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遠近両用メガネのすすめ

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疲れたときになんとなく焦点が合わなくなったと感じる40代。50代ともなると、近くの文字をとっても見ずらいと感じていると思います。これは自然の摂理であり素直に受け入れて生活をすることをおすすめします。

いきなり、上からの物言いで申し訳ないのですが、実は、私は以前メガネ屋さんで働いた経験があり、真剣にメガネに向き合って生活をしていて独立も真剣に考えていました。そんな私が同世代の人々に「遠近両用メガネの便利さ」をどうしても伝えたくて、この記事を書くことにしました。

 

遠近両用メガネをおすすめします。

眼科医でない私は遠近両用メガネをおすすめする資格があるか?

最近ではご存じの方も多いかもしれませんが、オプトメトリストに関して、日本は先進国の中ではとても珍しい存在なのです。通常、国際的には、視力矯正を行うのは眼科の医師と、オプトメトリストいわれる有資格者に限られているのですが、日本ではオプトメトリストという資格制度がなく、眼科医以外でも特に制限がないため、眼鏡店勤務の方が視力矯正をおこなっても違法行為にはあたりません。

ですから、眼鏡店を訪れるお客様次第となっています。眼科で処方箋を頂きそれを持って眼鏡店にメガネを作りに来る方、または眼鏡店で検眼を希望され、眼鏡店で視力矯正をおこなって、その度数のレンズでメガネをオーダーされる方に分かれます。そして、約10年間眼鏡店で勤務してみて感じるのは、眼科で処方箋をだしてもらう人の割合がそんなに多くは無いという事です。これは、あくまで私が勤務した眼鏡店に関しての実感ですので、他店では状況が違うかもしれません。

私は店長として、眼科の先生をリスペクトして、われわれ眼鏡店では眼科さんをサポート、あるいはフォローする形で、お客さんに接するようにスタッフを教育していました。実は、眼科医の処方箋の通りにメガネを作っても、「調子が悪いからレンズを交換してほしい」と言って来店して、眼鏡店で視力矯正を行っていく場合もあるのです。

逆に、仮性近視が疑われる初期の近視のお子さんや、弱視のお子さん、斜視、斜位などのケースでは、目の緊張をほぐす薬を使用して視力矯正をしなくてはいけない場合や高度な検眼技術をようする場合がありますので、そのようなお客さんに対しては無理に視力矯正を行わないで眼科で処方箋をだしてもらう事を店の方針として徹底していました。

そのため、私を含め店のスタッフはごく一般的な近視、乱視、のかたの視力矯正がメインであり、たまに遠視の方の視力矯正を行っていました。あわせて、メガネのレンズを機械で削ってメガネフレームに組み込みメガネを作ることが眼鏡店での仕事でした。かなり前置きが長くなってしまいましたが、私は眼鏡店にて勤務経験があるものの、決して高度な検眼技術があるわけではありません。ですから、特別に高度な事はお話できませんが、メガネの必要性についてはご説明できるのではないかと思っています。

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45歳は老眼鏡を使って当たり前、むしろマナーと心得てほしい。

こんな記事を書いても、老眼鏡適齢期の方から見向きもされないかもしれません。それでもあえて書きます。もしかしたら、頭の柔らかい若い時にインプットしておくほうが賢明かもしれません。老眼という響きがあまりに年寄り臭いので、その言葉自体に嫌悪感を抱いている40代、50代の方が多い事でしょう。

しかし、基本的に人間であれば、年を重ねていくたびに細胞の劣化は進んでいきます。そのことは皆さん実感しているはずです。顔のしわ、肌の張りがない、手のしわ、白髪、など数えだしたらきりがありません。しかし、人としてはたくさん鍛えられ、もまれて、生き延びるすべを経験から得ながら人生に深みがあり、人としての魅力は増しているのではないでしょうか。

そんな皆さんには、どうしても伝えておきたいのです。わたしは眼鏡店で働いてメガネについて勉強したから知り得たことですが、近くの文字を見るときに、ぼやけて焦点が合わないのは目の調節力が衰えているからなのです。これは体の他の部分でも同じなのですが、特に足腰は若い時と同じようには動きませんよね。全力のダッシュなんてとても無理、足が空回りしてしまいます。

同じように、目の内部のピント調整を行う毛様体筋も衰えますし、また、水晶体の硬化が老眼の原因だと言われています。毛様体筋の衰えと水晶体の硬化による調節力の低下を補うのが老眼鏡なのです。我々現代人は恵まれていて、自然の摂理に従い衰えていく目の調節力をメガネというツールで補うことができるのです。

初めての老眼鏡をかけたとき、ほとんどの人が「アッと驚く」のです。あまりにもはっきり見えるので驚いてしまいます。それから、「見る」というこの大変便利な機能は「目」単体では機能しません。目はあくまで「カメラのレンズ」であり「視神経」と「脳」が連携して初めて映像として認識できます。そのため、カメラでピントを合わせることができない状態を続けていると、視神経が鈍り退化しかねません。ですから、老眼鏡でピントをあわせて、視神経に刺激を与えることは大変重要なのです。

この事例は老眼ではなく近視についてなのですが、以前、私が接客したお客様で、それまでメガネを作らずぼやけて見える状態のまま放置しておいて何年も経ってからメガネを作ってみたけども、思うように視力が出なかった事がありました。おそらく視神経が退化したような状態だと思われます。(近視というのは網膜より手前にピントが合っている屈折異常な状態です。近視の方は凹レンズでピントを網膜上に持っていくことで「見える」という状態になります。)

老眼と近視では状況が違いますが、やはり、視神経に刺激を与え活性化させることは非常に重要なのです。ちょっと唐突かもしれませんが、老眼鏡がない時代の戦国武将たちは視力(老眼)の衰えから気力の衰えにつながって、隠居を決意していったのではないかと私は推測しています。

われわれ現代人は、老眼鏡とうまく付き合っていくことで、快適な視力を維持できる環境が整っています。しかし、老眼鏡がかっこ悪い、面倒くさい、という理由で老眼鏡を使用せず、目をしかめながら文字を懸命に見ている人をたびたび見受けます。こんな状態では情報伝達のために準備された書類に目を通すことなどできないし、まともに仕事できるはずありません。そして、まわりに迷惑をかけていることを認識すべきではないでしょうか。

ノートパソコンとメガネ e1652101831855

 

老眼鏡の種類と老眼鏡の使い方

一口に老眼鏡といってもたくさんの種類があります。遠近両用も含めて老眼鏡と考えていますが、眼鏡店では、単焦点、遠近、中近、近々という種類に分けて取り扱っています。

老眼初期のお客様で、一番注文が多かったのは単焦点レンズの老眼鏡です。おそらく価格の安さが人気の理由だと思います。単焦点レンズはその名の通り、「焦点が一つのレンズ」なのですが、これは実は取扱に際して ” 一番注意が必要なメガネ ” なのです。注意点を理解するうえで、基礎知識が必要かと思いますので、まずは基礎知識についてお話します。

 

レンズの度数は?

レンズの度数はディオプトリという単位で “D” で表します。レンズの度数は0.25 D 刻みで変わっていきます。一般に遠方が良く見える状態(正視といい、リラックスした状態で網膜上に焦点がある状態)の方が近く(目からの距離が約30cm)に焦点を合わせるときに必要なレンズは “3.00 D と言われています。

この数字は大事なのでよく覚えておいてください。最初にお話したように、「老眼とは目の調節力の衰え」であり、年を取り仮に目の調節力が0%になってしまったとしましょう。その時に必要な老眼鏡は “+3.00 D” という強さになります。

つまり近くを見るときに必要な調節力を “100%老眼鏡で補いましょう。”ということです。近方を見るときの調節力はすでに10代から徐々に弱くなっていると言われています。極端な話、もう10代から老眼にまっしぐらなのです。そして自覚するのが早い人で30代(遠視系)、そして45歳くらいで老眼鏡の必要性を認めるようになるようです。

目の状態は人それぞれ違いますので、あくまで目安としてお聞き下さい。(正視:網膜上に焦点があり、遠くが良く見える状態)正視のかたを基準にお話しすると、大体65歳で近くを見るときの調節力はほぼ無くなりますので調節力を100%補うために必要なレンズは+3.00Dとなります。55歳で+2.00D 45歳で+1.00Dのレンズで調節力を補う必要があります。

一般的な年齢と老眼の度数
45歳
0.75 1.00 1.25 1.50 1.75
55歳 65歳
2.00 2.25 2.50 2.75 3.00

 

遠くを見るときの目の状態【視力が良い方】
V 200V図 e1679087927836

 

遠くを見る時の目の状態【近視の方】
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老眼鏡はいつ頃から使うのが良いのか?

この問いには絶対という答えはないのですが、眼鏡店にてメガネを販売した経験から言えるのは「遠近両用を45歳くらいまでには使い始めること」をおすすめします。正確に表現すると「加入度数が1.00Dを超える前に遠近両用タイプの老眼鏡を使い始めて、慣れること。」これにつきます。

この話をすると、「どうせ高い眼鏡を売りたいんでしょう?」と思われることと思います。たしかに、遠近両用メガネは単焦点レンズの眼鏡より高価になります。販売サイドとしては単価を上げたいという思いが無いといえばうそになります。私は仮にそう疑われたとしても、必ず遠近両用をおすすめします。なぜなら、ちゃんとおすすめする理由があるのです。

虫眼鏡と女性 e1652101885667

 

脳の働きと慣れ

人間の脳は非常に優れています。視力との関係について先にもお話したように、網膜上で結像した情報を視神経を通じ脳へと伝達し、はじめて見えるという状態になります。

例えば、近視の方を例にとると初期の近視ではレンズは-1.00Dくらいを使う方が多く、それから-1.50  -2.00   -2.50  などと度数が進んでいく方が多いのですが、レンズの度数を変えるときに脳が適応できるのが4段階(0.25D×4=1.00D)といわれています。

つまり、例えば-1.00D の方がいきなり-3.00Dに度数を上げるのは無理があり、気持ち悪くなる場合があります。一方-2.50Dのかたが-3.50D(4段階アップ)に度数をあげても脳が慣れることができると考えて間違いありません。

 

遠近両用(累進)レンズ特有のゆがみ

私個人的には「遠近両用レンズはなんて便利なんだろう。」という実感があります。一方で遠近両用レンズに対する違和感を覚える人が多いのも事実です。この違和感、嫌悪感は遠近両用累進レンズ特有の「ゆがみ」が原因です。そしてこのゆがみは老眼の度数が強くなると、どうしてもひどくなります。

年齢に応じた目の調節力の衰えを補うレンズ度数(眼鏡店では加入度数と呼びます。)は「レンズの度数は」のところに記載してある通り、近くを見るときに必要になってくる「老眼鏡のレンズの度」は年齢を重ねるごとに強くなっていきます。

遠近両用累進レンズではレンズの上半分を遠くを見るエリアとし、レンズの一番下を近くを見やすくするために老眼鏡のレンズ度数を足した状態にしています。そして中間の部分は上下の度数差をなめらかにつなげる構造となっています。

どうしても、このゆがみが気になり対応できないときは「バイフォーカルレンズ」をおすすめすることになるのですが、これは外見上レンズの境目がはっきりとしているため随分と老けた印象になります。

ここで申し上げたいのは、この「遠近両用累進レンズ特有のゆがみ」さえも「脳」が徐々に違和感が無いように「調整」していけるということです。ただし、このすぐれた脳の機能にも限界があり、一度に画像を修正できる限度幅はレンズの4段階(1.00D)を目安としてください。

遠近両用累進レンズ レンズ度数の配置e1679088124106

 

遠近両用レンズを使い始める最適な時期は?

皆さんにお伝えしたいのは、「脳」のすぐれた調整機能にも限界があるという事です。つまり遠近両用レンズを使い始めるタイミングを遅くすればするほど遠近両用累進レンズ特有のゆがみに慣れることができなくなるということです。

大事なので何度でもいいますが、脳が調整して、慣れることができるレンズ度数は4段階です。ですから、老眼の度数が4段階(調節力を補う度数が+1.00D)を超える前に「遠近両用メガネ」を始めることをおすすめします。

例えば、近くの文字が見えずらくなってからメガネ店に来店したその時(老眼初期)に遠近を作り損ねてしまったとします。その方が、その先老眼の度数が2.00D近くまで進んでからようやく遠近を作ろうとしても、おそらく遠近に慣れる可能性は非常に低くなります。

老眼の度数が2.00Dくらいに進んでから、初めて遠近両用累進レンズを使おうと思っても、ほとんどの方は、ゆがみに慣れることができずに遠近両用累進レンズの眼鏡を放置することになるでしょう。ですから、結論としては老眼初期【メガネ業界では加入度数 1.00D(4段階)以内】に遠近を作ることをおすすめします。

このくらいのゆがみは、殆どの方が慣れることができます。なかには遠近に慣れる前に投げ出してしまう方もいるのも事実です。それでも私は遠近両用メガネを強くお勧めします。遠近両用累進レンズの価値は計り知れません。

 

遠近両用累進レンズをおすすめする理由とは

遠近両用累進レンズであれば、一本の眼鏡で近くも遠くも「安心して」見ることができるからです。なぜ「安心なのか」、これは眼鏡店で約10年勤務して、その時に接客したお客さんの目の状態をフォローし、得た結果から確信しているからです。そして、何も遠近両用メガネをつくったから、一日中メガネをかけっぱなしにすることをおすすめしているのではありません。(遠近の場合は掛けっぱなしでも問題ありません。)

しかし、老眼鏡をはじめてつくった方のなかには、メガネを外してしまうとメガネを探すことを煩わしく感じ、いつのまにか老眼鏡を掛けっぱなしにしてしまう人がいるようです。

老眼初期の方が不便を感じる近くを見る作業では、読書の様に同じ距離だけをずっと連続して見ているとは限りません。視線は手元の書類を見たかと思えば、顔を上げて室内のホワイトボードで予定を確認したり、あるいは来社された客人を見たり、同僚の様子をみたりと常に忙しく移動していませんか?

ほぼ100%のかたが無意識にこのような目の使い方をしていると思います。この中にあなたの目にとって重大な問題となる行動が潜んでいるのです。それは、例えば手元が見えずらくなったので初期の老眼鏡を度数+1.00Dで作ったとしましょう。書類を見るときは大変便利ですよね。そしてホワイトボードを見るときに初期の老眼鏡であれば、かけたままでも見えてしまいます。

その時の印象としては「少しぼやけるけども一応見える」という感じでしょう。忙しいあなたはメガネを外すのが面倒臭くなり、ついついそのままホワイトボードや室内のいたるところを見てしまいます。

幸いではなく、「 ” 運悪く ” たまたま初期の老眼鏡であれば、度数が軽いため老眼鏡を掛けたままでも室内程度であれば見えてしまいます。」この「度の軽い老眼鏡の使い方」を失敗してご自身の目の状況を悪い方へと追い込んでしまった方を何度となくみてきました。その結果どのようになっていくかといいますと、やがて眼が老眼鏡の凸レンズに合っていきます。

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遠視とは (若年性の遠視と老眼初期になる遠視がある)

遠視では焦点は網膜の後ろ側にあり、通常リラックスした状態で遠くを見ようとしてもぼんやりと見えてしまいます。ですが、遠視の方は遠くを見るとき初期の老眼鏡(凸レンズ)を掛けると見やすくなってしまいます。(いっぽう、近視の方は網膜より手前に焦点がくることでボヤけて見えます。)

これまで話してきたように「人為的なミスによる間違った老眼鏡の使い方に起因する遠視」(ちなみに、この呼び方は私が個人的に使用している表現であり、業界用語でもありません。)とは全く別に幼少期の通常、弱視と言われている方々がいて遠視矯正として、とても分厚い凸レンズをかけているかたがいます。一度はご覧になったかたもいるでしょう。個人差がありますが、あの眼鏡は治療用であり、ちゃんと使い続けていると、成人してからメガネが必要なくなるまで回復する人もいます。

ここでは弱視ではなく、「人為的なミスによる間違った老眼鏡の使い方に起因する遠視」についてのみ、お話しています。この遠視はかなり厄介だと思います。

通常眼球には角膜というレンズと眼球内部にある水晶体というレンズの厚みを変化させて近くや遠くにピントを合わせる機能がありますが、ピントの調整機能は水晶体がリラックスした状態を基準にして毛様体筋により水晶体を厚くして凸レンズの度を強くするのと同じで焦点距離を短くする方に働き、その逆に、リラックスした基準状態より水晶体を薄くする(凸レンズを弱くする)ことはありません。

正視といって一番理想的な目の状態(リラックスした状態で自然と焦点が網膜上にある)ではリラックスして自然に遠くが見えます。

それに対して、遠視では目をリラックスさせている状態では遠くを見るとき、ぼんやりしているのですが、弱度の遠視の場合、ちょっと意識すると近くを見るときとおなじように水晶体を少し厚くすれば焦点が網膜にきてピントが合ってきます。

つまり、このようなピント調節を無意識に行うようになりますので、軽度の遠視では本人は殆ど自覚がありません。しかし常に水晶体を調整するような状態になりますので目が非常に疲れやすくなります。

遠くを見る時の状態【遠視の方】
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遠視の負のサイクル

「人為的なミスによる間違った老眼鏡の使い方に起因する遠視」になる人の特徴というより、そのようになってしまうはっきりした原因があります。

それは、「老眼鏡を正しく使っていない」ということ。老眼鏡はその人の目の状態に合わせて、その方が近くを見るときに低下した調節力を補うものなので、あくまで近くを見るとき(どれくらいの距離で老眼鏡を使うかによって適正な度が違う)に使うものなので室内の様にちょっとでも「手元より遠くを見るときは絶対にメガネを外す」ことが原則です。

この使用上の注意点を守らずに、「ご自身で目の状態を悪くさせている方」がいかに多いことか、誠に残念でなりません。何度お伝えしても聞き入れてくれない人がいます。ときに、お客とそのことで喧嘩状態になったこともあります。それくらい喧嘩するくらい真剣に接客して、やっと理解してくれて遠近両用レンズに切り替えてくれたお客さんもいます。

わたしが経験したお客さんのなかで重症だった人は、最初に比較的軽度の老眼鏡だったのですが、遠近と通常の老眼鏡を作って遠近だと視野が狭いこともあり、ついつい老眼鏡を多用し、老眼鏡を外さずに遠くも見てしまい、比較的軽度の老眼といえる+1.50Dの老眼鏡に目が合ってしまい+1.50Dの遠視となってしまっているのです。

つまり、遠くを見る時に+1.50Dの眼鏡が必要であり、近くを見るときに必要な調節力は高齢になってくると3.00D(調節力を100%補正する必要がある)必要になりますので、+1.50Dに3.00Dを加算して+4.50Dの老眼鏡が必要になるです。

皆さんよく耳にしたことがあるフレーズとして、「老眼鏡を使い始めると急に度が進むからできるだけ老眼鏡を使いたくない。」というものがあると思います。この「間違った情報」が多くの方に悪影響を与えているのが現状です。しかし、それ以外にも若い頃からメガネを使っていてメガネに抵抗が無い方はよいのですが、「メガネそのものが嫌い」という感情も大きな障壁となっています。

メガネは愛好家とアンチとに二分してしまうアイテムですが、メガネオタクともいえる私が考える究極の眼鏡があります。それは「上平 加入3.00」の遠近両用メガネです。「上平」(読み方”うわへい”)とは”レンズの上半分には度無し”という意味です。「加入3.00」とは”レンズの下の方に老眼鏡の3.00D(近くを見る時に必要な調節力を100%補うもの)が入っている”という意味です。

これは何を意味するかと申しますと、「上平」であるということは老眼鏡を正しく使った証です。遠視でも近視でもない理想なのです。そして、「加入3.00」が意味することは本人の近方を見る時の調節力はほぼゼロの状態であるという事です。

つまり、このメガネを使っている人は目を大事にして、老眼鏡を正しく使い、老眼の度数を年齢に応じて徐々に強くしてきて、遠視になることなく100%の調節力をメガネで補う状態までたどり着いた老眼鏡のスペシャリストです。そして、それはメガネオタクである私の「眼鏡ライフの目標」でもあります。

 

まとめ

老眼鏡は正しく使えば大変便利なツールです。なかでも遠近両用はとくにおすすめします。近くを見る時の視野は決して広くはありませんが、最近はゆがみが少なく視野が結構広く改善されています。そして、繰り返し申し上げたように目と視神経と脳とは切り離せません。脳の調整力を信じて遠近両用メガネをなるべく老眼初期(老眼の度数1.00D以内が理想)に使い始め慣れてしまってほしいのです。

違和感は1週間の辛抱です。あなたの脳を信じてください。もちろん脳が慣れてしまうにはできるだけメガネをかけ続けるのが理想ですが、無理をせず徐々にならしていくことをおすすめします。遠近両用の眼鏡だから、常にかけていなくてはならないと言う事はありませんし、老眼初期のときに遠近両用累進レンズに慣れてしまえば、その後、老眼の度数が進んだとしても、あとは”レンズ4段階の法則”で徐々に無理なく適応できます。

しかし、最初に遠近を使い始めないで老眼の度が進んでから遠近をはじめようとすると、遠近両用累進レンズに慣れるまでに非常に苦労するか、途中で投げ出してしまうことになるでしょう。過去に私が接客したお客の事例をもとにそう断言いたします。そして、皆さんが老眼鏡を使い始めて遠視になってしまわないことを切に願います。

ちなみに、近視の方は近くを見る時に凸レンズを掛けることは無く、近視矯正の凹レンズを外せば近くが見えますので遠視になることは無いでしょう。ご安心ください。しかし、近視の方も老眼にはなりますよ。若い皆さんもいずれは老眼になりますのでその事をお忘れないように。

 

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マイペース派で、「変人」に憧れる管理人のアイボックです。必要は発明の母といわれるように、暮らしに直面する問題を一つ一つクリアする事をやっていたら、些細なものからちょっといいアイデアと思えるものまで出来ていました。そのときは必死にやっていて、気づいてなかった。いつの間にかDIYが好きになっていたようです。