり、農薬により作物には害を与えず、雑草だけを枯らして除去するという発想が生まれています。

1944年 ケンタッキーブルーグラス中のタンポポなどの広葉雑草防除が報告

78年前に除草剤を用いて芝生の中にまぎれるタンポポなどの広葉雑草対策が行われていた。

1996年 遺伝子組み換え(GM)ダイズが論文で発表

除草剤抵抗性遺伝子組換え作物(グリホサート抵抗性遺伝子を組み込まれたもの)であり、その後、抵抗性のカノーラ(セイヨウアブラナ、トウモロコシ、テンサイ、ワタ、アルファルファ)等が次々と開発された。

遺伝子組換え作物を利用するメリット

・作物は農薬による薬害の心配がなく、雑草は種類に関係なく枯らすことができる(非選択的)

・不耕起栽培が可能となり、耕土の劣化を防ぐことができた。(耕土保全)

 

米国農業の悩み

・従来の「耕起栽培」では作物の種まき後、土壌処理をすることで雑草の一斉発生を抑えることができる。

⇨一方で、長年の耕起により、土壌が劣化し、深刻な土壌流出や耕土層の劣化に悩まされていた。

・「不耕起栽培」では土壌の劣化を防ぐことができる。

⇨一方、生育を開始している作物の収穫までの間、だらだらと発生する雑草を抑えなくてはいけない。 【雑草防除の難しさ】

 

 

除草剤の特色

引用元:除草剤と植物ーその1:雑草はどうして枯れるのか  (2017)

伊藤操子 特定非営利活動法人緑地雑草科学研究所/マイクロフォレストリサーチ株式会社)

除草剤は雑草への作用のしかたに違いがあり、アメリカ雑草学会によると基本化学構造の組み合わせから29種類のグループがあるようです。また、作用機構から16種類に分類されています。

除草剤とは:

除草剤は植物の生命維持に不可欠で基本的な生合成・代謝系のなかの特定の部分に作用してそれを阻害し、その結果、植物が生き続けることができなくなるのです。

 

作用点とは:

植物体内で、「薬剤が結合したり、その働きを受けることで機能異常を起こし、最終的に殺草作用につながる端緒となる分子や反応」を作用点といいます。

簡単にいうと植物が枯れるキッカケとなるところといえます。

 

作用機構とは:

その結果生じる植物の生育に必要な物質の不足や有毒な物質の生成によって、最終的に殺草効果が表れるプロセスを作用機構といいます。

 

作用機構による分類 (16種類)

ここでは緑地管理に利用されている薬剤が属している主なグループにつてい紹介します。

体細胞における有糸分裂の阻害…植物細胞が動物細胞と大きく異なることの一つとして、細胞分裂後に強固な細胞壁で囲まれることがある。細胞分裂において染色体を両極に引っ張る微細管の形成を阻害することで、細胞分裂の異常を引き起こし、雑草の成長を妨げます。

合成オーキシンによる阻害…植物ホルモンである内生オーキシンに似ている合成オーキシンを与えることで生長調節を攪乱させ広葉植物を枯らします。

光合成光化学系Ⅱにおける電子伝達阻害…光合成とは明反応(光のエネルギーを利用して水を酸化して酸素にすると共に暗反応の二酸化炭素還元に必要な物質を作り出す過程)と暗反応(二酸化炭素から糖を合成する過程)からなる。明反応は光化学系Ⅱが光のエネルギーを受け取って酸素発生複合体を活性化させることから始まる。つまり、光合成を起こさせないことで雑草の成長を妨げます。

分岐鎖アミノ酸の生合成阻害…分岐鎖アミノ酸合成の初期段階でアセト乳酸合成(ALS)の阻害によりアミノ酸が形成されないために、植物の形態形成、生合成、代謝に不可欠なタンパク質が作られず枯れてしまいます。

環状アミノ酸の生合成阻害…合成酵素(EPSP)の阻害により、植物の形態形成、生合成、代謝に不可欠なタンパク質が作られず、成長が停止して枯れてしまいます。

核酸のプリン塩基の合成阻害…プリン塩基の元となる葉酸の合成阻害により、核酸が生成されず、結果として細胞分裂が阻害されることにより、ゆっくり枯れていきます。

セルロースの生合成阻害…植物の細胞壁の主成分であるセルロースの生成を防ぐことにより、細胞分裂を止める。

脂肪酸生合成の阻害…脂肪酸合成の最初の段階で必要となる酵素を阻害します。それで、脂肪酸の合成は阻害されることとなり、細胞生長に必要な新しい膜形成はブロックされ、植物は枯れていきます。

 

除草剤の課題 【除草剤抵抗性変異の出現】

1958年

米国ワシントン州の苗木園にて トリアジン系除草剤のアトラジン、シマジンを年間に1~2回を10年間使用してきた結果、ノボロギクにたいして従来の10倍の薬量でも効かないことが発見されました。

1975年頃から

トリアジン系で抵抗性変異型の雑草種が増加。

1985年頃から

ALS阻害剤(主にスルホニルウレア系、SU剤)で急増

2000年頃から

グリホサート抵抗性変異が増加中

2016年10月27日現在

International Survey of Herbicide Resistant Weeds のサイトによれば、世界で251種の雑草(単子葉105種、双子葉146種)、27の作用機構グループの内の23、160の除草剤、66か国で発現が報告されています。最も多いのは米国(156)、オーストラ(83)、カナダ(64)、ブラジル・中国(41)と農業国が続き増え続けています。

 

セントオーガスチンの経過観察 (除草剤散布後)

 

【ゼニゴケ対策】除草剤キレダー を使ってみた

「コケ・藻・イシクラゲ専用」 除草剤キレダー   アグロ カネショウ

2g 10袋入り

 

 

 

適用雑草 取扱説明書より

・日本芝(高麗芝)    藻類・コケ類

・西洋芝(ペントグラス) コケ類

・花き類、観葉植物    コケ類

・植木等         イシクラゲ・コケ類

・つつじ類(鉢植え)   ゼニゴケ

 

使用方法

・噴霧器、あるいはジョウロで手軽に使用

キレダー1袋(2g)を取説記載の希釈率に合わせて使用します。

西洋芝(ペントグラス)  【一部抜粋】
使用時期 冬期芝生育期(コケ類の発生時)
薬量 2~4g/㎡
希釈水量 200~300㎖/㎡
使用回数 3回以内

 

私が今回試したのは

薬剤:2g  希釈水:250㎖

本来であれば、セントオーガスチングラスは対象となっていないため、西洋芝(ペントグラス)の希釈率を参考にしています。

 

効果・薬害等の注意点

・イシクラゲに使用する場合、雨上がりなどイシクラゲが水を含んで膨潤なときに使用する。

・つつじ類(鉢植え)、花き類、観葉植物に使用する場合は、作物にかかると薬害を生じる場合があるので、直接かからないように注意して散布する。

・植栽地を除く樹木等の周辺地で使用する場合は、薬剤が樹木等にかからないように散布する。

・使用後のジョウロや噴霧器は十分水で洗っておく。

・激しい雨が予想される場合は使用をさける。

・水源池等に本剤が飛散、流入しないよう十分に注意して散布して散布する。

・本剤は西洋芝に対して薬害を生じる恐れがあるので、高温時に使用しない。

・散布器具、容器の洗浄水および残りの薬液は河川等に流さず、容器、空袋等は環境に影響を与えないように適切に処理する。(魚毒性等)

 

安全使用上の注意点

・本剤は眼に対して刺激性があるので、目に入らないように注意する。

・散布液調製時及び散布の際は保護メガネ、農薬用マスク、手袋、長ズボン、長袖の作業衣などを着用する。

・作業後は直ちに手足、顔などを石鹸でよく洗い、洗眼、うがいをするとともに衣服を交換する。

・作業時に着用していた衣服等は他のものと分けて洗濯する。

・かぶれやすい体質の人は取り扱いに十分注意する。

・公園、庭園等で使用する場合は、散布中及び散布後(少なくとも散布当日)に小児や散布に関係のないものが散布区域に立ち入らないよう縄囲いや立て札を立てるなど配慮し、人畜等に被害を及ぼさないよう注意を払う。

 

ゼニゴケ用の除草剤【キレダー】を散布

我が家の裏庭にあるフェンスそばにセントオーガスチングラスを植えているのですが、フェンスの基礎となるブロック塀の際にゼニゴケが発生しています。

2022年5月16日 キレダー 散布 定点観察

除草剤キレダーを散布後すぐの写真となります。

 

2022年5月22日 (1週間 経過) 定点観察

ゼニゴケ:あまり変化を感じません。

セントオーガスチングラス:こちらもさほど変化はないように感じます。

 

2022年5月27日 (11日 経過) 定点観察

ゼニゴケ:若干、黄なびをおびはじめているようです。

セントオーガスチングラス:ややミドリが薄くなっているように感じます。

 

2022年6月12日 (4週間 経過) 定点観察

ゼニゴケ:若干黄なびをおびているように感じます。

 

私の感想

除草剤キレダーを使ってみて、薬害による芝生(セントオーガスチングラス)のいたみは余りないように感じます。一方、ゼニゴケを退治するには1回だけの散布ではあまり効果がないようです。

使用方法には散布回数3回以内とありましたので、「おそらく追加であと1回キレダーを散布すると効果がより見えてくるはず。」とは思うのですが、追加で除草剤を散布したときの「芝生を傷めるリスク」と「ゼニゴケを枯らすメリット」を比較したときに、私は直感的にリスクが大きく感じたため、これ以上の散布は行わないこととしました。

 

【クローバー対策】日産 MCPソーダ塩 を使ってみた

セントオーガスチングラスのエリア内で、ゼニゴケとクローバーの生息ポイントが違っていたため、ゼニゴケ用のキレダーと並行してクローバーの対策の除草剤も散布してみました。

家庭園芸用 日産 MCPソーダ塩

適用雑草 住友化学園芸HPより

・日本芝(高麗芝、姫高麗芝、野芝)に生える広葉雑草(チドメグサ、クローバーなど)を効果的に枯らす選択性の除草剤です。

・西洋芝(ケンタッキーブルーグラス)

・樹木等

・麦類

使用方法

水で薄めて散布 (適用雑草により希釈率が違います。)

希釈率は住友化学園芸HPにて確認してください。

家庭園芸用 日産MCPソーダ塩 住友化学園芸

 

芝に使用する場合の注意事項

・萌芽期および生育初期の芝は抵抗力があまり強くないので、芝が完全に生え揃ったあとに散布してください。枯殺力は高温になるほど強くなりますので、7月頃では散布前に芝を刈り、雑草の生育を抑えた後、散布するとさらに有効です。

・芝の中、または付近の草花や花木などに薬液がかからないようその付近での散布に際しては、これらの作物に散布液が直接または飛散してかからないように注意してください。

・散布後、芝生が若干黄変することがありますが、1~2週間ごには回復します。

 

安全使用上の注意

・散布液調製時には保護メガネを着用し、薬剤が目に入らないように注意してください。眼にはいた場合は、直ちに水洗いし眼科の手当てを受けてください。(原液は刺激性)

・皮膚に付着しないよう注意してください。皮膚についた場合は直ちに石鹸でよく洗い落としてください。

・散布時は農薬用マスク、手袋、長ズボン・長袖の作業衣などを着用してください。薬液を吸い込んり浴びたりしないように注意し、作業後は手足、顔などを石鹸でよく洗い、うがいをしてください。

【注意】

・有用植物にかからないようにしてください。

・気象条件(散布後すぐに雨が降る、晩秋~春先の低温時等)によっては、効果にむらが生じる場合があります。

・ピンポイントで使う時は、二度撒きしないでください。

・散布量が多いと芝生が黄変することがあります。

・雑草の中にはカタバミなど枯れにくい種類もあります。

 

 

クローバー用の除草剤【日産MCPソーダ塩】を散布

クローバーは、セントオーガスチングラスの中に点在していたため、スプレーでピンポイント散布をしてみました。

2022年5月16日 MCPソーダ塩 散布

下の写真のように、クローバーは大きなかたまりで群生しているわけではなく、まばらに散らばっている印象です。

 

2022年5月15日 散布前 定点観察

定点観察場所としてクローバーが群生しているところを選んでみました。

2022年5月18日 (2日経過) 定点観察

かなり即効性があるようです。

2022年5月20日 (4日経過) 定点観察

クローバー:枯れ始めているものもあれば、すでに葉を認識できないものもあります。

セントオーガスチングラス:除草剤がかかった部分は枯れているものもあります。

 

2022年5月22日 (1週間 経過) 定点観察

パっと見た感じでは、クローバーはほとんど目立たないように思います。一方で、除草剤を散布したエリアのセントオーガスチングラスの勢いが弱まっていることが分かります。

 

2022年5月27日 (11日 経過) 定点観察

セントオーガスチングラスの生育が良くなる時期でもあり、クローバーはあまり目立たなくなった印象です。

 

2022年5月29日 (2週間 経過) 定点観察エリア

定点観測を行っていたのは写真の中央上あたりです。天気の都合もあり、この写真は直射日光が当たっているため随分と違う印象となっています。

定点観察では、一部分に絞った「寄りの画像」となっていましたので、「引いた画像」では印象が変わってきます。

 

 

2022年6月12日 (4週間 経過) 定点観察エリア

定点観察時よりも若干引き気味の写真となります。セントオーガスチングラスの生育が進むなか、定点観察場所では「除草剤の効きの速さ」もありクローバーは一見死滅したかにみえましたが、クローバーは「きれいな草色」から「色素が薄くひ弱な印象」の状態に移行しているものの、死滅には至ってないようです。

 

除草剤がセントオーガスチングラスに及ぼした影響

日当たりの条件の違いもあり、一概に除草剤だけの影響とは言えないのかもしれませんがセントオーガスチングラスの生育に明らかな違いを感じています。

2022年6月4日 (3週間 経過) 除草剤の影響 【別のエリア】

・写真の上半分のエリアには、クローバーが生えていたので、除草剤を散布しています。

・写真の下半分のエリアには、クローバーが生えていなかったので、除草剤を散布していません。

除草剤の散布によるセントオーガスチングラスへの影響がよくわかる一枚といえます。

 

 

2022年6月12日 (4週間 経過) 定点観察エリアのとなり

4週間経過した定点観測エリアの状況とは対照的に、草丈の勢いがものすごいのが分かります。ウッドフェンスの支柱の補強用斜材の奥が定点観測エリアになります。

 

セントオーガスチングラスによる芝生管理マニュアルを読んで

 

セントオーガスチングラスの刈り込み草丈の改善

今回は初めてセントオーガスチングラスに除草剤を使ってみたのですが、セントオーガスチングラス用の除草剤がなく、西洋芝に適しているものを試しに使ってみました。

クローバーの除草効果は感じていましたが、同時にセントオーガスチングラスの成長が妨げられていることも感じていました。そのため、通常よりかなり長い期間放置していたので、草丈がハンパなくヤバい。

草丈10センチ以下を目指して

これまでは刈り込みの草丈に関する知識がなかったため、セントオーガスチングラスの草丈は花壇枠のブロックの高さに合わせていました。しかし、今回は下の写真のように思い切って短く刈っています。

 

 

施肥と目砂

・8-8-8 化成肥料(8%の窒素、8%のリン酸、8%のカリウム)

・砂を3袋

一番最初の芝生植え付けの時は砂を全面に敷いてから、シートタイプのセントオーガスチングラスを植えています。それ以降は目砂を入れていませんでしたので、追加の砂は今回が初めてとなります。あわせて約300gの8-8-8 肥料を撒いています。

 

 

ゼニゴケへの対処

ゼニゴケとりキレダーの取説によると、もともと、日本芝(高麗芝)、西洋芝(ペントグラス)のゼニゴケとりとして記載していましたので、だめもとで試してみた結果は下の写真の通りです。(1回散布後 1ヵ月)

 

取説には3回の散布するように書いてありますので、そのうち効果がでてくるかもしれませんが、対応する芝の種類も違うし、1回の散布であまり効果を実感できなかったので、これ以上散布しても、芝生が枯れるリスクだけが高くなると判断し、2回目以降の散布は中止しました。

目砂でゼニゴケの光合成を阻害する作戦

下の写真は、境界ブロックの際に生えていたゼニゴケを草取りでこさぎ取り(取れる範囲で)、残りは砂で生き埋めする作戦です。

目砂というレベルではなく、てんこ盛りという感じです。取り残したゼニゴケの光合成を阻害してみました。

 

2022.7.31 除草剤散布から約2ヵ月半経過

現状報告します。写真のようにこれまでで芝の状態が一番悪いと感じています。やはり、除草剤の影響だと考えられます。今後徐々に回復することを願って手入れしてみます。

目砂の効果か、ゼニゴケの勢いがやや弱くなっているように思います。

 

 

まとめ

もともとこの記事は、「芝生管理と除草剤」がテーマのはずだったのですが、期待していた結果通りとはならず、あらためてセントオーガスチングラスについて調べる機会となりました。芝生管理の専門家のサイトに出会い、セントオーガスチングラスの管理法はそういうことだったのかと今さらながら学んでいるところです。

これまで、ちゃんとした知識もないわたしが、芝をなんとなく管理してきて、それでも枯れずに生き抜いてきたセントオーガスチングラスの生命力のすざましさに感心するばかりです。

芝生に除草剤を使うことになった経緯として、「西洋芝」というくくりだけで、自分に都合が良いように(楽して、芝生を管理したい)セントオーガスチングラスを無理やり除草剤の使用対象として考えていたことから。ここがすべての間違いでした。やはり、セントオーガスチングラスに除草剤は使わない方が良いようです。

そして、今まさに芝生管理の専門家のアドバイスを実践しているところです。これから芝生の密度が上がり雑草が少なくなっていくことを期待しています。

また、この記事を書くにあたり、農薬(除草剤)と植物の進化(除草剤への耐性アップ)のせめぎ合いを知り、互いの「種の保存のための闘い」(生命は進化し続けている)に生命のリアルを感じ、ヒトの知恵と植物の生命力に引き込まれる時間となりました。

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